「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「消防職員が理解しておくべき防災の基礎知識」

2015-10-11 23:54:06 | 地域防災
この日は16時過ぎの新幹線で東京へ。

9月から10月上旬までは雪のない、黒っぽい富士山だったが、
車窓から見る富士山がこの日(10月11日)今シーズン初めて、山頂部が白くなっていた。
メディアでも富士山初冠雪が話題になっていた。今年も秋は深まっている。

数日前に誕生日を迎えた母と夕食。この誕生日で後期高齢者の仲間入り。
それでも、今年も10日余の海外旅行をこなしてくれた。(ちなみに来年のスケジュールも決まった。)
いつもの「新宿・つな八」での食事もしっかり食べてくれた。
年齢が年齢ゆえ、生理検査の数字が悪くなったり薬の数が増えたり、ということはあるようだが、
息子としては、まずは年相応であれば、と思っている。

それはそれとして。

標題は、11月27日に沼津消防から頼まれた講演の演題。
本来ならば、こんな大それた演題を選ぶつもりはなかった。
ただ、ある事情を聴いて、重要なポイントを見落としていたことに気付き、
大それた演題ではあるが、この演題にも取り組まなくてはならない、との思いに至った次第。

一言で言えば、消防広域化による消防の管轄と市町村の管轄の不一致により、
市町=消防間の人事交流がやりにくくなるのではないか、という危惧の念であり、
そのことが「防災の物語」を持つ消防職員を少なくしてしまうのではないか、ということ。

今まで沼津市は、市の管轄と消防(沼津市消防本部)の管轄が1対1対応であり
(もちろんそれが今までの、自治体消防の標準だったのだが)
加えて沼津市の防災担当課である危機管理課は、半数が消防からの出講者で占められており、
課長を消防出身者が務めることもある。

しかし、来春、沼津消防を含む広域化がなされ駿東伊豆消防となる時、その管轄は4市3町に及ぶ。
7市町の防災担当部局としっかりとした人事交流ができるのか、そこが危惧される。

消防は基本的には事後対応の組織である。
もちろん、予防についてもしっかりと取り組んではいるが、
市町の防災担当部局のように、まちづくりやひとづくりが一義的な仕事、ではない。
(ちなみに、市町の防災担当部局が災害対応を一義的な職務と謳っているとすれば、それはそれで大問題なのだが、
まともな自治体&防災担当者なら、「予防に勝る防災なし」は理解していることと思う。)

「旅の坊主」としては、消防職員が、自治体の防災担当部局で(一時的にせよ)勤務することで、
消防の物語とは似て非なる、「防災の物語」を物語れるようになってくれることを願っている。
しかし、広域化により、消防と市町防災部局との人事交流が難しくなるなら、
消防職員向けに、「防災の物語」の仕込みの手伝いをしなくては、というのが、
このような大それた演題での講演を引き受けるに至った理由である。
我ながら大風呂敷を広げてしまった、とは思うものの、まぁ、やるしかないわな、と。
もちろん、それなりに語れるつもりではあるが、考えてみれば、かっちりした話に仕込んだことはない。
という訳で、当日に向けて仕込みの日々となる訳だが、これもまた楽し、と思っている。

(10月19日 記す)


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