Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

またね!

2010-09-05 12:39:44 | フィンランド

今日は日本へ帰る日。楽しかったフィンランドの9日間、35度の東京から14度のヘルシンキに降りて寒さにふるえたが、いる間にも季節は進み、今日は8度。そして35度以上がまだまだ続いている東京に帰る。

お土産はいつもチョコレートだが、寒い国のチョコレートは暑さに弱いので今回は無理そう。昨日会った33年前の留学時代からの友人にお土産の相談をしたら、「ないね」 とあっさり。やっぱりぃ…、どうしよう。

思い悩みながら、最後のお買い物。日本ではまだあまり知られていないが大人の色合いが気に入っているPentikku(ペンティック)でグラス、先日会ったデザイナーの友人にいただいたテーブルクロスに合わせた色で。お弁当用にパンとチーズとフィンランド味のインスタントスープ。いつもフィンランドを感じていたいから来年のカレンダーや日常雑貨などを仕入れて、やっぱり荷物はパンパン。



さようならフィンランド、またね!


ヘルシンキ最後の夜

2010-09-04 05:18:45 | フィンランド

フィンランド滞在中は友人や家族のところに泊まっているが、最後の1泊はホテルに泊まることが多い。ヘルシンキ市内の繁華街や駅まで数分で歩けるところを、毎回違うホテルに泊まる。

今回は駅前のセウラフオネ、魅力的な歴史を感じる古めかしい建物に惹かれていたが、それなりにいいお値段。でもちょうど金曜日夜、フィンランドではよくある<週末割引>が設定されていた。通されてお部屋はクラブルームのフロア。天井が高くクラシックで重厚な内装は貴族の館を思わせる。インテリアもすてきで、昨年泊まった流行りのデザインホテルより落ち着く。サービスは東京の最高級ホテル並みで、フィンランドにしては珍しいくらい。シャワー生活だったので、バスタブに目一杯お湯をはってつかりながら、楽しかったフィンランドの毎日を想いおこす。


夕食は近くのレストランでフィンランド料理。


私は<グリルドサーモン>、新しいメニューらしくパスタが付け合わせ、味は森のきのこソース。
ワインで乾杯、最後の夜はとても贅沢なときを過ごす。


いつの間にかカンテレコンサート!

2010-09-04 04:20:38 | フィンランド

ヘルシンキでは必ず3つの楽器店を覗く。

大聖堂のすぐ近くのお店は、民族バイオリニストと一緒に行き、小物楽器にはまったところ。カンテレはおいていないが、なぜかカンテレケースはあるという不思議なお店。口唇を使う小さな笛を買う。それほど忙しくないのか(他のお客さんはいない)音の出し方を店員さんが代わる代わる披露してくれて、まるでコンサートのようだった。


ヘルシンキ大学を通り抜けカイサニエミにまたひとつ、フィンランドでいちばん大きな楽器店。入るとヤマハのグランドピアノがで~んと何台も並んでいる。背が低くて軽いいわゆる輸出用の安いアプライトピアノが30万円くらい。う~ん? キーボードやギターをみながら2階に上がるとカンテレがある。



5弦をパラパラ爪弾いていたらチェロをかかえた紳士が「それはカンテレと言って…」と英語で丁寧な説明を始めたので、フィンランドで「ミナ オレン…」と返した。そして得意の<さくらアレンジ>を弾いてあげたら、周りに人が集まってきた。顔なじみの店員さんもでてきて、「もっと弾いて」。平日の昼間、ここもお暇だったみたいで、日本の曲でカンテレミニコンサートとなった。弾いただけでは申し訳ないので、カンテレケースを買う。


シベリウスアカデミーの楽器店は小さいけれど、プロご用達。
でも残念ながら捜しているものは見つからなかった。


そしてもうひとつ、アカデミア書店の音楽コーナーへ。
楽譜より書籍が揃っているので、フィンランドの音楽療法の専門書を買う。全部読み終わるのはいつになるのか…。

今日はキーワード<音楽>で充実した有意義な一日を過ごす。


今度は美術、アート三昧

2010-09-03 08:43:27 | フィンランド

キアズマ・現代美術館は第1水曜日が無料開放、ちょうど近くにいたので立ち寄る。若い学生や芸術系の人たちで美術館はいっぱい、彼らをみているだけでもうアート。展示も美術という表現よりアートがぴったりの、まさにハイテク時代の最先端芸術が多かった。

デザイン博物館ではフィンランドの有名なデザイナーの50年の仕事展が開催されていた。第一人者の仕事はフィンランドガラスワークの歴史とも言える。こちらはみていてあきない。30年前に買って今でも日常使いしているわが家のお皿やコップも並んでいる。クリスマスのキャンドルスタンドや花瓶から大きな作品まで、時間を忘れて楽しんだ。

そしてぶらぶら歩いて、通り沿いのお店に入る。特にデザイン博物館のあるこの南地域はお店もデザインやアート関係が多いところで、ショウーウインドを見ているだけでも楽しい。家具、照明などの大物から雑貨まで、またアンティークや古着屋さんまでたっぷり遊べる。

そして必ず行くところは駅前のアテネウム美術館。いくつか好きな絵があり、やっぱりそれだけはみたい。ガッレン=カレラやシンベリの画家、テーマにカレワラを描いたもの、カンテレ演奏の絵・・・、好きな絵を中心にみていく。今年も逢えて嬉しい。いつもはカフェのベリーケーキでお茶タイムだが、今回はその時間はなくて、あぁ残念。


森の向こうに燃えるような夕陽、午後9時を回ったころ。


女性の権利と幸せの色

2010-09-02 14:33:40 | フィンランド

フィンランド人の友人から「仕事場へ来ない?」と電話をもらう。彼女は建築まで手がけるデザイナー、常に新しいことや最先端を求めて勉強をかかさない。そして確実にキャリアアップしている逞しくたおやかなフィンランド人女性。昨年会ったときは「大きなイベントを任されている」と言っていたから、最近はどんな仕事をしているのかとても興味があった。

訪ねたハカニエミの仕事場は社会民主党の本部。フィンランドの元首は女性のハロネン大統領、10年前に選ばれたときは女性の大統領は世界中でニュースになった。6年任期で現在2期目だが、今年就任した首相も40代の美女、政界の半数は女性が占めている。フィンランドは世界で初めて女性参政権を獲得した国だが、その背景には外では男性と同じように労働し家庭でも働く不公平から解放されようと立ち上がったことに始まる。

ところで彼女の仕事。毎年仕事のテーマカラーが彼女のいでたち。頭の色から靴までその色に染まるが、昨年はパープル、その前は赤だったり黒だったり白だったり…。今年は? と待っていたら、濃いピンクいわゆるショッキングピンクで現れた。私の大好きな色に髪も染まっている。彼女のオフィスもピンクだらけ、「何してるの?」「女性の権利獲得110年の記念イベントプロジェクトマネージャ」。カタログや本の出版、展示パネルやCD製作、アクセサリーやスカーフのデザインなど多くの仕事を手がけ、「すごい仕事量だけど面白い、楽しい」と生き生きしている。イベントのテーマカラーがショッキングピンク、なるほどと納得。



女性の幸せについての話は、権利の国フィンランドならではだが、権利主張ばかりとも思えるこの国の女性たち。その主張が通らない現実は愚痴と文句の繰り返しで、うんざりすることが多い。幸せさがしは遠くにあって憧れる? きっと日本なら優しい淡いピンク、でもフィンランドははっきりした濃いピンクと思いながら、来年の再会を約束してオフィスをあとにした。


音楽の日

2010-09-01 21:01:39 | フィンランド

お昼から老人ホームで音楽療法コンサート。ここでは毎年日本の曲でコンサートをしているが、昨秋はカンテレで、そして今年は歌で。



どれも私の仕事場で人気の歌、「赤とんぼ」に始まり最後の「さくらさくら」まで、日本の美しいメロディに耳をすませてくださった。ホールに来られない人のためにすべてのドアを開放し、居室やベッド上で聴けるよう配慮する。スタッフと一緒に各部屋を訪ね、ひとりひとりと握手。「今年も会えて嬉しい」と2年前に「うちは誰も住んでないから東京から引っ越しておいで」と言っていたAさん。「一度聴きたいと思っていた。さくらさくら歌ってね」と入所まもないBさんからはリクエストもいただいた。



ゆったりした時間を醸し出す日本のメロディのひとときだった。


その足でカンテレビルダーのユッシ・ラーサネンを訪ねる。ラーサネン家は代々カンテレビルダー、3代目のユッシとは留学時代に高校の語学研修で机を並べてから33年のお付き合いになる。


ちょうど100年以上前のカンテレを修理中で、その珍しいカンテレを弾かせてもらう。弾きこまれたカンテレは素晴らしく深くいい音色がする。もう1台同時代のものを分解中だったので、メンテナンス講義も受けた。


工房ではニューモデルのカンテレを製作中。この地域は高音が手前のハーパベシスタイル、久しぶりにこの向きでカンテレを演奏したら、「指はこの方がいい」と直されてしまった。


そして民族楽器のひとつヨウヒッコの演奏の手ほどきを受けたが、なかなかいい音がでない。ユッシの模範演奏に聴き惚れる。新しいカンテレを注文し、お土産にカンテレの端材をもらい、この流れに沿ってカンテレが広まったと知られているペルホヨキ(ペルホ川)をわたって帰る。





のんびりした田舎での3日間、古きよきフィンランドを満喫。
来年の再会を約束して、空路ヘルシンキに戻る。