(お蔵入りした写真のストックもなくなりまして、今日の写真は全て再掲です)
何かについて書いていると、きちんとしたデータを入れたいと思います。
でも、あえてそれをやらないこともあります。
仕事をしているころ、町や村の活性化なんてことに関わっているときでも、すばらしいものがあるけど、インフラが整備できていないと、あえてそれは伏せなければならないときがなんどもありました。
それを発表して、人が押し寄せたら、そこの住民が大迷惑をするのですね。
でも活性化に力を貸せなんて、市長や町長から言われて、現場に行ってみて、これはだめ、あれも駄目はかなりフラストレーションの溜まることでしたけど。
いすみのゲンジボタルだってそうですね。山田はその環境が整っているし、町の人たちが総出で客の受け入れをやったりしているから山田のことは書けます。
でも、ほんとうは山田以上にすばらしい場所が家のすぐ傍にもあるんですけど、それは書けない。いすみの人は案外、そんな場所を自分の家の傍にいくつも知っていて、別に山田でなくても、、、、って、言っている人が多いのです。でも、公表はしないみたいですね。
同じことがブログにもあります。
知人が、希少種の鳥がどこにいるって日記に書きました。私もそれを受けて、もう発表されたのだからって、写真入でそのことを書きましたが、翌日から、カメラの放列が始まりました。幸いなことに、このケースでは鳥がいなくなることはありませんでしたが、多くの場合には逃げてしまいます。
(トモエガモ、旅立ちまでここを動きませんでしたね)
それ以上に深刻なのは産卵場や巣の場所を公表すること。
たとえばコアジサシの産卵場が多摩川にもかって見られました。
今は激減(ほとんどないのじゃないかな)しています。
コアジサシの産卵場は外国では立ち入り禁止になるケースが多いと聞いています。
それぐらい守られるものなのですが、日本ではよほどのケースでないと、立ち入りが禁止されることはない。
多摩川のケースは、撮影に来る人の数が急増したこと、産卵の様子を見に来る人のなかの一部の心無い人たちの行動、それに河川の工事などが原因でした。
観鳥スポット、、、あのカメラの放列と乱れ飛ぶ怒号。鳥じゃない私だって嫌ですね。
だから、情報を持っている人たちが自覚を持って自分の情報をコントロールするべきだと思います。
鳥の師匠は産卵場の卵や抱卵しているところは安易に写真も撮るべきではないって言います。どこかでからすが見ていて卵を食べに来るからなのだそうです。
すごくジレンマに陥るのですよね。
正確な情報を書きたいと思うし。あるいは貴重な場所の工事を止めて欲しいし、そのためにも世論に訴えたいのだけどでも、立ち入りを制限する保護区にはなれないのだろうから、観光地みたいになったら、またこの場所にはこなくなるだろうし、、、、
それでも風景なんかの場合にはまだ、インフラさえなんとかなれば大丈夫だろうなんて簡単に考えちゃって、正確な撮影場所なんかも入れたりします。それでももしかしたら周りの方々に迷惑をかけているのかもしれないかなって、ときどき後をチェックして、大丈夫だったって安心したりして、、、
(太東岬からの富士山ですけど、これは撮影場所を地図付きで掲載していましたよね)
多摩川では、秋口からウミネコ、そして冬になってユリカモメ、春以降にコアジサシとそれぞれのシーズンに、そのシーズンの鳥が来ます。
今はユリカモメのシーズンが終わろうとしているときですね。
(先日の宙返りユリカモメの再掲です)
多摩川からそんなに離れているわけではないのですけど、いすみではちょっと違う。それはいすみが産卵の場所だからなのですね。その意味でいすみは鳥たちにとってとても貴重な場所なのです。
いすみには、川を挟んで、海がめと、コアジサシの産卵の場所があります。
一方は工事現場になっていて、普通は柵がしてあり、一般の人は立ち入れない。
もう一方は海水浴場になっています。海がめの場合はその海水浴場の中に、あちこちにテープで柵をして保護されています。柵の近くで海水浴客がバーベキューをしたりしていますけど、それでもあまり心無い人たちのことは聞いていませんので、何とかなっているのでしょうね。
コアジサシは柵もなく、その辺の砂場にポイって卵を産み落としています。海がめと同じようにもっと保護されるべきだと思いますけど、あまり構えて、余計に人の目に付くのもそれまた、怖い。
でも、やはり自然を保護しようという目でみるとあまりにも人に近くちょっと怖い風景であることは確かですね。
先日来、カメラテストを兼ねて、チョウゲンボウの巣作りを追っています。
その場所のことは非常に漠然とした形でしか書いていません。
私の先輩の鳥の師匠(その方経由でこのチョウゲンボウのことを聞いたのですけど)ですら今でも巣はどこにあるなんて探しておられるくらいですから。
それでも、この辺のチョウゲンボウのことをよく知っている人は私のブログを頼りにチョウゲンボウを撮影されています。知っている人にはなんとなく分かるけど、知らない人には何のことか分からない、、、そんな書き方って書いているほうは欲求不満に陥ってしまいます。
でも可愛い子供たちが健やかに育つためには我慢我慢。
なんてことを書きながら、まだ高校生の生意気盛りのころを思い出しました。
伯父と観光開発をするべきかどうかで論争になりました。
伯父はホテルのオーナーであり、その地域の観光協会の会長。当然開発派。
それに対して私は自然は保護されるべきって立場からの話でした。
伯父は斉藤茂吉の弟子で (斉藤由香さんのことは何度か書いていますね。未だに斉藤由香でこのブログを訪ねる方が多い。茂吉やお父さんのことではほとんど来ないのですけど、、、、セレブですね~)アララギ派の詩を作ったりしている人だから、私の言っていることなんかは100も承知だったんでしょうけど。
私も彼のその辺は理解し、しかもまだ戦後の復興期、生きていくことが大問題だという世の中のことを知りながらも、でも自然がなくなってしまうよってもう何十年も前に危機感を募らせていたんですよね~
この問題はいつまでたっても、車の両輪みたいなものですね。