突然のファンレター失礼します。
先日、たまたまつけたテレビで貴女様を見かけ
懐かしさのあまりペンをとりました。
お友だちの女優さんとケラケラとにこやかに笑っておられ
その屈託のない笑顔が眩しいほどでした。
女性にお年を聞く非礼は百も承知ながら
もうおいくつになられたのか・・・
若い頃と少しも変わらぬ美しさと気品に魅せられました。
最近でこそスクリーンでお見かけすることも少なくなりましたが
充実した熟年生活を送っておられる様子何よりです。
そんな貴方様の眩しい笑顔を見るたびに
デビュー作『めぐりあい』のシーンを思い出してしまいます。
もう50年以上も前の映画です。
監督は名匠・恩地日出夫、相手役は黒沢年雄さんでしたね。
確か川崎かどこかの工場地帯が舞台で
工員と女店員の他愛もないストーリーの恋愛映画でしたが
私はこの映画で大人の恋愛を知りました。
土砂降りの雨の中、何度目かの口ゲンカをした二人が
ダンプカーの荷台で激しく抱き合ってキスをするシーンがありましたね。
当時、まだ中学生のハナタレ小僧だった私は
その強烈な抱擁シーンにど肝を抜かれたものでした。
これが恋愛か、これが大人の愛情表現なのかと放心状態でした。
多感な中学生はそれ以来、貴方様の大ファンになり
齢六十をはるかに超えた今も貴方様の面影を
追い求め続けているのです。
ぶしつけなファンレターどうかお許しくださいませ。
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