狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

総括、教科書問題、中国への誤メッセージ

2012-02-25 17:41:13 | 八重山教科書採択問題

 

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教科書問題決着 「変わっても支障なし」

 八重山地区の公民教科書問題は、石垣市、与那国町が育鵬社版、竹富町は東京書籍版を採択することで最終決着した。昨年6月、委員の入れ替えを決めた八重山採択地区協議会に端を発し、両社の教科書をめぐって繰り広げられた攻防を、記者の視点から振り返る。

 ▽反対運動
 改めて感じるのは、育鵬社版の反対運動がなぜ、ここまで盛り上がったのかという疑問だ。


 昨年の9月議会一般質問で、仲間均市議は、東京書籍版が育鵬社版に変わることを念頭に仲本英立教育委員長(当時)に「教科書が変わると、何が現場で変わるのか。どういったことに支障をきたすのか」と質問した。


 仲本委員長は「端的に言って、教科書が変わっても別に支障はない。学習指導要領に沿った本なので、そんなに支障をきたすことはないだろうと思う」と答えた。一般人の感覚から考えて、常識的な答弁に思えた。


 育鵬社版に反対する人たちには大きな論拠がある。現場教員である調査員がまとめた報告書だ。


 「表紙の日本全体図の写真で、沖縄県が他の写真でさえぎられている」
 「沖縄の米軍基地に関する記述が全くない。小さな写真のみ」
 「軍事力に頼らない平和への努力や、憲法9条が果たしてきた役割がほとんど記述されていない」
 「自衛隊による軍事抑止力を強調し、憲法9条を改正する方向へ誘導するような内容」…。


 調査員がコメントした育鵬社版のマイナス評価は、14項目にも及んでいる。
 一方の東京書籍版はプラス評価のコメントが3項目だった。


 「平和主義の単元に『沖縄と基地』を取り上げ、写真では住宅地に隣接する普天間基地がとてもわかりやすく写されており、返還計画が大幅に遅れていることが記載されている」などとある。


 調査報告から判断する限り、調査員は憲法9条の改正、自衛隊、沖縄の米軍基地に反対していて、そうした思想傾向に合致する教科書を推薦しているようだ。逆に自分の思想に沿わないと思われる教科書(育鵬社版)には非難の嵐である。


 だが、八重山採択地区協議会の規約では、調査員は、法律や学習指導要領、県や八重山地区の教育方針などの観点から教科書を調査研究する、とある。


 教科書に表れた思想傾向は調査研究の対象ではないはずだが、報告書を読むと、まるで検閲官のような姿勢と言うほかない。こうした報告書に、協議会委員の多数は違和感をおぼえた。


 協議会が育鵬社版を選定した理由は次の3点だった。
 「内容の説明に妥当性があり、領土問題がしっかり扱われていて、八重山地区の教科書にふさわしい」
 「現代社会に存在するさまざまな問題を、自分を主体として捉える公民として知識・判断力を表すのに適切である」
 「改訂教育基本法の主旨を反映している」。


 東京書籍版を批判しているのではない。しかし、調査員と協議会委員と、どちらがより冷静に教科書の記述内容を判断したのか、明らかだと思える。


 そもそも、教科書を選定する権限は調査員でなく、協議会委員にある。育鵬社版の反対運動は、何か大きな先入観か思い込みに基づいている、というのが偽らざる印象だった。


 ▽玉津改革
 従来の教科書選定では、調査員が教科書に順位をつけて、第1位の教科書を「採択教科書」として協議会に報告し、協議会が追認していただけだった。これが「従来は教員が事実上、教科書を選定していた」と言われた理由だ。


 教員は教材研究のプロであり、教科書選定は教員の意見を最大限尊重するべき―というのは当然の主張だ。だが、教員の意見だけがあまりに重視されると、どのような事態が起こるかは、調査員の報告書で見た通りである。


 協議会会長の玉津博克石垣市教育長が取り組んだ教科書選定方法の改革は①協議会委員に教育委員と学識経験者を加え、教育委員会職員を外す②教科書の順位付けや絞り込みを廃止する―の2点だった。


 玉津改革が「育鵬社版の選定ありき」なのか「教科書選定方法を、本来あるべき姿に戻した」のか、激論が展開されてきた。


 ただ1つ明確なのは、教科書採択は、教員の意見を、第三者である八重山採択地区協議会が判断し、最終的には教育委員会が結論を下すという制度になっていることだ。


 前回の採択まで調査員報告の追認機関だった八重山採択地区協議会が、今回初めて独自性やチェック機能を発揮した。賛否はあるが、これが制度の本来あるべき姿だと感じる。    (仲新城誠)

            ☆

文科省の検定を合格した教科書の中からどれを選んでも、それほどの違いはない、と考えるのが普通の考え。

県教委に扇動され「全教委協」を召集し、結果的には引責辞任に追い込まれた仲本英立石垣市教育委員長でさえも、当初は「どれを選んでも、それほど違いはない」という認識を示していた。

>仲本委員長は「端的に言って、教科書が変わっても別に支障はない。

結局、仲本氏も「極悪複合体」(反日左翼複合体」の圧力には逆らえず、あのような発狂騒動の渦に巻き込まれた被害者なのだろう。(涙)

          ☆

だが、仲本氏も領土問題の記述では支障どころか大問題が存在することには、考えが及ばなかったがあったようだ。

中国への誤ったメッセージだ。

尖閣諸島の領有権は日本にあると明記した育鵬社版公民教科書に猛反対し、中国の主張をそのまま掲載した東京書籍版教科書を、国の反対を押し切ってまで、使用しようとしている勢力が存在する沖縄。

これを中国はどのように受け止めるのか。

中国は、これらの「反日左翼複合体」の跋扈を、「中国による解放を待つ沖縄人」と受け取り、尖閣近海はおろか久米島近海にまで出没するようになった。

25日の八重山日報に一面の左トップの見出しはこれだ。

海保調査「違法」

中国、対抗措置の可能性

海保調査「違法」と報道 中国、対抗措置の可能性

 【北京共同】日本の排他的経済水域(EEZ)で、海上保安庁の測量船に中国が調査中止を要求した問題で、中国国営通信新華社は24日までに「違法調査」と日本側を非難した。日本による無人島の命名問題に反発を強めており、対抗措置である可能性がある。
 
 海保によると、測量船が地殻構造の調査をしていたのは沖縄県・久米島の北北西約170キロ、中間線から日本側に約180キロの地点。中国国家海洋局の公船は19日夜に調査中止を求めた。尖閣諸島からは東北東に約400キロ離れている。
 
 だが、中国各紙は同海洋局が「尖閣諸島沖合で調査中止を求めた」と報道。新華社は21日、現場海域には触れないまま「違法調査活動」と決め付けた。
 
 中国は中間線より日本側にある沖縄トラフまで自国の大陸棚が延びているとして海洋権益を主張している。しかし、海保によると、中国側が中間線の日本側海域で海保測量船に調査中止を求めたのは過去、2010年の2回だけだったという。
 
 異例の対応は、日本が1月から進める沖縄県・尖閣諸島周辺を含む無人島の命名に対する対抗措置との指摘がある。中国外務省の羅照輝ら・しょうきアジア局長は22日、日本外務省の杉山晋輔すぎやま・しんすけアジア大洋州局長との会談で、名称確定の動きに抗議した。
 
 中国外交筋は「中国側の反発は強まっており、多くの中国公船が尖閣諸島沖など東シナ海に向かうことになるだろう」と警告した。

           ☆

「再協議せず」確認 教科書問題で市教委

 「往生際が悪い」という言葉がぴったりなのが、いまだに文科省の指導に悪足掻きする「ゾンビの会」の面々だが、「町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」(仲村貞子世話人代表)という長ったらしい名前の面々も負けず劣らず往生際が悪い。

この期に及んで「イヤダ、イヤダ」と我執むき出しの態度はいかにも見苦しい。

それにしても問題の本質をまるで理解していない人達に後押ししされ、提訴に踏み切った原告母親らは、本当に意味がわかって提訴したのだろうか。

仲村代表は一体何をジタバタしているのかと思ったら、石垣市の記者会見でこんな寝言を言っていたらしい。

「法的瑕疵(かし)があるならば3市町は『同罪』なのに、竹富だけ有償なのは不当な差別そのもの」と。

お得意の「差別」が出てきたが、寝言は寝てから言って欲しい。 差別の道を選んだのは自分たちではなかったのか。

石垣市と与那国町は、法的瑕疵のない「8・23八重山採択地区協議会」の選定に従ったから「無償措置法」の適用を受け無償給付なのですよ!、(あー、疲れる)

竹富町が従った「9・8全教委協」は、「井戸端会議」で教科書採択をしたのだから、瑕疵そのものでしょうが。(怒)

 もう1人の往生際が悪い男、慶田盛安三竹富町教育長は、「町の子どもに真理を教える教科書採択を求める町民の会」の寄贈の申し出に対し、こんな負け惜しみを言っていた。

「町の『先輩』が後輩のために動いてくれた。こんなにうれしいことはない」と。

そんなにうれしいなら、いっそのこと公民以外の他の教科書も「先輩」の寄贈にお願いしたらどうだろう。

        ☆

八重山日報 2月23日

教科書問題の経緯

2011年
1) 6・28  教科用図書八重山地区採択協議会は6月27日のの総会で、
        協議会の委員から教育委員会職員を外し、教育委員と学識
        経験者を加える規約改正。翌28日の調査委員会で、調査員
        による教科書の「順位付け」を廃止。

2) 8・3  県教委は協議会に対し、教科書選定を延期し、委員に学校
        関係者(校長・指導主事)を追加する要請文書を送付。

3) 8・10  協議会は臨時総会で、県教委の要請について諮り、否決、県
        教委は、3市町村に対し、地域住民の理解を得ることをなど
        を指導。

4) 8・23  協議会は育鵬社の公民教科書、帝国書院の歴史教科書を
        採択。

5) 8・25 石垣市、与那国町教委は、協議会の選定通りに教科書を選定。

6) 8・27  竹富町教委は、公民教科書で育鵬社版を不採択とし、東京書籍
        版を採択。

7) 8・30  県教委は、3市長教委に対し、再度の合意形成を行い、
         期限までに同一の教科書を採択するよう指導。

8) 8・31  採択地区協議会の役員会で再協議を行い、竹富町教委に対し、
        協議会の選定通りに教科書を選定するよう要請。

9) 9・2  竹富町教委は育鵬社版を不採択とした8月27日の決定を
               再確認。
       県教委は教育委員長名で通知文を出し、3市町教委でで話合い、
       打開策を検討するよう指導。

10) 9・8  3市長の全教育委員会13人で構成する「八重山地区教育
               委員会協会」が招集され、終了後、教科書採択に向けた
               協議を開始。
       決定方法を多数決とすること、育鵬社版の不採択、東京書籍
              版の採択を、いずれも多数決で決定。与那国町教育長は退席。
       与那国町教委は同日付、石垣市教委は9日付で、8日の協議が
       無効であることを県教委、文科省に通告。

11) 10・
 17,18  こどもと教科書を考える八重山地区住民の会が東京書籍版
        の統一採択を文科省などに訴える東京要請行動

12) 10・26  中川文科相は主因文部科学委員会で竹富町が公民教科
                   書を有償購入すべきと答弁。

13) 2012年  竹富町教育委員会は臨時総会を開き、東京書籍版の
  2・22       寄贈を受け入れる方針を決定。

 (文科省の記録などをもとに作成

 

 【追記】

書き漏らしたが、本日は「2・26事件」のあった日。

昨年のエントリーは、2・26事件雑感なので、興味のある人は覗いてください。

コメント欄も興味深いです。

 

【お知らせ】

沖縄の若者達が頑張っています。

3.18の「沖縄反メディアデモin那覇」の開催に向けて、ビラ配りやポスティングを行っています。
本日(26日)午前10時には、辺野古区長さんと対談もされるようです。
3.18沖縄デモには、全国各地でデモを始めた若者達が応援に駆けつけ、ニコ生でデモの模様も生放送されると思います。
コチラのブログで応援して頂けましたら、とても心強いと思い、コメントさせて頂きました。
どうぞ、応援・拡散よろしくお願い致します。

▼予約スケジュール
http://com.nicovideo.jp/community/co1447138
開場:2012/02/26 09:57  開演:10:00 ~
沖縄の真実の声を県外へ届けたい! 名護まさおプレゼンツ
【名護おにい×辺野古区長】(放送者:75おにい)


沖縄版 フジテレビ・花王デモ
http://demookinawa.blogspot.com/

ビラ配り&ポスティングOFF!+ニコ生告知
3月4日(日)曜日にビラ配り&ポスOFFを行います!
今回は二カ所で行いますので、お近くの方は是非ご参加下さい。
集合時間13:30 開始時間14:00
集合場所
1,小禄ジャスコ前
2,沖縄国際大学前ローソン前
※チラシは運営側で準備します。※雨天決行

また、2月26日(日)にはニコ生放送で沖縄の真実の声を県外へ届けたい!
【名護おにい×辺野古区長】を放送しますのでお時間のある方はご視聴下さい。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv82540980

【3.18】沖縄反メディアデモin那覇【告知動画】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm16897874
youtube youtube.com/watch?v=dwB4io↓↓ 

YouTubeもリンクが切れているみたいでしたので、コチラを。

http://youtu.be/dwB4ioCw-I0

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コメント (18)

被告席の暗闘!県と石垣市 

2012-02-25 07:12:29 | 八重山教科書採択問題

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今朝の沖縄タイムスも昨日に続き、一面、社会面のトップを発狂見出しで埋めている。「慰安婦」「住民虐殺」の削除に関する発狂記事に今日は合計4面も費やし、主な見出しをザット拾っただけでも次のような狂態である。

■台一面トップ

≪文言削除 知事が判断≫

「慰安婦」「虐殺」復活否定

■第一社会面トップ

「住民虐殺は事実」

■第二社会面トップ

女性の首に軍刀」

あまりにも見苦しいので後は省略する。

長年極左市長の専横を許していた石垣市に保守系市長が登場して以来、反日左翼勢力の衰退は著しく、極悪複合体の弱体化は目に余るものがある。

今年に入ってからだけでも、八重山教科書問題、宜野湾市長選挙と連戦連敗の有様。

そんな折、第32軍壕入り口の説明版の削除に、渡りに舟と飛びついたのが、これから当分続くであろう沖縄メディアの集団発狂の背景である。

いわゆる「慰安婦」を壕に連れ込んだり、そこで住民虐殺が行われた確証がないのに、このキチ害騒ぎ。

何の知識もない中高生が修学旅行で訪れる場所の説明版に、ことさら「慰安婦」「住民虐殺」を記入せよ、と主張する極悪複合体は、「残虐非道の日本軍」を教科書に記述せよいう主張と軌を同じくしている。

百歩譲って、その事実があったと確証されても、僅かなスペースの説明版にわざわざ書き込む必要がある事項なのか。

これまで「普天間移設」では、何とか発狂新聞の攻撃の矛先をかわして来た仲井真県知事だが、これから予想される「メア発言」同様の集団リンチにどれだけ耐えられるか。

河村名古屋市長と同様に、頑張って欲しいものである。

知事、削除「わたしの判断」 32軍壕説明板

第32軍司令部壕の説明板の文言削除について、記者の質問に答える仲井真弘多知事=24日、県庁(写真)
政治  2012年2月24日 12時40分 

 仲井真弘多知事は24日午後、那覇市首里の第32軍司令部壕(旧日本陸軍守備隊)の説明板の設置を進めている県が、壕内の様子を紹介する説明文から「慰安婦」「日本軍による住民虐殺」の文言削除を決定したことについて、「最終的にはわたしの判断だ」と述べ、自らが文言削除を決めたことを明らかにした。記者団に答えた。

 仲井真知事は「(説明版は)県の公文書みたいなもの。内容によって適切であるかどうかというのは、県は県で判断して書くというのは当然ではないか」と述べた。文言復活の可能性を問われると、コメントしなかった。

 仲井真知事は23日夕、説明板の文言削除について沖縄タイムスの取材に対し、「知らない」と答えていたが、翌24日午前には一転、(削除報告があったのを)「失念していたかもしれない」と釈明した。

               ★

■「石垣市vs沖縄県」、被告席の暗闘!

八重山教科書問題は、「有志の寄贈」という子供たちにとっては惨めな結果で決着は付いたが、母親らが提訴した教科書訴訟の第一回口頭弁論を傍聴して感じた違和感を述べてみたい。

当日まで筆者が得た情報では原告は母親ら四名で複数だが、被告は石垣市教委の単独ということであった。

原告が複数でも同じ思いの原告なの代理人は共通で、各原告がそれぞれ代理人を持つということはない。 同じように被告が複数の場合でも、「集団自決訴訟」でもそうだが、代理人は共通(用)である。

従って原告・被告それぞれに複数の代理人がいる場合は、法廷ではお互いに並んで着席しお互い相談しながら弁論するのが通常である。

ところが今回の教科書裁判で向かって右側に着席した被告代理人の弁護士は3人いたが、2対1で間を置いて着席し終始相談するどころか、筆者の目にはお互いに目を合わすことさえない様子に見えた。

後で分かったことだが、当日は急遽被告に県が加えられ、被告席では石垣市と沖縄県それぞれの代理人が呉越同舟を演じていたことになる。

原告は竹富町の立場を代弁するような訴訟であるから、本来なら県は原告席に座るはずなのに、お互い真っ向から意見が対立する石垣市と同じ被告席に座らされた結果が当初の異様な雰囲気だったのだろう。

これだけを見ても今回の訴訟がお門違いの無理筋を何とか土俵に乗っけたというのが第一回口頭弁論の印象である。

本来法廷では反対意見で真っ向から対立するはずの石垣市が、法廷に必要な情報の開示を県と竹富町に求めたとこと拒否されたという。

八重山日報の記者が事実確認の取材をしたら県は前言を翻し開示するとの事。

同じ被告席にありながら石垣市と県との暗闘も今後注目していくべきである。

「不都合な事実」は隠蔽する「発狂3紙」に代わって八重山日報の頑張りを期待したい。

 

市教委が情報公開請求-相互不信の指摘も/市教委が情報公開請求 相互不信の指摘も
政治 · 行政 · 2012年2月

 中学校公民教科書問題で、石垣市教育委員会が竹富町教委と県教委に対し、関連文書の開示を求めて情報公開請求したことが23日分かった。市教委は「担当者に口頭で文書の開示を求めたが、断られたため」としているが、教科書問題をめぐり、3教委の関係がぎくしゃくしていることが背景にありそうだ。県、竹富町教委とも請求には応じる方針を示している。

 

 竹富町教委は昨年12月、文科省に対し、公民教科書の無償給与が受けられない理由などについて、県を通じて、2回にわたり質問状を送った。

 

 市教委は教科書問題で保護者などから提訴されたため、今月上旬、「裁判資料として竹富町の質問状と、県が添付した書類を見せてほしい」と口頭で県、竹富町教委の担当者に打診。いずれも断られた。

 

 市教委は今月16日、県、町の情報公開条例に基づく請求に踏み切った。
 市教委の玉津博克教育長は「竹富町の教育委員や県教委は、教科書採択で議事録などの情報開示を強く要求してきた。一方で、われわれには文書を開示しないというのは矛盾している」と県、竹富町教委の対応を疑問視した。

 

 教科書問題をめぐり、市教委と県、竹富町教委の間では主張の溝が深まっており、相互不信に陥っていると指摘する声もある。

 

 請求を受け、県教委は文書の開示に向けた事務手続きをすでに済ませた。町教委も「特に問題はない」と文書を開示する意向。

 

 市教委の口頭での請求に応じなかったことについて、県教委義務教育課は「文書の開示は口頭で請求されたが、裁判もあるので、文書で請求を残そうと思った」、竹富町教委の慶田盛安三教育長は「文書はむやみやたらに出せない。手続きを取るべきだ」と話している。

           ☆

民事訴訟とは、通常裁判長を真ん中に挟んで、左右に原告・被告の代理人の弁護士が対峙し、丁々発止と渡り合うもの。

ところが今回の教科書訴訟が異常なのは、左右の原告・被告の代理人の対決の他にもう一つ、被告席の石垣市の代理人と件の代理人がお互いに敵意むき出しで「呉越同舟」を演じているということである。 その相互の確執を象徴するのが上記記事である。

繰り返す。 

県は竹富町側(母親ら)と同じ原告席に居るべきであった。

 

【おまけ】

「不都合な事実」を隠蔽する八重山日報の記事。

          ☆

 

「良いこと」「権利だけ主張」 町教委判断に賛否

 竹富町教育委員会が公民教科書の寄贈を受け入れる方針を決めたことについて、関係者からは賛否が相次いだ。

 

 

 文科省初等中等教育局教科書課の担当者は22日「国が無償給与できないので、竹富町が責任を持って対応してほしいといってきた。具体的な一つの方法として、竹富町が判断したということ」と容認。


 育鵬社版を採択した石垣市、与那国町については、教科書を無償給与する方針を改めて示した。


 県教委義務教育課の担当者は「4月からの新学期に、生徒に教科書が届かない事態は避けられる。良いことだ」という見解を示し、文科省に町の決定を伝えた。


 育鵬社版を選定した八重山採択地区協議会会長の玉津博克石垣市教育長は「採択は各教委の権限なので、東京書籍の採択について言うことはない。寄贈についても竹富町が決めたことなのでコメントしない」としながら「協議会は教科書無償措置法の趣旨を生かすための組織だ。会長としては、協議会が採択した教科書を採択していただきたかった」と心情を吐露した。


 慶田盛安三竹富町教育長とともに、協議会副会長を務めた崎原用能与那国町教育長は「竹富町は無償措置法の制度を無視し、権利だけを主張した。無償措置を受けなかった代償として、寄贈しか方法がなかった」と述べ「今後(こうした事例が)各地区に広がることが懸念される」と批判した。

 

識者談話 「全国に波及する」 藤岡信勝拓殖大客員教授

 寄贈を受けるからいいとか悪いとかいう次元の問題ではない。文科省が教科書採択のルールを事実上変更するような対応をした。法治国家の法秩序の問題だ。

 

 共同採択制度が法律で決まっている以上、竹富町は当然、採択地区協議会で決まった教科書を採択するべきだ。それが、法秩序の埒(らち)外に出ることを宣言してしまった。

 

 文科省の指導は重大な前例になり、蟻(あり)の一穴のように、全国に波及するのではないか。

             ★

【おまけ】その2

発狂2紙の「狂った大見出し」

★⇒地元紙で職るオキナワさんが写真でアップしています。

 

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