「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

「東日本大震災の教訓とBOSAIの精神」のテーマで2時間のセミナーを2ラウンド

2011-05-04 23:20:08 | 中米防災協力(プロジェクトBOSAI)
中米時間 2011年5月4日(水)

日本では、GW真っ最中であろう。
この時期に、一人でも多くのボランティア・ビギナーが
現場に行ってくれれば、と思っている。

と書いていて、
何とまぁ、「他人事」の、ぬるいことを言っているのか、と、
自分で自分に「喝!」を入れなくては、であった。

本来ならば、「思っている」などという、「あなた任せ」ではなく、
動員をかけ、受け皿と調整し、自らグループを率いて現地入りし、
等々をするべき立場であったはず。

否、基本的にはその立場は変わっていないのだが、
我が身は地球の反対側にいて、本業として別の活動に携わっている。
この距離感は、どうにも埋めがたい……。

いけないなぁ、こういう言い訳をくどくどと言っているようでは。

それはそれとして、今日もコスタリカ・カーニャス市での活動。
現場に出るH専門家にごめんなさいを言って、
朝から14時少し前まで、ホテルの部屋に閉じこもり、
ダブルヘッダーで行われるセミナーの資料作り。

直前にならなければスイッチが入らないのは、
相変わらずの悪い癖。
本当の本番は週明け月曜日のコスタリカ大学での講義、ということで、
申し訳ないが、それに向けての予行演習とさせてもらった。

東日本大震災の被害状況や対応状況を説明しつつ、
当地で展開中のプロジェクトBOSAIの活動にどのような教訓を得たか、
というのが、与えられたテーマ。
地域の集まりにも使われている、とある教会の集会室が今日の会場。

冒頭、旧知のカーニャス市副市長自らが、
市の防災活動への取り組みについて説明を行った後、
「旅の坊主」のプレゼン、さらにH専門家によるプレゼンと、
トータル2時間余のワークショップ?が、対象を変えて2ラウンド。

サンホセから、JICA事務所のI所長と担当Yさん、
さらに旧知のFさんも通訳としてかけつけて下さる。

K副市長、妙に気合が入っていた。
しかも、言うことも妙にしっかりしてきている。
3月下旬、ニカラグア・レオン市で行われた国際会議に出たことが、
良い影響をもたらしたのであれば、何よりであった。

第1ラウンドには、旧知の市長も顔を出して下さった。
両ラウンドとも30余名の参加者を得てのものとなる。
それも、大変熱心に聞いて下さっていた。嬉しい話である。

あのような巨大災害を見てしまうと、
住民参加型の汗水たらしてのコミュニティBOSAIの活動など、
何の意味があるのか、と、言いたくもなろう。

確かに、説得力ある反論は簡単ではない。
だが、100年に一度、1000年に一度の、
極低頻度の巨大災害はともかくも、
現実的に対応しなくてはならないのは、
年1回とか数年に1回の頻度で襲いかかってくる、
中程度のシビアさの災害。

このレベルの災害で、生命や財産を失うことはあるまい。
とすれば、やはりそこで求められるのは、
「やれることはやっておこうよ」というスタンスではないか。
そんなことを伝える。

H専門家は、
当地カーニャスでの古タイヤ利用堤防建設の実態について、
また、東日本大震災の被害について、土木専門家としてコメントされた。

セミナーとしては、途中の休憩もあったものの、
何だかんだと、14時から20時近くまで。
情けないながら、よそ様に誇れる出来ではなかったが、
集まってくれたカーニャス市のコミュニティリーダーや、
消防や赤十字といった関係機関の皆さんが満足げに帰って行ったので、
まぁ、よしとしよう、というところか。

終了後、I所長、H専門家、Yさん、Fさんと、
ホテル近くの中華料理店へ。Hさんと「旅の坊主」は4日連続の中華となる。
「外れではない」のレベルだが、まぁ、文句は言うまい。
ビール小ビン1本のみで切り上げ、ホテルに戻り、日付が1時過ぎまで仕事。



                  (中米時間5月5日夜 さかのぼってアップ)