ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

四ツ谷・青山・赤坂・六本木のゴールデンルートを歴史漫遊

2019-12-16 07:39:23 | 日記


首都圏に住んでいる高校の同級生3人が古稀を迎えたことを契機に始めた史跡と文学碑をめ
ぐる街歩き。今回は四ツ谷・青山・赤坂・六本木です。黄葉真っ盛りの神宮外苑イチョウ並木
と巨大複合施設巡りを縦糸に、そして江戸時代から昭和までの動乱期の息吹を横糸に、過去
と現在のタイムトンネルの中を行き来する新都市伝説。JR四ツ谷駅に集合した一行は四ツ谷
見附橋に向かいました。

ヤス:今回は経済活動の熾烈なしのぎあいの場でありながら、伝統文化と歴史が息づく街歩き
   だ。先ず紹介するこの四ツ谷見附橋だけど、デザインは迎賓館(当時の赤坂離宮)の外
   観と調和させたネオ・バロック様式で、手すりのデザインは正面の縦格子がモチーフに
   なっている。この橋は2代目で、初代の橋の高欄は新宿歴史博物館、そして橋の本体は
   多摩市の長池公園で現役だよ。

ノブ:赤坂離宮の建造が明治42年でこの橋が大正2年、当時の人は離宮とこの橋を一体のものと
   して、街づくりをデザインしていたんだね。発想が広い。

ヒデ:駅のホームが邪魔して橋の全体像は見えないが、美しい形をしているんだろうね。

一行の街歩きは四ツ谷見附橋がスタートです。ウォーキングの終了後は忘年会だそうです。

ヤス:迎賓館だよ。紀州徳川家の上屋敷跡地で、維新後に東宮御所として建造された。そして
   今は国の迎賓館として外国の要人を迎えている。建築の統括者は片山東熊で奈良と京都
   の国立博物館など、宮廷建築を得意とした人だ。見た目は完璧な洋館だけれど、実は中
   央に菊の紋章があったり、左右に阿吽の武士象があるなど和の装飾も取り入れている。
   休館日なので中に入れないのが残念だね。

ノブ:それもだけど、今は天皇即位パレードで使われたオープン・カーがこの前庭で一般に公
   開しているのだけれど、休館日で見られない。残念だ~。

ヤス:日程の設定ミスだ、ゴメン。前に進むぞ!ここは愛子内親王が通っていた学習院初等科、
   次は結婚式場の明治記念館だ。次に見えたのが天皇一家の住む東宮御所の入り口の一つ
   「鮫が橋門」だ。鮫とはここまで鮫が遡上して来たことに由来しているそうだよ。今は
   マスコミ関係者や春、秋の園遊会招待客の出入り口として使われている。実は正門はこ
   の先にあって、即位パレードのオープン・カーは正門を使っている。

ノブ:我々は平成天皇と令和天皇と、2回のパレードを見ることになったね。

ヒデ:明治神宮外苑に来た。明治神宮内苑は国の予算で造営されたけど、外苑は民間の寄付で
   造成されて奉献されたと聞いている。

ヤス:明治時代は青山練兵場だったので、「御観兵榎」はその名残りだね。外苑には「聖徳記
   念絵画館」「野球場、ラクビー場」などがあるけど、この時期は何といっても目の前に
   広がる黄葉した大イチョウの並木道だね。幅33m、長さ300mの直線道路に4列、ほぼ
   9m間隔で植えられた木は146本で樹齢は100年に近い。大イチョウはただ整然と並んで
   いるようだけど、実は計算された遠近法によって景観美を作り出しているんだよ。

ノブ:歩行者天国の日なら、道路の中央から景観美を堪能できるのだよね。

ヤス:青山通りに出た。あれが伊藤忠商事本社、こちらは本田技研本社だ。そしてここにカナ
   ダ大使館がある。日本には約140ヵ国の大使館があるけど、その半数は港区にあるんだ。
   ここは「青山スクエア」だ。日本の伝統工芸品を一度で見られる場所で、店内には指定
   品目235品の中から130品目が入れ替えで常時展示販売されている。外国の人を案内す
   ると喜ばれるよ。高橋是清公園に到着、小休憩しよう。ここは大正から昭和にかけて日
   銀総裁、首相や蔵相を歴任した高橋是清の邸宅跡だよ。彼は2.26事件により、この地で
   83歳の生涯を閉じている。園内には是清像と彼の趣味を感じさせる独特な石像が残され
   ているだけだが、母屋は都立小金井公園内の「江戸たてもの園」に移築されて残ってい
   るんだ。

ヒデ:赤坂に入ったね。この坂は「薬研坂」、まさに地形そのものから名付けられているね。

ヤス:港区には80ヶ所の名の付いた坂があって、赤坂には23坂あるそうだ。ここがTBSのある
   赤坂サカスだ。坂が多いから「坂s」、文化の華を「咲かす」が由来だそうだ。平成20年
   オープンの「職・住・遊」が融合した新しい街だ。もうすぐスケートリンクが始まる。
   さて、この急坂は「三分坂」だ。車代「銀三分増し」が由来だよ。坂の途中にある報土寺
   には史上最強の力士「雷電為衛門」の墓がある。大関在位22年間で250勝10敗の大偉業を
   残している。

ノブ:ここが勝海舟住居跡だね。案内板に「刺殺に来た坂本龍馬が門下生になった」と書かれて
   いる。勝海舟は前回歩いた両国の生まれだよね。

ヤス:勝海舟は3度ほど転居しているが、この赤坂で結婚して暮らした10年間が歴史の表舞台で
   華々しく活躍した時期だ。今は記念碑と案内板しか残っていないのが残念だね。次は忠臣
   蔵ゆかりの地「赤坂氷川神社」だ。忠臣蔵で有名な浅野内匠頭亡き後、奥方が住んでいた。
   大石内蔵助が討ち入り前日に別れの挨拶に来た「南部坂雪の別れ」は名場面の一つだね。
   港区で2番目に大きい樹齢400年の大イチョウを背景に記念写真だ。現在の赤坂氷川神社に
   なったのは後の徳川吉宗の時代だ。

一行は本日の道程でいうと第四コーナーを曲がって直線コースに入ったようです。

ヤス:ここからラストスパートだ。ここが檜町公園で毛利家下屋敷の名庭園「清水園」の名残り
   の公園だ。あの高層ビルは東京ミッドタウン。この地は江戸時代が大名屋敷、明治以降も
   陸軍の駐屯地や防衛庁の本庁舎と変遷したから、約400年間、一般の人は入れない場所だ
   った。それが平成19年にできた「職・住・遊」の機能を融合した都市型複合施設「東京ミ
   ッドタウン」ができて一般に開放された。ここのイルミネーションは有名だから、見に来
   るといいよ。

ヒデ:宇宙をイメージしたイルミネーションをニュースで見たよ。今度見に来よう。

ヤス:最後の案内は六本木ヒルズと毛利庭園だ。六本木ヒルズは平成15年オープン以来、IT産
   業やセレブ住居地として馴染みだが、17年の歳月をかけた施設名だけに「職・住・遊」に
   「商・学・憩・癒・宗・史・・・」まで加わる近未来のコンパクトシティだ。巨大クモ
   「ママン」が出迎えてくれている。眼下に見える紅葉がきれいな場所が毛利庭園だ。桜、
   クス、エノキ、イチョウを配した回遊路の紅葉がすばらしい。この地の史実として毛利藩
   邸の時代、赤穂浪士の10人がここで切腹している。そして明治の陸軍大将「乃木希典の誕
   生地」でもある。変遷としては毛利家の下屋敷から中央大学創始者の自邸、ニッカウイス
   キーの工場時代があって、今はテレビ朝日の所有地だ。この池にはスペースシャトル「コ
   ロンビア」で誕生した「宇宙メダカ」の子孫たちが泳いでいるよ。忘年会の予約時間があ
   るので、急ぎ足の通り一遍の案内になってしまったが、今日の案内はこれで終わりだ。

ヒデ:江戸から現在までの広い時間枠の中を行ったり来たりの面白いコースだったよ。

ノブ:迎賓館が休館日だったのが残念だが、今日のコースは内容があってよかった。

晴天に恵まれ、全ての道程を完歩した一行は六本木の街中のレストランで「シャブシャブ料理」で
忘年会です。一年間のウォーキングの思い出話に花を咲かせて盛り上がりました。
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