鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

桜梅物語

2017-09-28 00:00:54 | フリーゲーム(乙女)
「桜梅物語」
中国宮廷風乙女ADV・後日談はkindleで販売中
制作者:トリアドール様(Toreador)

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たまにはヤンデレでもなく、ダークでもない正統派な乙女ゲを!
中国宮廷風…というわけで、皇帝が正室と大勢の側室を持ち、身分制度が厳しく格差が激しく、暗殺が横行し、下々のものの命は羽より軽い…そんな世界観の中で繰り広げられる物語です。

莞国(げんこく)の宮廷の後宮には、大勢の良家の娘たちが集められていた。
その中から、若き皇帝・秀郁(しゅういく)の正室…「国母」を選ぶためである。
そんな候補者の一人の付き人としてやってきた瑞春(すいしゅん)は後宮で働くうち、皇帝本人と、その弟である高苑(こううん)殿下と親しくなっていく。
しかし、正室選びの最中という微妙な時期のこと。その存在は、正室候補たちや、宮廷で国政に関わる人々の不興を買ってしまう。
秀郁や高苑に守られて、なんとか苦難をやり過ごしていく瑞春だったが、やがて、その存在を利用しようと陰で企むものが現れて…?


世界観がきちんと作られているのが良いですね~
前皇帝のありかた、今の国の現状、外の国からの脅威と、内側に潜む脅威。
主人公を守ろうとする皇帝や殿下でさえ、なんでも命令すればできるってわけじゃなく、油断ならない宮廷で隙を見せないよう、常に気を使わざるを得ない…そんな現実っぽい縛りがつくのがいい感じ。
それぞれのルートで「なぜ彼らが今のように育ったか」という過去の要因が詳しく語られるのも、キャラに深みが増していました~

まあ…本気で殺しにかかる暗殺者の刃を、攻撃対象より近くで庇って受けて、一週間でほぼ完治ってのはどうかなーと思いましたが。そこはファンタジーってことで。


さてさて、攻略対象は、皇帝・秀郁と、武人・高苑。
頭脳派と肉体派でうまくカテゴリわけされた二人です。

まずは皇帝・秀郁。
頭良すぎるというか、勘が良すぎるというか。人の本性を見抜く慧眼を持つがゆえに、今まで心安らぐことがなく、瑞春の率直さや裏表のなさを知って惹かれていきます。
陰謀渦巻く宮廷の悪意から、持ち前の狡猾さで瑞春を守ってゆく姿がかっこいい!
ただ、あまりにも毎回、瑞春の危機にタイミングよく表れてくれるので、常に陰で見張りをつけているんじゃないかって疑惑がぬぐえませんw

皇帝と言えば権力の頂点・なんでもできてウハウハなのかと思いきや、なかなか不自由な立場でもあって…特に妻問題に関しては、自由恋愛が許されず、最後まで振り回されました。
結局最終的には力技で解決?してしまいましたけど。
柔らかな物腰でやることはけっこう強引。
こうと決めたら、どんな手段をもってしても実行してしまうところは、まさに絶対権力者!


もう一人は、皇帝の弟にして莞国の兵を率いる高苑。
最初てっきり「こうえん」かと思っていたんですが、正しい読みは「こううん」
武骨で不愛想。絵に描いたような体育会系。
女性に関しては不慣れですが、それ以外では優しく面倒見も良く器用。
互いの足を引っ張ろうとする後宮の女とその子供たちの中で、兄の秀郁とともに協力して生き抜いてきたため、秀郁に対する忠誠心は強く、その武力をもって治世を助けます。

まー、彼は、いちいちやることが可愛いんですよね。
「女が男に気安く触って相手が誤解したらどうする!」ってそれ自分のことだろうw
気さくに冗談を言い合って、瑞春も割と遠慮なくツッコミを入れて、二人で楽しそうにじゃれあうシーンが見ていてほほえましい。
こちらのルートは、街へ出たり、馬車で移動したりと場面の変化のあるシナリオでもあります。
高苑を助けるためなら死体の持ち物を漁ることも辞さない、瑞春の強さと行動力も垣間見られますぞ^^

…しかし、あの状況で「縁談を世話しろ」ってのは…瑞春ちゃんってば挑発的な…;


エンディングは3つ。それぞれのキャラエンドと、どちらとも結ばれないノーマル?エンド。
双方のルートで、兄弟が互いにヤキモチを妬く描写がありますが、二股エンドはありません!
それやったら傾国で粛清されちゃうから!w


ちなみに、秀郁と高苑、それぞれの後日譚の小説が、kindleにて販売されています。
…同人誌でもなくBOOTHでもなく、kindle使うって珍しいよね。

両方買ったけど、きちんとボリュームがあって面白かったですよ。
毎回、うまい具合に邪魔が入ってなかなか結婚できない高苑ルートにはニヤニヤw
ゲームでは、半ば強引にまとめた感のあった秀郁ルートは、やはりもう一苦労あって…その後、きちんと納得のエンディングに漕ぎ付けました。

彼らのその後が気になる方は、購入してみてはいかがでしょうか~

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