鼠喰いのひとりごと

DL系フリーゲームや本や映画などの感想を徒然に

authoring mare

2016-11-18 10:46:26 | フリーゲーム(ファンタジー)
「authoring mare」 謎解き探索ADV
制作者:mkbt様(公式サイト

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その遺跡に行けば、願いをかなえてくれる、という噂につられ、
「ビヨンの教会」に足を踏み入れた少女「ハンス」
けれど、そこには同時に「入ったものは誰も戻ってこない」という噂もあって…?

「人間」と「ガイスト」という二つの種族の、悲劇の歴史を追いながら、
不思議なネコ型?のガイスト、ヘリオとともに、ハンスは奥に進んでいきます。


…と、いうわけで、主人公はハンスとヘリオ。

ハンスが画面に登場したとき「へー…主人公はハンス……えっハンス??」
と思わずグラフィックの胸のあたりをマジマジ見つめてしまいました。
こんな名前で一人称は「僕」ですが女の子です。
最初から、思いつめた感じで、ちょっとメンヘラ感のあるキャラでしたんで、
ヘリオと出会ってからのコミカルなやりとりにはホっとしました。

ハンスを助けに行くもう一つの操作キャラである
アーデルベルトとガーベラのコンビも魅力的。
彼らが主人公の話も見てみたい気がする~
ガーベラ可愛いよガーベラ。
血塗れの部屋の謎解きで、半端なことするとバッドエンドなんですが、
その時のガーベラがとっても切なかったです。

アイリスも、立ち絵のポーズが象徴的でいいですね~
彼女の想う「皇帝」は、彼女の中だけの思い込みで、
実際はどこにも存在しなかったんだろうけど…
彼女の部屋を探索すると、そう信じなければどうにもならなかったのだろう、
っていうのもわかるし、哀しいキャラでした…


謎解きは、易しめ。
もともとそんな難しくないんですが、さらに難易度を変えられたリ、
クリア方法が何パターンかあったりするので、
詰まりづらい雰囲気はありますね。
アーデルベルトの「3つの道具」は、基本どれでも大丈夫ですが、
できるだけ穏便なものをチョイスすると良いかもしれない…

…私、これをハンスと合流してから使うのかと思って、
彼女にかかわりそうなものを色々持っていったんですが…
結局ハンス自身には使えなかったよ!!
可愛くお着換えさせて、その時のヘリオの顔を見たかった~

で、私が唯一詰まったのは、最後のパス扉。

いや「不退転」には気づいてたんだけど…
『戻れなくするってだけなら、横一列歩くだけで十分じゃん!』
…などとという手抜き思考が全ての原因でした。
いいかみんな、脆い床は三列三段全部歩いて壊すんだ。




最後はちょっとネタバレな感想になるので隠しで…


ヘリオとハンスは、ともに「自分以外の誰かが求める自分」に囚われていて、
だからこそ、惹かれ合う部分があったのでしょうかね~。

けれど、ハンスが物語の途中で、
「ヘリオ自身のことが知りたい」と問いかけたとき、
ヘリオは鏡ではなくなったのかもしれません。

最後まで「理想の皇帝」を求め続けたアイリスとは、
対照的だったと思います。