鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

正義の血液

2017-10-08 23:05:24 | フリーゲーム(ファンタジー)
「正義の血液」
ファンタジーRPG・特殊戦闘システム・魔王を復活させよう
制作者:露木佑太郎様(現在進行形

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魔王が勇者によって封印されてから15年。
魔王による魔力の供給がなくなったため魔族は弱体化し、魔物も新たに生まれることはなくなった。
そんな平和な世界のとある村で、貧しい村の生活を救うため「なんでも願いをかなえてくれる儀式」の生贄に選ばれた少女リアーナ。
たまたま村を訪れていた旅人のアルヴァはそのための護衛を頼まれ、リアーナとともに、儀式の場所である遺跡へと向かうことになった。


このゲームは、キャラグラが良いですね~
立ち絵だけでなく、戦闘時のキャラグラフィックが細やかに作られていて好き。
敵キャラのポーズがいちいちカッコいい!
主人公のアルヴァとリアーナも、ナイス身長差!

シナリオも、話が二転三転して飽きさせず、先に進むとキャラのギャップが見えてくるのがいいですねー。
チャラくていい加減そうに見えるアルヴァが、実はかなりの真面目キャラだったり、リアーナが全然か弱くない…むしろ気の強い女の子だったり、意外性がありました。

ただ、全体的に、ちょいと動作は重いかな?
うちのパソだと、会話飛ばしにエンター連打してると、いきなりフリーズしたりする…
私同様、低スペ機をお使いの皆様はお気をつけくださいまし。


さてさて、あとは戦闘について。

このゲーム、RPGではあるんですが、戦闘システムがちょっと特殊な感じになってます。
HPとTP…はいいとして。問題はSP。
多くの場合は、魔法を使うときの魔力ポイントとして扱われる数値ですが、このゲームでは違います。
魔法自体は、ポイント関係なく、無制限にいくらでも使えるんですよ。
ただ、このSPの値がある程度溜まると、その威力があがるっていう…そういう数値。

ちなみに、SPは「斬撃属性」でダメージを受けた時のみ上がります。
この世界は「血」に不思議な力があるとされているため、斬られて血を流すことで魔力がアップ↑↑するのです。これは敵の攻撃だけでなく、自分で自分を攻撃してもOK。
つまり一言で言えば、斬撃を食らうほど、敵に与える魔法ダメージが多くなる…ってことですね。

ただし!このSPポイント、ちょっとした難点がありまして…
それは「アイテム・魔法に関わらず、回復すると下がってしまう」ということ。
戦闘中、HPは、ウカツに回復できません。
とはいえ~死んでしまうとモトもコもないので…いつどのタイミングで、何を使って回復するかを、常にプレイヤーは駆け引きしつつ戦うことになるわけですー。

ちなみに、魔法で回復するより、アイテムのほうが下げ幅が少なかったり。
冒頭で村人に「アイテムもうまく使うのよ!」とダメ押しされるのはそのためです。
話が進むと、SPを下げずにHPを回復できる場所がみつかります(←有料・高い)ので、それまでは頑張りましょう。

(一応、敵の強さを上げない限りは、SPなど一切溜めない強化ナシの魔法でも、ちゃんとエンディングまで行けますので…そこまで必死にSPを維持する必要はないのですけどね)


エンドは二種。トゥルーとノーマル。
トゥルーを見るためには、シナリオに直で関係ないところにもどんどん寄り道すること。
ちょっぴり鈍感なアルヴァと、見た目よりずっと大人でしっかりもののリアーナちゃんに癒されたい方は、ぜひプレイしてみてくださいね~


境世ノ死神

2017-10-07 23:14:46 | フリーゲーム(ホラー)
境世ノ死神
探索ホラー・逃げ&アクション有・最後にびっくり
制作者:nao様(pixiv

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とあるバス事故に遭ってから、目を覚ますことのない4人。
生と死の狭間の世界…「境世」に囚われた彼らを目覚めさせるため、不思議な力を持つ巫女がその意識の中に潜ります。
果たして巫女は無事に、彼らを探し出し、現世に連れ帰ることができるのでしょうか?

とまあ、こんな感じで。

気を抜くことのできない探索と、難易度高めの謎解き、そしてプレイヤーを驚愕させるシナリオ。
いろんな意味で「こりゃあ凄いや!」と言わざるを得ないゲームでした。
まあ、人によって好き嫌いは分かれるタイプの作品かもしれませんが…
私的には、とても大変だったけれど、その分、やりがいがありましたよん。

えーと、難易度はノーマルとイージーの二通りかな。
私はイージーで始めたんですが、途中の庭の石碑で「難易度変更」できるって気が付かなくて。
探索ついでに「これなんだろう?」と弄り倒してしまったため、最終的に、イージーとノーマルのどっちでクリアしたのかわからないのだった…
(調べたとき『空気が軽くなった』『空気が重くなった』としか表示されないので、これが難易度変更だと最初は気づかなかったのさ…orz)

時々入る逃げイベは、敵の足が速め&時間長めで、けっこう鬼畜。
一定回数マップ切り替えをすることで逃げ切れるタイプのイベントですんで、うまく家具の配置など利用して出入りを繰り返せば、早めに撒けるかもしれません、が…
ちょっと家具にひっかかってモタつくとアウト!なギリギリの難易度なので本当にツライ。
逃げ下手さんはいろいろ覚悟のうえでプレイしてくださいね。
あと、最後に一か所だけ、戦闘アクションが存在します。
私はアクションはド下手なので…ものすごい回数やり直しました。
できればここ、戦闘直前セーブかリトライ欲しいな…

探索は難しめ。光るアイテムもたま~にあるんですが、本当に必要なものはほぼ光らないっす。
なので、新しい部屋に入れるようになったら、本当に隅々までしっかり調べておきませう。
一か所の探索ミスが、あとあとまで響きますのでね…
ちなみに私がハマったのは、トイレの個室の探索でした。
いいかみんな!便器だけでなく、隣のペーパーもしっかり調べるのだ!!
あと、教室の机は…油断せずにきちんと調べておいた方が、無難?

最初から「ここがアヤシイ」「ここは後できっとイベントがある」みたいな場所はいっぱい見つかるし、アイテムも割とぽんぽん手に入るんですが。
それらは「見つかる」だけであって、すぐには使わなかったり、その時点では解けなかったりするものが多いんですよね。
アイテムを見つけたぞ!じゃあ次はこれを使えるところを探そう!…みたいな、一本道お使いゲーを想定していると、がっつり詰まってハマりますのでご注意を。
終始、いくつもの謎解きを並行して行っていくようなスタイルなので、探索で見つけた「アヤシイ場所」は、忘れないようリアルメモを取っておくと、プレイしやすいかと思います。
(旅館の2Fの●●に鍵のかかったタンス有り、とか)

パスワードは、最後の一つが難しめ。
ただ、こちらは攻略情報を作者様が出してくれているので、判らなければそちらへどうぞ!

そしてシナリオの内容については…残念ながら、詳しくは語れません。
ネタバレると面白くない話なので。
ぜひとも皆さまも先入観なくプレイしてみてください!
そして、私と同じく、最後に顎が落ちるようなショックを味わってみてね!


探索に慣れている方、そこそこアクションが得意な方…
そして絶望耐性のある方におすすめします。
なかなかトガった作りが印象に残るゲームでしたよ!

夏のあかり

2017-10-03 00:21:56 | フリーゲーム(ファンタジー)
「夏のあかり」
和風探索ADV・●●と幼女
制作者:まれっふぃ様(夏のあかり・公式サイト

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ネリーと人形の町の作者さんですね~
今回はがらりと印象を変えて、純和風な雰囲気!
とある半妖が、とある場所で、とある願いをかなえるため、夜が明けるまでがんばるゲームです。
建物に入ってくる妖を撃退したり、迷い込んでくる人間を追い払ったり守ったり。
果たして、そうまでして彼が叶えたい願いとは、なんなのでしょうか…?


今回も、キャラが可愛くて魅力的でした~
ネリーに出てきたティルムもそうでしたけど、この方の作る男性キャラはいつも本当に優しくて、無限の包容力があるんだわぁ。
しかも、そんな男性キャラにプラスして、さらに超かわいい幼女まで出てくるとあっては…!
もはや私に萌え死ねといわんばかり…!

すごく可愛いものとか、優しいもの、いとしいものを見た時に、何かぎゅっと胸が痛くなるような気持になることって、無いですか?
とても大事で、愛しくて愛しくて、泣きたくなるような…プレイしていて、そんな想いを感じてしまうゲームでした。

…まあ、そこに過剰反応してしまうのは、おそらく私自身が、照吉くんと同じように護りたいものがある…そういう立ち位置であるせい…だとは思うけど。
おそらく同じような世代&立場の方は、きっとこういうシナリオにヨワイと思うなぁ…


基本のゲームシステムは探索&謎解き、そしてちょびっとアクション。
実は、夜明けを無事に迎える「だけ」ならば…わりと簡単め…な気が?

なので、ゲームに慣れた人ほど、気づきづらいと思うのですが…
ある程度話が進んでからゲームオーバーになると「ヒントONモード」が選べるようになりますよ~

このモード、ただ謎解きのヒントをくれる、ってだけの機能ではなく…
使うとゲームの印象がまるっきり、がらっと変わってしまうので、謎解き得意でヒントなんか不要!なプレイヤーさんであっても、ぜひとも一度は使ってプレイしてみることをお勧めします。
こちらは、シナリオの種明かしルート?というか…この物語を、より深く知ることができるモードなんですよね。

ちなみに、トゥルーエンド?に行くには、若干見つけづらいフラグやアイテムがありますので、もし詰まった場合は、公式サイトへ! 作者様が攻略を出してくれてます。


プレイしていて、ほんわか優しい気持ちになれるゲームでした。
日常に潤いの足りない皆さま、このゲームでオバケと幼女の絆に癒されちゃってくださいな。


さよならモガリ

2017-10-01 11:49:31 | フリーゲーム(ファンタジー)
さよならモガリ
アツマール・探索ADV・悼んで弔う物語
制作者:トバリリアム様(トバリリアム

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昔馴染みのグレゴールに頼まれて「モガリ送り」という儀式の手伝いをするため、故郷に戻ってきたヴィル。
悲しみに沈むグレゴールの傍には、今回の「モガリ」である女性…イースが立っていた。
かつて3人で過ごし、思い出にあふれた懐かしい建物の中。
イースと語り合いながら、ヴィルは儀式に必要なアイテムを集め始める。

というわけで「トバリドトキシンRE」の作者様の新作です。
そちらと同じキャラが出てきますが、作者様のお話では、続編や前後作ではなくスピンオフに近い…とのことですね。
とはいえ、設定になんとなーく繋がりも感じられるので、ドトキシンをプレイした方には、いろいろ通じる部分があるんじゃないでしょーか。

全篇に流れる、静かで美しい音楽が印象的。
「ドトキシン」では謎の多かったイースとグレゴールの関係に焦点を合わせて、なんとも悲哀に満ちた独特の世界観を魅せてくれました。
世界中をふらりと旅して歩き、時折きまぐれにやってくるイースと、何も言わずにそれを受け入れていたグレゴール。
気が合わずに喧嘩ばかりしていたという二人の絆がどんなものであったのかが、探索していく中で少しづつ見えていきます。

登場人物の表情付けが、とても細やかで魅力的です。
特にイースの表情はそのときのシーンに合わせて、眉を寄せたり、目を伏せたり逸らしたり、微妙で良い感じ。
こういう顔グラの、目もとの表情って大事ですね~
口だけで笑ったり怒ったりしても目が見開いたままだったりすると、ちょっと人形感がある、というか…
目元動かしてくれると、途端に人間っぽく見えてくる。


シナリオの流れとしては、大きく3章構成。
まず「モガリ送り」をする。そのあと、イースの薬箱を整える。そのあとが最終章。
その途中途中で、条件を満たすと各エンディングが見られます。
ただ、エンディングを見たからといってゲームがそこで終わるわけではない、という、ちょっと変わった作り。
あっ、エンディングだ…と思った次の瞬間、その直前・あるいは直後から再スタートするので、プレイしててアレ?と一瞬思うかも。

「ドトキシン」もそうでしたが、相変わらず、特殊な構成のゲームを作られる方ですねぇ…
たくさんの制作者さんによって多くのゲームが作られ、流れの中である程度の「型」が決まってくる中で、こういう、ちょっとだけ違うタイプのものが出てくると、目を惹きますな。

フラグとして必要なアイテムはそう多くなく、探す時の難易度も高くない。
ですが、慌てずゆっくりプレイすることをお勧めします。
探索することでイースやグレゴールの会話が変わったり、ちょっとしたイベントが起こったり。
イースとグレゴールがお互いに贈りあったプレゼントの話は、フラグに手間がかかるぶん、見つけた時嬉しかったです。

また「ドトキシン」でもプレイヤーを翻弄しまくった「隠し通路」は、今回も健在!
あちこちに、ちょこちょこありますので、しっかり探索しましょう!

ちなみに、今回は「トバリ」に関する情報は少なく、いろいろ匂わされて終わる部分がありますが…
これは、下手に語ると「ドトキシン」のネタバレになっちゃうせい…かな?
もしもプレイして「?」となった方は、ぜひ、ドトキシンREもプレイすることをお勧めです。

鍵やキーアイテムは、拾えるものもありますが「マナの結晶」から創り出すこともできます。
マナの結晶は、探索で見つけられる「思い出の品物」や井戸水や灰や石や花などを精製します。
…過去を整理するかのように「思い出」を全てマナに変えて、いま必要な、別なものを創り出していく。なかなかに象徴的ですな。

ちなみに、井戸水や灰、ワイン、指輪、鍾乳石…マナの花、などは一定時間?経つと再び採集できるので、時間さえかければ「思い出の品」を失くさずにクリアすることも、一応可能…かもしれない?
本で神経衰弱すると貰えるアイテムも、何度もやれば繰り返しもらえます。
あと、川の中にある石碑は調べられたり。


本当に探索すべきはアイテムではなく、そこに残された、数々の思い出そのもの。
積み重ねてきた時間を一つ一つ確かめながら、「モガリ」を悼み送ってあげてください。

雰囲気良くておすすめですよ~

海月は瓶の中で漂う

2017-10-01 00:00:47 | フリーゲーム(ホラー)
海月は瓶の中で漂う
ワンマップ探索ADV・意外なおもてなし
制作者:セミカワ様・ハリヤ様

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報道部シリーズや、見るだけで目のよくなる~の作者様の新作です。
今回の主人公はいろいろミステリアスなイズ先輩。

頭部がクラゲのクラゲ男と一緒に閉じ込められた不思議な部屋で、仕掛けを解き鍵を探して脱出しましょう。

特にストーリーがあるわけではないのですが、すごく雰囲気がよいゲームです。
基本は、探したアイテムで次に必要なアイテムが手に入っていく、わらしべっぽい謎解きゲー。
特に詰まるようなところもないので、けっこう単調だな~と思いながら進んでいったのですが。

中盤?終盤で、部屋を水に満たすと、いきなり思いがけない展開に…

ここの料理シーンはこのゲーム一番の見どころです。
長めに時間も取ってあったし、ものすごく力の入ったグラフィックでした……。
思わずじっくり見ほれてしまったよ~

サックリ終われて、面白いゲームでした。
クラゲ男のグラフィックがすごく心に残る!!




…『ええ!えええ! コーヒーはともかく、ソレを勧められても!』
と慌てるプレイヤー(私)をよそに、冷静極まりないイズ先輩…さすがだ。