まろの陽だまりブログ

顔が強面だから
せめて心だけでもやさしい
陽だまりのような人間でありたいと思います。

痛みを知る政治家

2018年01月27日 | 日記

野中広務さんが死んだ。
自民党の幹事長や官房長官までつとめた重鎮である。
二世議員ばかりがはびこる政界にあって
まさに叩き上げの政治家だった。

ご覧の通りの強面である。
その面構え通りの信念の人だった。
今ではもう「忘れら去られた政治家」の一人かも知れない。
でも、私はこの人が妙に好きだった。
京都府議から副知事という典型的な地方政治家だったが
被差別出身という出自を隠すことなく
あらゆる差別や抑圧と戦い続けた反骨・反権力の人だった。
自民党にはめずらしいタイプだけに敵も多かった。
そうそう、阪神タイガースの大ファンでもあった。〈笑〉



2003年に政界を引退されてからは
テレビの「時事放談」で時折お目にかかる程度だったが
老いてますます盛んで舌鋒も鋭かった。
米軍基地の辺野古移転をめざす安倍内閣の非情な姿勢について
沖縄を差別しないことに政治生命を賭けて来た者として
絶対に許すことが出来ないと口を極めて批判しておられた。
県民の痛みをわからない政治だ。
本当に悔しい、死んでも死にきれない!
とめずらしく感情的になっておられた姿がわすれられない。

盟友だった古賀誠元幹事長も
全国戦没遺族者会の代表をつとめる「戦中派」である。
ともに戦争に対する思いは同じだったようで・・・

 政治家の最大の役割は戦争をしないことだ。

が揺るぎない信念だった。
何度もヘリの不時着を繰り返す米軍に対して
文句ひとつ言えない日本政府の弱腰をどう思っておられたのだろうか。
沖縄、差別、ハンセン病訴訟、従軍慰安婦・・・
野中さんが積極的に関わって来られた問題は数多くある。
信念の人であると同時に
何より「人の痛みを知る」政治家だったと思う。

 


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