「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

コスタリカの国立大学連合機構で講義

2011-05-09 23:02:58 | 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
中米時間 2011年5月9日(月)

2時間余の睡眠ゆえ、半ばボーとしたところであったが、
無理やりシャワーで目をさまさせて朝7時にホテルを出発。

コスタリカの英雄である宇宙飛行士(コスタリカ系アメリカ人)、
フランクリン・チャン・ディアスの名を冠した研修センターへ。

コスタリカに4つある国立大学の連合機構、
CONAREの社会貢献活動としての講義&ワークショップ。

出来については……、多くを語るまい。

H専門家の講義は、さすが、であったが、
「旅の坊主」の講義&ワークショップは……。

1 BOSAIの精神とコスタリカにおけるJICA・BOSAI活動
2 DIG(DIGA)実習:カリージョ市における住民参加型洪水対策早期警戒システムを事例に
3 東日本大震災の教訓とBOSAIの精神

最初と二番目はともかく、三番目の東日本大震災の教訓についての講義は、
やはり厳しいものがあった。

津波防災の町、岩手県田老町(現宮古市)の10m防浪堤の話をする。

1960年5月23日のチリ地震津波の時には、
142人の死者が出てしまったが、田老町では一人の犠牲者もでなかった。
その意味では、人口の構造物を作ることによるBOSAI効果は間違いなくある。
だが、その旧田老町でも、東日本大震災では129名の犠牲者を出してしまった。
土地利用に難があった、とは言いたくないのだ……。

途上国においては、人工の構造物を作って予防するよりは、
土地利用規制のほうがはるかに安上がり。
そのようなことを、「リスクとの共生を学ぶ」という、
プロジェクトBOSAIのキーコンセプトと共に語ったのだが、
さてさて、どのくらい印象に残ったことやら……。

参加して下さった方のコメントを聞けば、
みな「よかった!」と言って下さるのだが、
個人的には、決して満足できる出来ではなかった。

ではあるが、これから先も機会をいただけそうなので、
まぁ、よしとしておこう。

夕方、いろいろとお世話になったY女史をお招きして、
クラウンプラザ内の日本食レストランで食事。

一つの山を越えたということで、
日本酒をかなりいただき、
ホテルに帰った時には単なる酔っ払いと化していた……。



                     (パナマ時間 5月16日深夜アップ)