鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

外交大使サザンテ

2017-09-30 01:35:05 | フリーゲーム(SF)
「外交大使サザンテ」
1~23話 未完結・先が気になる…
製作者:萩本創八様(旧Mole Waltz・現シニカルとレトリック

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エポボニオ星にただ一人しか存在しない、外交大使・サザンテ。
私生活はだらしなく、誘惑に弱いダメ人間の彼女だったが、外交手腕はかなりのもの。
普通の人には想像もできない切り口と手管で、一癖も二癖もある他星の種族たちと同盟を結んでいく。


…って感じの、SFビジュアルノベルですー。
DLサイトの初出が…えーと2014年ですか? あれ?これそんな新しかったかな?
サイトに登録したのがその頃ってだけかな?
かなり昔の作品にも関わらず、時々読み返して、やっぱり面白い…と再確認しております。
好きなんですよね、こういうの!!

メインテーマは、星同士の「政治外交」。
こう書くと、かなり難しい話っぽく感じると思いますが、サザンテのキャラや、個性的な種族たちの軽く楽しいかけあいなどのおかげで、かなり「面白とっつきやすい」話になっております。
最初に言っておきますが、この話には地球も地球人も出てきません。
いちおうヒューマノイド型とはいえ、異星人しか出てこないこともあって、グラフィックは大変個性的。

古い歴史を持ち、独特の外交システムとその実績において他の星から一目置かれるエポボニオ。
優れた軍人を輩出する星ホヘニオ。
ホヘニオから逃げ出した犯罪者が作り出したならずものの国カノーバー。
若年期は知能も高く賢者のような話し方をするのに、老成するにつれて幼児言葉になっていくオボンコ。
万時において適当、礼儀作法など二の次・むしろ要らないという、種族全員B型としか思えない星エルモ。
ライオンの姿形をしているのに、穏やかで聡明・菜食主義者のパナ。
コンピュータ関連の技術に優れていながら、口から出るのは悪口雑言ばかりのプルチョッポ。
女が支配し、肉弾戦に特化したアマゾネスの星ザケドス。
女を魔女とする宗教を持ち、20歳になる前に種族の女を虐殺する習慣があることから、周囲の星に忌まれているロックアーリ。
長い寿命を持つがゆえに人口爆発に悩み、他星の領土を狙うペシドリア。

などなどなど… よくもまあ、こんな面白い設定作ったなあ、と思うしかない個性的な種族の数々。
これだけの種族と登場人物が出てくるシナリオにも関わらず、その全員がきちんとプレイヤーに印象付けられて、プレイしていて「これ誰だっけ?」みたいな感覚が全くないのが、まずすごい。
そして、そんな彼らの星ごとの環境・事情・種族の性質などなど、それらをうまく絡み合わせ、双方が納得できるよう調停していく様が、とても見ていて面白いのです。

設定も深く、ちょっとした言葉が、世の真理をついていてニヤリとしてしまうことが多々。
綺麗ごとでは済まない、済ませない部分をしっかり見せながらも、決して醜悪ではない…むしろ…潔い、という言葉が似合う世界観のように思います。

おそらくそれは「正しいかどうか」で物事を計っていないせいかもしれません。
それぞれの星に癖があって、変わったところも良いところもあって。それはこちらにとって時には不都合なことであっても、相手にとっては決して譲れない「正義」。
それは、どちらがどう、という事ではなくて、立場と感覚の「違い」があるってだけのこと…。

一般的には、言い合いや喧嘩を「悪いもの」と受け止めることが多いけれど。
そういう形で幾度も軋轢を繰り返さなければ理解できない関係もある…かもしれない?

未完結であることが惜しいですが…途中まででも、十分読み応えのある作品なのです。
SF好きな方におすすめよー♪

ちなみに私の推しキャラはヘンデルス。かっこいいぞう!ハゲだけど!!
あとシアラーはマジ聖女!






っていうか、現実にサザンテみたいなスーパー外交官がいたらいいのに…
このごろウワサの近所のあの国を、ぜひともなんとかして欲しい…!


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