10月8日(水)午後の話。
防災ボランティアの世界では良く知られている話であるが、
毎年3月最初の土日、静岡で、
ボランティアによる救援活動のための図上訓練が400名規模で行われている。
来年3月で10回を迎える。
この日、そのための委員会が開かれる。
業界に詳しい人であれば「オッ!」と思うような豪華なメンバーが集まったのだが、
それはそれとして。
図上訓練のプログラムは、
これからワーキンググループが詰めていくことになるが、
基本の基本は外してはならない、
ということで、委員会の場での発言を少しかみ砕いた形でここにも記しておく。
1 リアルな被災イメージを持つことの重要性。
「地震・津波がいつ起こるか」は「神のみぞ知る」の世界だが、
「地震・津波が起きたらどうなるか」は人知の世界。
図上訓練の前提として、どこでどういう被害が出ると覚悟しておくべきか、
その質と量、場所について、リアルなイメージを持つこと。
そのイメージ抜きに「こうなったらどうしますか?」の対応を問うのは「訓練ごっこ」。
(現実には、この「訓練ごっこ」レベルの訓練が多いとは思うが)。
2 被災者が求めるものの質と量、そして時間の経過にともなうそれらの変化について、
リアルなイメージを持つことの重要性。
言葉になった(=表に出てきた)ニーズに対応するのは当然として、
過去の被災経験・支援経験を元に、あらかじめ、支援者の側で、
(表に出ていない)ニーズを拾い出すための網としての、
「多分、こういうことで困っているだろう」という先読みが出来るまで、
被災者が求めるもののイメージをしっかり持つこと。
いずれも簡単な作業ではないが、これらがあってこその図上訓練であってほしいし、
またそうでなくてはなるまい。この図上訓練の監修をやってきた身としては、
このような訓練(ワークショップと呼ぶべきか)プログラムの標準化について、
さらなる努力が求められる、ということでもある。
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