「旅の坊主」の道中記:常葉大学社会環境学部・小村隆史の防災・危機管理ブログ

日本唯一の防災学部はなくなっても、DIGと防災・危機管理を伝える旅は今日も続いています。

湯河原~富士

2005-08-12 17:45:24 | Weblog
 8月12日(金)

 午後大学へ。静岡県袋井土木事務所のHさん他、袋井市、磐田市の皆さんが
おいでになる。水防法が改正となり、中小の河川でも洪水ハザードマップを作ろう
という話になった。では、どういうふうにすれば、本当に住民の役に立つハザード
マップが作れるか。いろいろと議論する。

 暫定的な結論はこんなところか。

 1 マクロな被害想定としての洪水解析は、きちんとしたものをお願いする。

 2 だが、それをそのまま示しても、住民には伝わらない。そこに知恵が必要。

 3 知恵とは、具体的には、①気象・地形・水文といった自然科学系の知識、
②社会福祉協議会・民生委員・ケアマネージャー等、災害時の要支援度の
高い人々についての情報を持っている人びととの連携、さらに③担い手となる
住民組織の活性化、ではないか。

 4 住民組織については、今までのように自主防を主な相手にするのは
適切ではないだろう。むしろ、防災を謳わずとも、様々な地域活動を行っている
人々に参加してもらい、彼ら彼女らに防災のことを考えてもらうことのほうが、
結果的には近道であろう。

 5 ハザードマップ作成に、そういう人たちの力を借りると共に、できたハザード
マップの普及についても、彼らの力を借りつつ一緒に物事を進めていく。その
ための仕組みづくりを本気で考える。

 こんな所であろうか。

 面白い話は自腹を切っても手伝うというのが「旅の坊主」の信条。
 磐田・袋井両市の担当者には、「復命書には、『旅の坊主』が全面協力を
約した旨、書いてくださって構いませんよ」と伝える。この一言が物事を
進める一助になれば嬉しい限り。

 次はスポンサー探し、か……。ワークショップの開催費用だから、そんなに
額はかからない。誰か「少し」出してくれないかなぁ……。
                                     (8月21日記す)