治しやすいところから治す--発達障害への提言

花風社・浅見淳子のブログ
発達障害の人たちが
少しでもラクになる方法を考える場です。

花風社かるた 「あ」

2015-06-01 17:46:40 | 日記




花風社かるた編纂室からのお知らせです。

「あ」は

「ありのままでいいんだよ」
それって支援じゃありませんから!


です。

これは「治ってますか? 発達障害」を通底して流れるテーマでもあります。

今日も非リアな生活を送りながら編集作業を進めていますが
四章で構成されている本です。

いまんとこ

1 一次障害と真っ向勝負
2 二次障害に向き合う
3 心と身体のつながりを知ってシンプルに治す
4 社会に発達障害をどうわかってもらうか作戦会議

の四章です。

つまり「治る」と「社会の理解」を両立させる本です。
三章に栗本さんゲストでやってきます。色々カンタンな治し方しゃべります。

お楽しみに。

身体LDって治るんだ。

2015-06-01 08:44:24 | 日記




ブログネタありすぎです。
いただいているコメントも、記事にできそうなものが多いので放置状態になっていますがそのうち記事でお答えしていきますね。しばしお待ちくださいませ。

花風社かるたもあいうえおは決まったし。
それも一つ一つ解説して発表していきますね。

と思っていたらまた夜の間に興味深いメールをいただいてしまいました。
私は発達障害系の人って「身体LD」の人が多いと思うのですけれど(なぜ「系」を入れたかというと、親御さんにも多いからです)
どうやらこれ、身体LDを克服した(しつつある)例だな、っていうお便りをいただいたのです。

まずは私らしく暴言から始めましょう。

リア充終わって仕事漬けだった週末。
こういうツイートをしました。

=====

バカなのに頭でっかち。 #猿烏賊

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なぜ猿烏賊の中には頭悪いのに頭いいつもりの人が相当数混じっているのか不思議だったのですが

「ああ身体音痴だからだな」と気づいたのです。
身体音痴だから、身体が賢い人は頭と身体で分担している仕事を頭だけでやらないといけない。要するに片肺飛行。苦しいです。
そして想像力の障害はひどくなります。
療育の試行錯誤で大きく外して「やっぱり治らない」になるのもこの辺が関係ありそう。

でもね、正直言って花風社の愛読者が全員身体が賢いかというと
かなりスペクトラムなのです(婉曲表現)。

たとえば金魚。
なんだか知らないけど本に書いてあるからやる人。
自分では気持ちよさ正直わかんないけど子どもが喜ぶからやる人。
みんなが「効果あった」と喜んでいるからとりあえずやってるけど本当にきちんとやれているか自信ない人。
自分の身体で効果を体験できるから子どもにも自信をもってやっている人。
金魚して寝ると次の日子どもがスムーズに登校する。それがどういうメカニズムなのか自分の身体でわかっている人。

とスペクトラムなのです。

私の場合にはかなり身体が賢い方なので、金魚やってみて
「ああこれはトラウマ治療になるわ」までわかるのですね。
これを一日の終わりにやれば登校渋りが消えるのは「当たり前」だとすんなり納得するわけです。頭だけではなく身体でもわかるわけです。

でも身体LDの人は、そのあたりの理解ができないだろうなと思っていました。
そして身体LDって一次障害だと思いますのでね。
治るかな? と思っていたら
治るんですね。
メールから拝借いたします。

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ゆるゆると身体アプローチを続けていましたら、最近頭だけでなく体で分かるという感覚が分かるようになってきました。

身体の感覚を通して分かったことというのは、もうすでに一度は花風社の本で読んだことばかりです。

あ、これってこういう事じゃない?と閃いたあと、いやそれ本に書いてあったじゃん、という突っ込みを繰り返す感じです。

字面をおって頭だけで理解していたことが、身体で実感すると理解に深みが増して新鮮な感じすらするんだなと驚いています。

一度分かるとどうしてこれがそんなに分からなかったんだろうっていうこともあります。

例えば、栗本先生にご指導いただいた後に言われた「無理はしないように」という言葉。

すごく謎でした。

ワニの体操なんて10秒でいいって言っているのに、その上「無理はしない」ってどういうことなんだろう???

無理しないっていうのもすごく大事っぽいけど。

良く分からないので、それは保留にしてとりあえず体操を続けてみました。

そうすると、たまに「今日はこれじゃない」って身体から言われたように思うときがあります。

そこで、あー!あの無理をしないでっていう言葉は、その前後に言われた心地よい感覚を大事にするとか、自分の感覚に注意を向ける事を強調する意味合いで言われたのね。と気付いたりします。

そ~か~、回数や秒数を決めてとにかくやるというのでは、回数とかに思いがいって感覚をつかみ損ねてしまうかもしれないし。(←いや、だからはなっからそういう意味の事説明してもらってたんじゃん?)

謎でもなんでもなく、なーんだそういう事かという事なんですが、体で実感しなかったらずーっと謎だと思っていたかも知れないです。

そんな小さいことを繰り返して、脳と身体のつながりを実感していくうちに、そうか、概念とか考えとかも五感を通して伝達された情報によって作られていくのかと今更ながら気づきました。

だから、本に書いてあって分かんないなーと思っていることがあったとしても、身体アプローチを通して概念やイメージを作っていけばいいのか。そう思ったら、分からない状態に焦らなくなりました。

そして再三言われている、「身体アプローチが近道」「身体から治す」「治しやすいところから治す」という意味が、より深く分かってきたんじゃないかなと思います。

ただ身体が楽になるだけじゃないなっていう実感があります。

芋本の巻頭のマンガや前書き等、読みかえすとすごく気持ちに沁みてくる感じです。

頭で分かってる時も納得してました。でも、体でも分かると納得の度合が違うというか。

治るってどういうこと???って涙目になっちゃう人も、分からないなら一段一段積み重ねるように「治る」という概念を作っていくつもりで、身体からアプローチすると身体が楽になる上に分からないことも分かるようになるんだと思います。

人に聞いて理解してからとか思っていたら、たぶんいつまでたっても分かんないです。もったいない。

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おお、こういう風に身体LDは治っていくのか、と感動したので皆様におすそ分けです。

冒頭の写真は
非リアの週末に我が家にやってきたお花。癒されます。