まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

祝婚歌

2018年10月27日 | 日記

秋は結婚式シーズンです。
私は仕事で出席できませんでしたが
先日も妻と息子は親戚の結婚式に大阪まで行ってきました。
その報告を聞きながらついつい自分の結婚式を
懐かしく思い出したりは、しませんでした。〈笑〉

この間、図書館で借りた吉野弘詩集を
仕事の合間にパラパラとめくったりしています。
どれもいい詩ばかりですが
その中に「祝婚歌」という有名な詩が載っています。
実際に吉野さんが親戚のお嬢さんの結婚式に出席する折に
記念に贈られた詩だと聞いています。
これがなかなか味わい深い詩で
結婚式に出席する中高年のバイブルのようになっているそうです。

     二人が睦まじくいるためには

○○○○ 愚かでいるほうがいい

○○○○ 立派過ぎないほうがいい

○○○  立派過ぎることは

○○○○ 長持ちしないことだと

○○○○ 気づいているほうがいい

○○○  完璧をめざさないほうがいい


○○○  完璧なんて不自然なことだと

○○○  うそぶいているほうがいい

○○   二人のうち どちらかが

○○○  ふざけているほうがいい

○○○  ずっこけているほうがいい

○○   互いに非難することがあっても


     避難できる資格が自分にあったかどうか

○○○  あとで疑わしくなるほうがいい

○○   正しいことを言うときは

○○○  少しひかえめにするほうがいい

○○   正しいことを言うときは

○○○  相手を傷つけやすいものだと

○○○  気づいているほうがいい

○○   立派でありたいとか

○○○  正しくありたいとかいう

○○○  無理な緊張には色目を使わず

○○○  ゆったりゆたかに

○○○  光を浴びているほうがいい

○○   健康で風に吹かれながら

○○○  生きていることのなつかしさに

○○○  ふと胸が熱くなる

○○○  そんな日があってもいい

○○   そしてなぜ 胸が熱くなるのか

○○○  黙っていてもふたりには

○○○  かるのであってほしい


やっぱり詩人らしい奥深くやさしい言葉ですねえ。
結婚式のオヤジたちの決まり文句「互いに空気のような存在であれ!」
などという教条的な言葉とは一味違っています。
私はこの詩の「生きていることのなつかしさ」という分部が好きで
何かの作品に勝手に引用したことがあります。
吉野さん、ごめんなさい。
結婚のあり様も結婚式という形式も
この時代とはずいぶん違って来たような気がしますが
夫婦が一緒に暮らすことの「たしなみ」は
その原点少しも変わっていないような気がしますねえ。

 


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