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本編は12月10日掲載の緊急掲載!「オスプレイ報道の真実」及び第2回、緊急掲載!「オスプレイ報道の真実」の完結編です。
上記を未読の方は、面倒でも一読してから、読まれることをお勧めします。
すでに読まれた方も,記憶の整理など復習のため再読をお勧めします。
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オスプレイの見学会をめぐる
沖縄の報道とその真実
橋本勇気(沖縄現代史研究家)
第3回ー完結編
ファミリーデーについての報道
オスプレイのファミリーデーは、朝9時から午後16時まで行われた。一時間目は、メディアのためで、展示館の案内と展示しているポスター、チラシ、ヴィデオ及びヘリモード及び飛行機モードの二機のMV-22Bについて質問する時間だった。20社のメディアから約40名の記者、写真家、ヴィデオマンが参加していた。
10時より、招待した約65名の来賓がきた。そのうち、沖縄防衛局の依頼で、島袋義和名護市前市長らその他の参加者が付け加えられた。元々、県知事をはじめ、県幹部や各市町村長と同議長や沖縄選出国会議員らが個別に招待されたが、残念ながらなぜか殆ど全員の政治家が参加しなかった。ミラマーや岩国での公開機会に続いて3回目の欠席である。
11時より、親子60名の最初のグループが到着した。このようなグループは合計5組あったので、5つの時間帯に分けて、一組ずつ案内された。参加する家族たちに予め時間帯を選択して頂いた。締め切りに間に合い、沖縄県民であることなどの条件が満たされれば、アクセスのご案内などの情報とともに参加許可の確認連絡が送られた。前述の通り、個人的な対応を可能にするためにグループの参加の人数はあえて制限された。人数が少なかったためゆっとりした気分でゆっくり見学ができたと感謝する家族が殆どだった。
一部の報道機関は、親子の時間帯をメディアに公開しなかったことに対して不満を露にした。残念ではあるが、おそらく何をしてもメディアからの批判があるだろうが。家族たちのプライバシーを重視したため、家族の邪魔になる可能性があるカメラや記者たちをあえて入れなかった。何かの手違いでもしこの時、メディアを入れていたら、「沖縄の親子を利用している」との批判を受けたに違いない。それでも、日本放送局(NHK)やTBS系列の琉球放送局(RBC)など一部の報道機関は、普天間飛行場の外と思われる角度から、格納庫の中や、飛行機に出入りする親子の姿の映像をとっていた。企画者を代表するエルドリッヂ氏は、メディアの盗撮まがいの行動はルール違反、少なくともフェアな報道精神に反する行動だと、考えた。
もう一つ、気になった点があった。いくつかのメディアが、米軍や海兵隊の「思惑」という表現をよく使っていた。しかし、前述したように、海兵隊側に特別な「思惑」はなかった。「どうぞ、皆さんの沖縄県に最近配備されたが、今まで近くで見ることが出来なかった新型輸送機をみて下さい。ご質問があれば、操縦者、乗員をはじめ、ここにいる50名の関係者に尋ねて下さい。機内にもどうぞ入って下さい。写真、ヴィデオもどうぞ自由にとって下さい」、これが主催者側の本音であった。
上記で言及しているように、新聞やテレビで幾つかのインタビューが紹介されていた。参加者でイベントを高く評価した方々人の話によれば、彼らのインタビューはなぜか報道されなかった。面白いことに、見学者に特にネガティブなコメントがなかったため、悪く見せることが出来なく困ったメディアは最もポジティブではないインタビューを使用せざる得なかったようだ。それでも割合、中立的なコメントであった。このメディアの報道を見た参加者は後に、「その質問は悪意に満ちたものであり、MV-22に対して不安を引き出すようなものであった。MV-22への多くの賛美する声が、ここで封印されたのだ」と筆者に述べた。
沖縄のメディアがどのような操作をしたのかといえば、反基地運動の関係者や地元大学教授へ取材だ。いうまでもないが、何れの場合も、実際に参加したことはない方々だが、一般見学会を「宣撫活動」や「姑息な工作」だと批判し、その他の記事では、海兵隊は県民に対して「アピール」し、「理解」を求めようとしていると書いた。そうではない。県民に対して正確な情報を提供し、その知識に基づいて決断する機会を与えたに過ぎない。海兵隊は言論の自由を大事にすると共に、沖縄県民が納得するかどうかの判断の自由が当然あると思っているからだ。
メディアが歪曲報道を試みたにもかかわらず、ネット上ではこのイベントについて数千のコメントやシェアがあった。参加者は感謝ばかりで、参加できなかった方々は新しい機会を設けてほしいという強い希望を伝えてきた。
海兵隊はいくつかの情報源でこれは把握している。第一に、オスプレイのファミリーデーに応募し、あるいは問い合わせした方々は、メッセージを残し、コメントを送ってくれた。第二、イベントの最中、参加者は積極的に海兵隊の関係者に声をかけ意見を述べていた。第三に、広報部は、MV-22Bについて県民の考えに関するアンケートを開催する前と終わってから実施した。
回答や結果を公表する予定はないが、アンケートの中身を簡潔に紹介したい。まず、実は、見学会の前後に二つのアンケートがあった。参加許可の連絡と一緒に最初のアンケートが届けられた。メールで返信してもらった。二つ目のアンケートは、見学会の当日、会場の入り口で配り、イベント終了後に返して頂いた。一回目のアンケートには、六つの質問があって、回答は、1(低いかネガティブ)から10(高いまたはポジティブ)までの数字を選んでもらった。さらに、自由に書く欄もあった。二つ目のアンケートでは、10問があって、回答の仕方は上記と一緒で自由に書く欄があった。コメントの殆どは非常にポジティブで建設的であった。
ところで、このアンケートの実施を提案したのは、第31遠征部隊の一員として東日本大震災で活躍した若く情熱に溢れ、広報という仕事が大好きで、退官後日本に暮らしたいほどに日本を愛している報道官だ。イベントに参加した方々は満足し、オスプレイについて判断するに必要な全ての情報が行き渡っており、海兵隊はこれからすべきことの提案があるかどうかを確認したいためにアンケートを作った。これは正に、顧客に対するお店のアンケートと同様なもので、基地や広報部は、お客さんである日本国民(やアメリカ国民)へのサービス向上のためにどのようにすれば良いかという趣旨だった。
その直後産まれたのは、「地域交流に関するアイデアコンテスト」だ。これも沖縄県民を対象にしたプログラムだが、海兵隊のコミュニティ・リレーションズの向上に向けて提案や提言を3月中旬に公表し4月8日まで募集した。が、読者は、このイニシアティブの存在は知らないだろう。なぜなら、地元メディアが取り上げることをあえてしなかったからだ。
むすび
最初に述べたように、ファミリーデーについて地元メディアの持つ独自意見や憶測のみを知らされた県民に対し、事実を紹介するために本稿を書くことにした。このレポートを通じて読者は、沖縄のメディアが一般見学会を誤って報道し、反対運動の「被害者」意識を展開しようとしたのかが理解できるだろう。残念ながら、このような報道は、沖縄での記事のほとんどに見られる傾向があり、これは公正かつ客観的な報道の不足を象徴している。 そしてこのメディアの変更報道が、在沖米軍をはじめ、日本政府にとって諸案件の遂行上非常に悩ましい問題であることは言うまでもない。過去には、『正論』その他の優秀な月刊誌では、沖縄のメディアは無責任との批判があったが、それが修正されたとは思えない。むしろ、メディアの改善を求めた杏林大学教授の田久保忠衛氏や元琉球銀行員の恵隆之介氏などの評論家は激しい攻撃を受けた。最近では、沖縄のメディアの偏向報道にうんざりし、ソシアルメディアなど違ったところから情報を探し、そして誤った報道を厳しくチェックしている一般市民が増えている。
逆説的ではあるが、メディアが海兵隊を助けてくれた点もあった。(おそらく意図的ではなかったと思うが。)バイアスがかかった報道のおかげで、オスプレイの一般見学会への参加に圧倒的な関心を示した県民とメディア(及び政治家)とのギャップをハイライトしてくれたからだ。第二に、米軍全体をはじめ、オスプレイや米軍の政策と企画についてメディア、政治家や一部の県民の認識不足がハイライトされた。実際は海兵隊のイベントは「宣ぶ工作」でもなければ、「焦りがあった」わけでもない。一般見学会の構想は、その9ヶ月前から考え、MV-22について誇りをもち、近隣の皆さんに直接それを紹介し楽しく交流する機会を作ろうというものであった。
ファミリーデーに関する報道で海兵隊側が「助かった」と感じたもう一つのことは、メディアや反基地運動の見解が情報や事実というより、感情的な議論が支配的であると改めて教えてくれたことだ。いくら合理的、明確、透明性のある情報発信の努力をしても、これらのメディアの感情的なレンズを通して映ってしまう。この「メガネ」をとって初めてメディアの文章や観点が、鋭く論理的かつ建設的になる。そもそもメディアを通じず国民に直接語ることは、情報をより分かり易く伝え、メディアが支配しているバイアスも排除もできる。
海兵隊は、沖縄県民を「宣撫」していると責められたが、筆者の知る限りとんでもない間違いだ。県民を分断しようとしているのは、メディアと反基地運動の「プロ市民」の方だ。一般見学会は、オスプレイについて今まで間違った情報しか知らされなかった県民に対して事実を紹介するためのものだった。メディアが作り上げ、政治家や活動家が扇動した恐怖を和らげ、あるいは完全に消したら、日米同盟やいわゆる基地問題についての議論も冷静にできるためになおさら良くて健全だ。
結論をいえば、オスプレイや米軍基地そのものが問題なのではなく、報道の仕方一つで、深刻な問題が存在するとのイメージが作り上げられるのが問題なのだ。 連日の歪曲報道によって誤った事を事実だと県民は信じ込まされている。テレビ朝日(テリブル朝日という人もいる)のように誤解を招く情報や解釈と共に、暗くて怖い音楽をバックに流しながら、基地はまるで妖怪の住む伏魔殿で、オスプレイはドラキュラ的な存在であるかのように、わざと誤った報道、そして専門知識どころか基礎的知識さえないため、深刻なバイアスと無知が悪循環のように繰り返えされている。
「無知は至福である」、つまり何も知らないことは幸せだというトーマス・グレイの1742年の詩にある諺はどの国でもあるようだ。例えば「知らぬが仏」が日本にあるように。 それは上記の反対運動の年配者の発言に見られ、そして、普天間フライトラインフェア一度も参加したことがないと自慢したある地方自治体の元市職員のコメントにも見られた。筆者にとってこれは自慢どころか、恥ずべきことだと考えている。なぜなら、これはコミュニティサービスや経済、教育と人材育成などの利益そして、沖縄、日本、アジア太平洋地域全体の安全と平和をもたらす隣人である米軍への関心の低さを象徴するからだ。また、その態度は、隣人精神や友情の無ささも象徴する。いうまでもないが、これは沖縄が楽しく平和的なところという自らのイメージにも反する。さらに、一部の人間は無知状態にあることを望み、勉強したり成長することを望まないという上記のグレイの詩を再強調していると言える。
幸いに、多くの沖縄県民はMV-22について学ぶ意欲に満ち、その機会を積極的に捕えた。その結果、日米同盟の財産として県内に存在する新しい飛行機についてこの方々がより正確な情報をもっている。正確な情報をしかっりもっている市民は、民主主義にとって不可欠の存在である。それに対して、反基地のメディア、活動家及び政治家は、依然として仮想現実の中で生きている。
で、海兵隊にとって一つの問題が残っている。本稿の最初に述べたように、海兵隊は、実行委員会で、ファミリーデーに参加を希望する、定員を超える圧倒的な数の応募者の対応に悩んでいる。東京、鹿児島、名古屋、岩国など日本本土各地にもオスプレイをみたいという人々がいる。これこそが重要な今後の課題だ。将来、各地でこのようなイベントが開催できれば良いのだが、通常の訓練、運用その他の配慮が必要なことから確約はできないとのこと。いうまでないが、それでも、オスプレイをはじめそれを操縦し整備している海兵隊員たちをいつかぜひ見て頂きたい。その日が来るよう、皆さんの地元に来て展示してほしいの要望があれば、在日海兵隊あるいは、近くの地方の防衛局までご連絡を下さいとのことである。(完)
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(代表者:金城テル)よりのお願い。
現在、那覇市障害者福祉センター訴訟(翁長雄志後援会々長がこのセンターを管理し事業を行っている福祉団体の会長をしていた件)と久米至聖廟訴訟(翁長前市長が龍の柱をシンボルとする中国との交流拠点づくりを進めていた件)ではそれぞれの訴訟内容が複雑なため、担当弁護士をそれぞれ置いて那覇市住民訴訟を行っています。被告は那覇市と翁長雄志氏です。知事になったからといって責任が逃れられることはありません。
本件は徳永、照屋両弁護士が手弁当で代理人を務めていただいておりますが、訴訟実費を含む活動資金が枯渇しております。
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