「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

首都直下の地震をイメージさせる災害図上訓練DIGの方法論について(その2の続き)

2017-09-18 23:42:15 | 首都直下地震対策
1 この地震の特徴は良くわからない、と断言すること。
と同時に、わかっていることからすれば、首都圏全域が全滅するという状況はあり得ないということ。
つまりは支援に回り得る側(回ってもらわなくてはならない側)もある、ということ。
ただし、どこが激震地であり、どこが支援に回る側になるかは、起こってみなければわからないが。

首都直下の地震をイメージさせるDIGが語るべき「防災の物語」3本柱の1として
上記のことを述べた訳だが、もう少し続きがある。

先に、首都直下地震の全体像理解(マクロ理解)のためには、
1/5万の縮尺の地図×A0版横置き×田の字型の4枚で示すと良い、と述べた。

この縮尺であれば地図上の1cmが2kmになり、紙地図を見慣れているプロであれば距離のイメージがしやすい。
また、元気な人であれば地図上の10cmを1時間で歩くことが出来る、というイメージを、見ている人に持たせることも出来る。
さらに、先に触れた「激震地orその周辺」については、
A4横置き×縦2枚×横3枚、の6枚をテープでとめたものを用意し、これを、任意の場所に置いた時、
○○は紙の下に隠れる(≒震度6強ないし震度7の激震地)が、その周囲にある△△は社会機能を維持出来るだろう、
というマクロ理解を得ることが出来るだろう。

首都直下地震については、十数パターンの震度分布が示されているが、これらとて根拠があっての話ではない。
であれば、

「どこに断層があるかはわからない。わからない分、いろいろなパターンを考えておこう。
サイコロの出方によっては激震地になるかもしれないし、支援側になるかもしれないが、
首都圏全域が全滅という事態はあり得ない。
激震地周辺の震度6弱以下の地域が、しっかりと激震地を支えない限り、
この地震についての有効な支援活動は覚束ない。」

という、全体的な理解を示しておくことが求められているのではないか。

さて、私はこのように考えているのだが、
「小村さん、あんたの理解は間違っている!」とは言われたくないが(そこまでひどいものではないだろう)、
「小村さん、あんたの理解は浅い!」と突っ込んでくれる人、どこかにいませんか?


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