「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「静岡県危機管理専門職連絡会議」で自衛官OBの皆さんに話をさせていただく

2015-03-05 23:47:42 | 危機管理
午後、静岡県地震防災センターで行われた標記会議に出席させていただく。

県下の自治体には、全国最多の17名の自衛官OBが危機管理の専門職として勤めている。
(10市に12名+県に5名)
これらの自衛官OBと県危機管理局(出先を含む)、さらに自衛隊静岡地方協力本部の方々、
合計20名余が会議に出席。

11年間、自衛隊員(階級章のない研究職)として防衛研究所に勤めていた「旅の坊主」にとっては、
いわば古巣の方々を相手に、1時間ほど防災の話をさせていただいた。
(実際、参加者のうち1名は直接お世話になっていた方でした。)

以下、概略を示すならば……。

1 (諸先輩には大変申し訳ないながら)自衛隊の災害派遣は、防災の全体像からすれば、
「端パイ」に過ぎないことを理解してもらいたい。

防災は「予防+応急+復旧・復興」の3本柱からなる。
特に、「予防に勝る防災なし」「災害対応に防災の本質なし」であり、
まずもって追求すべきは「立地と構造」。
防ぎ得なかった被害に対応するのが自衛隊の災害派遣を含む災害対応であるが、
これらはいわば戦闘レベル、多少大きくても戦術レベルの話。
「避難しなくて良い場所に住む」「重要施設は被害を受けないような場所に建てる」等々、
戦略目標を追求してナンボ。
この部分を、間違って解釈して下さるな。

そして、駿河トラフ・南海トラフ沿いの巨大地震を考えた時、
被災地はあまりに広く、その広さに対して自衛官の数はあまりに少ない。
基礎的自治体の一員として、住民に「正しい」防災教育をお願いしたい。

2 静岡の防災人と人的なネットワークを持ってもらいたい。
名刺交換から一歩進んで携帯番号の交換を。さらに一歩進んで一緒に飲み議論することを。
「旅の坊主」も静岡では地侍ゆえ、間を取り持つことはするので、
遠慮なく申し出ていただきたい。

3 自衛官時代に体得した、防災を物語る上での「最強の武器」、すなわち、
「地図を読めること」を活かしてほしい。

釈迦に説法のところがあるのは百も承知。
ただ、防災人26年生、静岡人15年生の身として、皮膚感覚として培ったものもある。
静岡の防災人の飲み仲間は山といる。
こういう方々とつながってもらえれば、お互いに良い刺激を与えあえるのではないか、と。

いささか理想に走ったとは思いつつも、最初から現実に妥協することはない、と思う。
古巣の皆さんと、再び共に仕事が出来ることを喜びつつ、
己の果たすべき役割を果たすのみ、と、改めて思ったところであった。

その後、大変素晴らしい時間を過ごすことが出来たのだが、それは稿を改めて。


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