「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

学生達と過ごす時間について

2015-08-05 23:55:51 | 小村ゼミ
今日8月5日で試験も終わり、学生達は夏休みとなる。
(我々教員には、採点・添削・成績登録等々の作業が残っているが、それはさておき。)

昨日は、一足先に夏休み(集中講義の期間でもある)に入った関大の学生と2時間ほど議論することが出来た。
今日は試験期間中なれど、東日本大震災現地調査のために休講した分の補講として、
ランチ付きで2年ゼミ生と議論したが、それも約2時間。
夕方は拡大小村ゼミのメンバー、つまり正規ゼミ生に加えて研究室に顔を出している学生にも声をかけ、
食べ放題100分+カラオケ3時間、つまりは約5時間。
こういう時間をかけて、学生達との付き合いを続けている。

防災研究者&実践者として「旅の坊主」を見知っている方々からすれば、
学生対応もさることながら、もっと情報発信をしてもらいたい、との声もあると思う。
実のところ、「旅の坊主」自身、これらの、学生達と過ごす時間が何になるのか、と、思わないでもない。

50も過ぎれば、防災学の後継者を育てたい、という思いは当然あるものの、
学生諸君には申し訳ないながら、Fラン地方私大の本学の学生に、原石としてどこまで期待するのか、出来るのか、
その現実を、冷ややかな目で見ていることは事実。

で、現実を直視すると、A階層ないしスーパーA階層サラリーマンの1億円プレイヤーなど、
期待すべくもないが、
本学出身者であってもギリギリ、B階層サラリーマンのレベルには到達可能な訳で、
そのような組織に職を得ることが出来るよう、学生はしっかり鍛えているつもり。

さもなくば、本学学生の平均的学力水準からすれば、
年収300万以下のC階層サラリーマンに、下手をすればワーキングプアのレベルに、
そして最も憂慮すべきは引き籠り・ニート等々へと、堕ちていくことになってしまう。

まさに、学力低下は生命維持(生活維持と言うべきかな?)のレベルの課題となっているのだが、
少数の例外を除いて、そのことがリアルに認識できないところまで、
本学レベルの学生では学力が低下してしまっている。

打ち上げの場の話題には相応しくない、とは思いつつも、
将来、どのような道で「飯を食っていく」かについては、しつこく話をしている。
打ち上げに参加した3年生T君は、わざわざ交通費を払ってまで東京に行き、
去る8月2日(日)に行われた公務員模試を会場受験してきた。
こういう学生であれば、「旅の坊主」の時間とお金を使ってでも、応援したい、と思う。
しかし、現実には、そういう学生ばかりではない。否、本学では圧倒的な少数派。

「そういうゼミなのだ」ということがわかって選んだはずの3年生6名のうち、
2名はもう出てこないだろう。
食事を共にすることも、一緒にカラオケに行くことも、もうないだろう、と思うと、ちょっとはさみしい。
ある種の学生にとっては、対人コミュニケーション自体が苦痛。
いわんや、本を読んで、その本の中身や、取り上げられているテーマの背景について議論するなど、
耐えられないほどのストレス、となるみたいである。

ゼミに、また拡大ゼミに顔を出してくれる学生達とは、
食べ放題なりカラオケなりで時間を共に過ごしつつ、
この種の事柄の意味を、少しずつでも伝えていきたい、と思っている。

防災研究者・実践者としては、この種の学生と共に過ごす時間を「削り代」と位置付けることも可能。
否、位置付けなくてはならないのかも、と、心のどこかでは思っている。
その一方で、たとえ防災学の後継者は育てられなくても、
社会の一隅を照らし得る人材を年1人でも社会に送り出せれば、
人としての帳尻は合うのだろうなぁ、とは思っている。

それはそれとして。
明日から夏休みだが、それにしてもやるべき課題が山積……。
講義こそないが、その分、幾つものハードな課題が……。
どうやれば、もっとまともな時間の使い方が出来ることやら……。


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