鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

「エミリー・ローズ」

2007-06-19 12:33:26 | 映画(ホラー)
「エミリー・ローズ」
監督:スコット・デリクソン
出演:ローラ・リニー、トム・ウィルキンソン、ジェニファー・カーペンターほか

公式ページ

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ホラー版、逆転裁判?! …というのはモチロン冗談ですが。
エクソシストのモデルにもなった、悪魔憑きの少女の実話をもとに作られた映画です。
ビックリ系の場面はそこかしこにあるものの…これね…おっそろしく真面目な話でしたよ。
ホラーではなく、宗教映画に近いと思うなぁ。

悪魔祓いの正当性がどうか、なんて、裁判が成立しませんからね。
(それを争おうと思ったら、悪魔の実在性の問題になってしまう?)
とりあえず裁判の争点は「必要な医療処置を受けさせず、助かるものを見殺しにした」
というところなんですが。

なにしろ、こういう裁判です。確かなものが何も無い。
検事側は、薬の服用をやめさせなければ、彼女は死ななかった(かもしれない)と主張。
対する弁護側は、それまで服んでいた薬こそが、彼女の悪魔祓いを失敗させた原因である
(かもしれない)と主張。
いやー、こういう裁判の陪審員だけにはなりたくないな、と(汗)
日本だったら、こういう裁判って成り立つのかしら(汗)

多分、見えないものは存在しない! と言い切ってしまうには、
あちらの民族性の中での、宗教のウェイトが高すぎるのでしょうかね。
幼い頃から洗礼を受け教会に通い、心の底に『神』を持ち続けてきた人たちだからこそ、
こういう裁判が成り立ってしまうのだし、最後の判決もアリなのだろうな、と…

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とあるアメリカの田舎町で、一人の少女が亡くなった。
彼女の名前はエミリー・ローズ。
あまり裕福ではないまでも、信仰心篤い家に生まれ、仲の良い家族に恵まれた彼女は、
奨学金を受けて大学に進む道を選ぶほど、真面目な努力家だった。

そんな彼女が、大学の寮で一人きりで夜を過ごしたとき、恐ろしい出来事に見舞われる。
たちこめる焦げ臭い匂い。そして、見えざるものの恐ろしい暴力。
身体は自分の言うことをきかず、たわみ、反り返り、この世とも思えぬ姿に捻じ曲がる。

その日から、エミリーは、見えない何者かに常におびやかされることになるのだった。
恐ろしい幻覚が彼女を襲い、時として身体が勝手に捻じ曲がる。
口は言いたくもない言葉を吐き、食事を取ることさえできない。
精神病院に入院するも、状態は悪くなるばかり。

エミリーは、これは精神病ではなく、悪魔が取り憑いたのだと信じ、
教会の神父に、最後の願いを託して悪魔祓いを依頼する。
だが、その結果は失敗。
悪魔祓いの儀式で衰弱しきったエミリーは、その後、一週間ほどで死亡してしまうのだった。

この件を知った警察は、事件性を認めて裁判を執り行う。
検事側はエミリーの死の原因は、神父の判断が誤っていたからだと批判。
よほどの腕のたつ弁護人でない限り、裁判に勝つのは不可能と思われた。

選ばれた弁護人は「殺人者ですら無罪にした」経験を持つ女性弁護士ローラ。
彼女を雇ったローマ・カトリック教会は、どうやら話を大きくしたくない様子だったが、
被告であるムーア神父の真摯さにうたれ、ローラは最後まで戦う決意をするのだった。

しかし、その夜から、ローラの身には不気味な出来事が…

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史実に基づくんなら、何か実話な資料は無いのか、と検索しましたが、
日本語ではメボシイところはありませんでした。
どうやら、ドイツのAnneliese Michelという少女がモデルらしく、
彼女の悪魔祓いに関わり、裁判を受けた神父は4人。過失致死で有罪。6ヶ月の保護観察…
と、そのくらい、かな。 映画とちがう部分もけっこうありますね。
映画の最後に読まれ、裁判をひっくり返したローズから神父にあてた手紙、っていうのは、
果たして実在したんでしょうか…

信じない人から見れば、全て、妄想と思い込みで片付いてしまう世界。
そこに神を見るか悪魔を見るかは…その人次第かもしれません。

いや、それにしても…映画とかでは必ずアメリカの弁護士って、超守銭奴ですよね。
アメリカ映画で人の上に立つ偉い人は常に黒人!ていうのと同じくらいセオリーなり。

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