鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

Pocket Mirror 日本語訳ver

2017-10-29 23:23:26 | フリーゲーム(ホラー)
Pocket Mirror 日本語訳ver
謎解きゴシックホラーADV・周回前提(おかわり4杯)
制作者:Astral Shift様(Pocket Mirror team
翻訳者:ぬりかべ様(ブロマガ

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やっとのことでPortraitsを100%にできました!
イチからやりなおして4周回は、さすがに長かった…
リアルもいろいろ忙しくて、ここ一週間はこれしかプレイできませんでしたぞよ。
しかし、これだけやってもまだ、音楽のほうは二つ見つけられてないのであった…


英語が得意じゃないので、外国の方のゲームって、ふだん殆どプレイしないんですが…
こうして、手間暇かけて翻訳され、紹介して貰えるような作品は、やっぱりクオリティが凄いですね!
グラフィック、マップ、演出…どれをとっても素晴らしかったです。
作っていただいた作者様たちはもちろん、翻訳&日本語版の公開をしてくれたぬりかべ様には、感謝しかありませぬぅ!

さてポケットミラー。ざっくりあらすじを言いますと、記憶を失って見知らぬ部屋に倒れていた少女が、唯一の持ち物&自分自身の手掛かりである『金色のポケットミラー』を握りしめて、不思議な世界を彷徨う話、でございます。

作中では「名前」が重要なファクターとなっており、主人公の少女は、自分の名前…自分自身のアイデンティティを求めて進んでいく感じ。
ただ、言葉の壁もあってか、シナリオけっこう難解め…かな?
手紙や書物で、起きた出来事は大体こうかな?ってわかるんだけど…「これだ!」っていう答えは、言葉では語られない。
なので、シナリオの解釈については、プレイヤーに色々委ねる部分が多い印象でした。
ネイティブな人なら、もしかしたらグラフィックや細かな言い回しで、もっと深いところまでわかるのかなぁ;誰かくわしく解説してくださいエ口イ人orz

エンディングはバッド除いて4種。
3つは、作中で、章ごとに出てくるキャラそれぞれから貰える、キーアイテムの数で分岐。
何も持ってないか(最初から持ってるのと、通路に落ちてるアレは除く)半端に持ってるか、全部持ってるかの3ルート。
そして、その「全部持ってるルート」の最後でさらに分岐。

この4種のいずれかのエンディングを迎えると、キャラ紹介やスチル一覧、音楽一覧が見られるようになりまする。
た・だ・し。これらのオマケ要素は、エンディングを迎えたデータを引き継いで周回しないと、100%にできません。
例えば、まずエンド3スチルを見て、分岐前セーブからやりなおしてエンド2のスチルを見たとしても…エンド2の代わりに、さっき見たはずのエンド3が空白になるだけで、結局両方は埋まらないということだね。
オマケ含めた完全攻略を目指すなら、データを引き継ぎつつ最初から繰り返して4周するしかないのだよ…フフ…

ちなみに、あっちこっちで手に入る「パンプキンチャーム」は、一周終わったあと出てくるオマケ要素を開放するのに使います。
多分、1周150個?くらいは手に入ると思うんですが…これだと数が足りないので、全部解放したかったら二周は必須とお思いくだされ。

続いてざっとキャラ語り…
規約を見る限り、原作者さんはネタバレを禁じていない…(と思う)けど。
まあ、ゲームはオチが命!だと思うので…ちょっとボカして書いていきますね。


さてさて、最初の章は、エグリット&フレータ。
高飛車な人形の女王&我儘プリンセスです。
フレータは本当に、我儘な小さい子って感じのキャラで…プレイしてて疲れました…
この負けず嫌い、実は私も子供のころそういう子供だったので、あーわかるわかる、と思うとともに、見ていてとてもいたたまれない…恥ずかしい気分になってしまった。
この子の声優さん、癇癪を起す直前の「うううう~!!」という焦れた声のイラっと感が実にうまくて演技派なり。
エグリットは、フレータが出てくるまでと出てきた後とでは、ちょっと印象が違うキャラです。
晩餐会の席上で手に入る錆びた鍵、それで入れる部屋の中の状況がけっこう謎。
フレッタと出会う前のあのシーンもアレだったし…
エグリットは現状にかなり限界を感じていたようなので、その表れ…なんでしょうかね?


次はハーパイ。穏やかな見た目ながら、中身はなかなか強靭かつ誇り高い女騎士。
名前がちょっと、日本人には馴染みのない発音で読みにくいっすね…
攻略するのに、とても手間がかかったキャラです。
実はエンド分岐に関わるのはHolowに入ってからの選択肢だけ、なのですが…
最初の頃はそんなこと知らないから、この子の章は、本当に何回も最初からやりなおしました。
周回数としては4回ですが、こういう細かい「やりなおし」含めると、フレータ〜ハーパイ辺りまではもう何十回プレイしたかわからないっす…
ちなみに、この子は「主人公に頼られる」ことこそが存在理由なので、彼女が大丈夫と言ったら信じて任せるのが正解。

3人目はリゼット。罪と罰とそれに対する怒りを一手に引き受ける、貧乏籤な役割です。
キャラのビジュアルは、一番キレイな子のように思えます。教会のマップも美しかった!
彼女の章は、一番ホラーらしく、逃げイベントが豊富!
最後のほうの逃げはコツを掴むまでが大変でした。
逃げ先に敵が出てきたらUターン、さらにそっちからも敵が出てきたら再度Uターン、なのですが。
先に出てきた敵が追ってきたとき、引き離しきれずに次の出現ポイントまで戻りますと…先に出たほうの敵は消えてくれずに、挟まれて死にますぞ。

最後はエンジェル。金色の天使。見た目は主人公の2Pカラー。
彼女のステージを見て「アレはそういうことだったのか!」と気づかされる演出が秀逸でした。
一度エンディングを見て、周回のためにやりなおすと…実は、あちこち不自然な部分があったのに気付くと思います。
例えば最初の部屋とビー玉は、それぞれが、その後出会うキャラに対応していますが…一つ、足りませんよね。
彼女の持つレガリア、金の一滴は…本来はどうあるべきものだったんでしょうか…


印象に残るのは、出てくるキャラがみんな主人公ちゃんに言葉がキツい、ということかな。
「そんなつもりじゃないって、どんなつもりだったの」「それはどういう意味ですか」「あなたはなんなの」「どうする気なの」とか言われ続けて、どうしてそうなったのか、理由を説明しようとすると「言い訳すんな」とか言われてしまうという;
これはたぶん、翻訳した文章だと、どうしても日本語よりキツめの言い回しになっちゃうってことだろうけど…主人公ちゃんの態度がわりと、物事をはっきり言わずに「わたし別にそんなつもりじゃ…」と濁しまくったり、とりあえずその場を収めるために「ごめんなさい、もうしないわ」とか謝っちゃう、日本人的なタイプだったので…余計に何かこう、来るものがあるといえばありました。

話が進んで、主人公の立場と彼女たちの出自を知れば、この当たりの強さも超納得なんですが…
プレイしながら何度「お前らまず人の話を聞け!」と思ったことかw

ちなみに私のお気に入りはリゼットです。
暴走はしてましたが、彼女は彼女なりに、主人公ちゃんを救おうとしていたんですよねん。


攻略面で詰まりそうなのは…
ハーパイのエンド分岐選択肢、でしょうか。
基本はハーパイに従順に、ですね。
その前段階で、彼女に素直に従うとバッドエンドまっしぐらなのが何気に罠で、ついつい自立した選択肢を選びたくなりますが…ハーパイにとって、それは「お前は必要ない」と言われているも同然のこと。
上階で床にハマって怪我をしているハーパイと出会ったら、そこから先は彼女を尊重してあげましょう。

あとは、個人的にすごく難しかったのは笛!
BGMと同じにすればいい、と攻略には書いてあるんですが…正直、正解の音を聞いても「BGMと同じ」だとは思えなかったのです。私ってば音感無さ杉か;

最後のステンドグラスのマップの逃げは、何気に難しくて、いつも何回かやりなおします。
ルートは右、左、真ん中で!

ちなみに私が攻略の参考にした海外のウォークスルー。「13 Years of Dreaming
もちろん全部英語ですけど…大丈夫、ブラウザの翻訳機能はこういう時のためにある!

その他の注意点としては…
ファイル名の文字化けについては、DLサイトでも対処が明記されていますが、実は私、ファイル名をコピったときに、後ろに空白一文字余分につけてしまって動きませんでした。
ツイでのボヤきに反応して教えてくださった方のおかげで、今回無事プレイできましたが…
普段プログラムに触らないやる専さんはお気をつけくださいまし。

あと、素晴らしいビジュアルのゲームですので、システムもけっこう重いです。
特に後半のリゼット~エンジェルあたりのマップでは、自動イベントやらエフェクトやらてんこもりで、アクション要素も多いため、マップ切り替え時に読み込みが間に合わず、落ちることが多々ありました。
セーブはこまめに、マップ移動時は極力走らないことをおすすめします。

マップが凝ってて美しく、ボリュームもあってやりがいがありました。
日本人に好まれそうなグラフィックなので、美少女キャラ好きな人には特に良いかも!
お勧めですよ~






意味ありげにちょこちょこ出てくる「弟」と「人形」が気になりますねぇ…
弟はもしかしたら次作への伏線かなぁ…
不思議な少年のグラが、なんとなく弟に似てるような気もしたんだけど、そこは単に書き分けの問題?

そもそも、この状況…どこからが少年の思惑だったんでしょ?
フレータやハーパイやリゼットが生まれてきたのは、少年の意図したことだったのでしょうか…
それとも、主人公の自己防衛本能だったのでしょうか…?
少なくとも、この作品の時点で、少年はまだ「報酬」を受け取ってはいないようだけど、
ネコがネズミをいたぶるように、時期を見計らって遊んでいた可能性も捨てきれないし…?

それに、ワックスレコード、最後の一個は誰のもの? 

こういう曖昧な部分の残るゲームは、考察が熱くて面白いことが多いので、ぜひともいろんな人にプレイして、語ってほしいっすね…