Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

神経難病と音楽療法

2006-07-16 14:00:43 | 音楽療法
先日 <神経難病における音楽療法を考える会> に出席した。この会は毎年開催され今回で3回目、趣旨は「筋萎縮性側索硬化症やパーキンソン病などの神経難病をもつ患者さんに対して音楽がどのような効果をもち、音楽療法として用いることができるかどうかを考える会」である。

「神経難病」は薬の治療では限界があるといわれている病気が多い。音楽療法の分野でも世界的に「神経音楽療法」が盛んに研究されその成果があらわれていることから、この数年音楽(療法)が積極的に治療に取り入れられるようになってきた。

介護老人保健施設リハビリテーション科にいる私も、何人かパーキンソン病(症候群)の対象者がいる。発声と呼吸法を中心に<小声症状の改善>、リズムを取り入れた<安定歩行の獲得>や<歩行距離の伸長>など、PT(理学療法士)やST(言語聴覚士)のアドバイスを得ながら訓練を行なっている。この週末は《にわかST》になるために、どっさり『言語訓練』の本を借りてきた。訓練を効果的に行なうために、個人にあわせた曲作りや突然思いついて夜中に吹き矢を作ってみたり・・・、私もまだまだ模索状態である。

昨日神経内科のドクターから「Nさんの発言が聞き取りやすくなりましたよ」と言われ、ちょっと嬉しかった。Nさん自身も「最近は人としゃべるのが億劫ではなくなった」と笑顔がみえる。帰りがけには介護スタッフから「先生の訓練は週1~2回だから、その間を毎日フロアリハビリでやりたい」と積極的な提案があり、バスを見送ってフロア用課題を作る。

今のいちばんの悩みは、
効果の持続と日常生活への汎化 である。リハビリ訓練ではいい結果がでてもそれが毎日応用されているかどうかは必ずしも一致していない。病院と違い生活の場でもある施設での訓練の方向性を探っているところだったので、明日から始まるフロアリハビリとの連携を大事にしていきたい。


音楽療法と季節感-あさがお

2006-07-15 19:11:34 | 音楽療法
今年の梅雨は本当にカラ梅雨らしい。連日35度の暑い日、外は熱風

音楽療法室のある中庭のあさがおが咲き始めた。



ツルがのびない小ぶりの新種でかわいらしい。
中庭に蚊取り線香を置き(必要に迫られて・・・一番若い私は蚊に好かれっぱなしでかなりつらい毎日)、利用者さんにいただいた風鈴をつるした。「江戸情緒だね」と言われ、縁台がほしくなった。そこで皆でカキ氷はいかが?

私の好きなフィンランド-フィンランディアホール

2006-07-14 12:40:27 | フィンランド
ヘルシンキの観光名所にもなっているコンサートホール
<フィンランディアホール>



指揮者が誰だったのかすっかり忘れてしまったが、シベリウスの「フィンランディア」をこのフィンランディアホールで聴いた感動は今でも忘れない。


数年前に外壁タイル張替えの大工事があり、そのときちょうどヘルシンキにいた。「運がよければフィンランディアホールのはがした壁の大理石がひろえるらしい」と聞いて行ってみると、そこらじゅうにいっぱい落ちている。工事のおじさんが「もっていけ」と目と手でさかんに合図しているので、ここでフィンランド語をしゃべったら彼のプライドを傷つけるかも・・・とおかしな配慮しながら満面の笑顔で返し、遠慮なくいただいてしまった。



それをフィンランド人ピアニストに自慢したら
「エーッ、ひろえるの?」
と飛び出していったが、どうも同じおじさんなのに
「ダメ!」
と言われ、彼女は夜中にこっそりでなおし、やっと手に入れたというエピソードつき。

夏の朝早く、また雪の昼間にヘルシンキ駅から裏道を通って歩くのが大好き。私のヘルシンキお散歩コースに入っている。でもおすすめは、夕暮どきに電車でヘルシンキに帰ってくるときの浮かび上がるような美しい姿。帰りはヘルシンキに向かって右列の窓側をしっかり確保!


不快指数200?

2006-07-13 20:17:10 | 季節
暑い、蒸し暑いの一日だった  

朝からドンドン気温が上がり周りはムンムンしていた。
そこへ突然の雨。
「何、この空気? この匂い?」・・・アスファルトが熱くなったところへの雨だから最悪! 
熱が水蒸気となり言葉にできないほどの熱い空気が漂う。

電車は階段に遠くても涼しい車輌へ、歩くのはお店の通り抜けで暑さ対策?
夏の暑さはこれからが本番という今日、私たちの不快指数は200に違いない


認知症・・・

2006-07-12 14:26:53 | 音楽療法
今朝はいつもより時間があったので、ゆっくりコーヒーを飲みながら新聞を読む。こんな日はじっくり<生活欄>を読むことが多い。

新聞はものごころついたときからの『朝日新聞』、今日の生活欄には認知症が載っていた。忙しかったら目もとおさずにいたかもしれないから、ラッキー。そこでは認知症と診断されたご本人の発言(書籍、ブログ)が紹介されていた。
そのブログ <認知症一期一会> (ここをクリックすると読めます)を早速お訪ねする。

高齢者施設の音楽療法士として認知症の方と接している私は、納得したり驚いたりしながら読みふけってしまった。私もファミリーの話はよく伺うがご本人の気持ちはまずわからないことが多いから、貴重な体験だ。結局そこからリンクできるブログにもすべていってみた。その後ネットで「認知症」を検索してみたら、若年性アルツハイマー介護日記や嫁が姑を介護する日記や・・・とても一日で読める量ではない。

少しずつ解明されているとはいえ、まだまだ未知の世界である認知症。昨日もリハビリテーション科で「認知症の方といちばん関わっているのはMT(音楽療法士)」とPT(理学療法士)やST(言語聴覚士)に言われた。音楽療法だって認知症に対するプログラムが確立されているわけでもないし、また個人にあわせるとその人数分の手法があるような手探り状態。でも認知症の音楽療法は、集中力と盛り上がりが200%でお互いャクチャ面白いことはたしか。さあ、明日も頑張ろう!

音楽療法と季節感-すもも

2006-07-10 21:24:47 | 音楽療法
デイケアの介護スタッフIさんから <すもも> をいただく。

Iさんは50代半ばの男性で、高校教師をしていたが退職してデイケアスタッフとなりもう4年。(火)~(金)はデイケアで働き、(土)~(月)は農業人として神奈川県の水源である山梨県道志村で畑を耕している。春から秋は毎週(火)に丹精こめて作られた野菜をどっさりいただく。青虫のおまけつきなんてこともしばしば。カワイそうな青虫ちゃんは、冷蔵庫の野菜室で寒さに耐えているのかしら・・・。

先週は<すもも>



実はその前にいただいた<あんず> が口が曲がるほどすっぱかったので (ジャムにしたら美味しかった)、覚悟して食べたらこれが甘くて美味しい。今年は実のつきがいいそうで、収穫がのぞめるとのこと。「美味しい、美味しい」と連発してまたいただくつもり。

ところでこのIさん、なかなかいい味をお持ちの方。認知症やスタッフの手が必要な方への対応がさりげなくて、見ていて心温まる。そして若いスタッフがその姿を見て学んでいる。今日も午後の「歌の会」で20歳のY君がIさんの真似をしていた。終わって「今日なかなかよかったじゃない」と声かけしたら、「先生、Iさんにはいつも利用者さんの笑顔がある。いいなあ」。イエイエ大丈夫、一生懸命なY君と一緒に歌っていたEさんは、いつもよりずっといい笑顔で大きな声で歌っていたから。

今日は5弦カンテレの日

2006-07-09 19:24:08 | カンテレ
日本フィンランド協会・カンテレ倶楽部の練習日。春以降それまでの会場が急に使用できなくなったので、2か月ぶりの集合となった。



今日の課題はまず<故郷>
5弦は移動ド・ドレミファソ(長調)の調弦なので、<故郷>はあまりいじらなくても弾ける。ドドドレーミレ・・・と歌ってみると、それからはみでる音はわずか。足りない部分はハーモニーや歌でカバーし、また前奏、間奏などアレンジを加えて仕上げ。「いい感じ。これをフィンランドで弾きましょう」といつものように盛り上がる(そんな曲がたくさんたまっているが、その日はいつのことやら)。

それからフィンランドの曲を数曲。民謡はコード奏法+ピッキングのミックススタイルで弾く。色々な奏法がごちゃごちゃになって気がつくと左手は添え物のとあるメンバー、「これぞホントのミックススタイル」と胸をはっている、ハァ~。

愛称《カンテレ軍団》 のこのクラス、10年選手も多くフィンランドとカンテレをこよなく愛する人ばかりのグループ。ほとんどが10弦にも出席しているし、そのほかに15弦、26弦、36弦を弾く人も多い。今日から「いつか絶対やりたい」と言っていた直子さんも加わり、ますます楽しいグループに。ノリノリの5弦クラス、明日にでもフィンランドに行きそうな勢いである。

ピザをパクパク

2006-07-08 22:30:34 | グルメ
今週は土曜日までしっかり仕事、さすがに週6日+夜3日はハードだった。

今日はケアマネージャーMさん、Rさんと仕事帰りに自由が丘でイタリアン。
パスタとピザ。

<ひき肉と長ネギのピザ>
意外な組み合わせ、これが美味しい。ピザ生地+ちょっと濃い目の甘辛に味付けした牛ひき肉+長ネギのブツ切り+とろけるチーズ、薄いクリスピー生地とよくあう。

女3人、夏バテしそうもない食欲
今週もお疲れさまでした!

介護予防と音楽療法

2006-07-07 21:43:12 | 音楽療法
今日の仕事先・介護老人保健施設での会話、「介護予防」から始まったリハビリテーション科の会議でのこと。介護予防とはその字のごとく、要するに介護保険のお世話にならなくてもいいように予防すること。

日本の介護保険はヨーロッパをお手本に導入したはいいもの、社会制度が整わないうちに始まったので、結果的にお金だけドンドンでていくようになってしまった。国はその財源も少なくなり、また多分予想以上のことだったので「見直し」を行なう。その見直しが<改正>ではなく<改悪>であることはご承知のとおり。施設は利用者が多くなればなるほど赤字になり、その上サービスやリハビリまで制限されてしまうなんて考えられない。でも現実はそう!

さて本題の「介護予防」。現在は運動機能向上(たとえば転倒防止、筋力アップトレーニング、マシントレーニングなど)、栄養指導、口腔ケアなどが多く、実際需要が多い。それぞれの専門職が個々の分野で何ができるのか? 私も「音楽療法は何ができるのか」と春からずっと考えている。音楽での予防はある程度できるが、療法=セラピーとなるとね・・・と今日もPT(理学療法士)に言われた。ただ厚生労働省の介護予防の定義づけも曖昧ではっきりしていないので、携わっている人や利用している本人が予防と思ってやっていれば予防だという言い方もある。

しばらくはこの課題に取り組もうと思う。施設での音楽療法は対策型で精神面への働きかけやリハビリとしての訓練が多いが、予防分野も面白そう。音楽による余暇活動やサークル活動も十分その範囲に入ると思うし、毎日行なっている音楽体操や歌の時間、ピアノレッスンも同様。万人向けにはではなく、まず個人のメニューをいくつか作りパターン化してみようと早速始めている。目指せ!<音楽療法で介護予防>

「カラオケ歌っているとぼけないよ」と今日もデイケアの利用者さんに言われた。「そう、その通り! ピアノ生伴奏で、元気な声でどうぞ」と楽しい楽しい午後の歌の会だった。


ゲド戦記

2006-07-06 19:09:34 | お勧めの・・・
ナルニア国物語についでまたファンタジーが映画化される。



『ゲド戦記』。『ナルニア国物語』と同じくらい夢中になって読んだシリーズである。物語は、無数の島々と海からなるアースシー(EARTHSEA)の世界で、並はずれた魔法の力をもつ男・ゲドが繰り広げる波瀾万丈の生涯を軸に、アースシー世界の光と闇を描く壮大な物語。

<ゲド>とは何者か?
「アースシー」の東北海域,多数の魔法使いを生んだ地として古来名高いゴント島のゴント山中腹,北谷の奥の十本ハンノキ村生まれ.幼名は母がつけてくれたダニー.1歳になる前に母と死別.鍛冶屋の父に育てられる.まじない師の伯母から簡単な呪文を教わり,ヤギや鳥たちを操るようになる.獰猛な鳥たちと一緒にいることから,ハイタカとあだ名される.13歳になるひと月前,魔法を使ってカルガド帝国の侵略軍を撃退したのち,ル・アルビの大魔法使い沈黙のオジオンに出会う.13歳の誕生日に,オジオンから自分の真(まこと)の名前を知らされる.その名が「ゲド」であった.(岩波書店のホームページから)

『ゲド戦記』はファンタジーというより冒険小説として読んでいた。



魔法といっても『ナルニア』よりずーっと男っぽく、その世界が「壮大」の一言につきるワクワク&ハラハラ&ドキドキ物語である。映画製作はスタジオジブリ。どんな仕上がりなのか気になるが、<読んだものは映像では見ない主義>の私、周りの感想を楽しみにしている。

カンテレの向き

2006-07-05 21:35:37 | カンテレ
フィンランドのカンテレ奏者:Tytti-Leena Laasanen の34弦カンテレテキストをいただく。34弦カンテレはあまり聞かないが、中央オストロボスニア地方(民族音楽祭のカウスティネンや私の家族のいるヴェテリ・・・、鉄道駅のあるコッコラから内陸へ入った地域)を中心に広まった伝統民俗カンテレのひとつである。その名も 『伝統音楽の大型カンテレのためのテキスト』

伝統的な民族音楽 <ペリマンニ音楽> は17世紀末に現れた農民音楽。ヴァイオリン、アコーディオン、ハルモニウム(足踏みオルガン)、コントラバスのグループで主に結婚式のダンス音楽が仕事、彼らはプロの音楽家ではなく音楽以外の仕事を持っている。ペリマンニは音楽に秀でた家系で、代々その音楽や形式を受け継いでいる。Leenaはカンテレ家系・Laasanen家の娘。弟は祖父、父を継いでヴァイオリンとカンテレを製作しているJussi (4月12日で紹介)。

この地方ではカンテレは高音を手前(つまり弦の短いほうが身体に近い)にして演奏する。 



これはいわゆる<ハーパヴェシスタイル>という演奏法で<ペルホンヨキスタイル>とも言われる。ペルホ川はフィンランド中西部を流れる川で、この流域の伝統的な奏法。現在の大型カンテレは<モダンスタイル>といって高音が向こうの逆向きで指が弦と平行に近い感じで弾くことが多いが、この奏法は指が弦に垂直になる感じで弾く。

ペルホ川


この伝統的な弾き方はフィンランド音楽にはピッタリ。最初にカンテレを習ったとき(先生はフィンランドのお父さんの伯父さんで有名なカンテレ奏者)は高音手前だった。今でも5弦、10弦、15弦は高音手前で弾くしテキストもそうなっている。どこから逆向き(=高音が向こう)なのか? 26弦、36弦は当然のように高音向こうで弾いているが・・・。

多分色々な曲が弾きやすいのは<高音向こうのモダンスタイル>。でも私は原点のフィンランド音楽は<高音手前のハーパヴェシスタイル>と遊び心で使い分けて弾いている。

ところでこのペルホ川、澄んだ冷たい水が森の中を静かに流れる魚釣りファンには最高の川として有名。



お父さんは私のために色々な魚を釣ってきてはお料理してくれる。中でも <ペルホ川の鱒のグリル> は最高。あっさり塩、こしょうで味付け輪切りレモンとバターをボトボトのせてオーブンでじっくり焼く。迎えに来てくれる車の中では毎回「今日の夕食は?」 「ペルホ川の鱒のグリル」 「あたり~!」

おいしいフランクフルト

2006-07-04 14:17:42 | グルメ
フランクフルトとは? ドイツの地名、ソーセージの種類・・・、そう正解。でも今日わたしがご紹介したいのはお店。

<フランクフルト>は美味しいお店! 
初めて食べたのは大学生になる息子が幼稚園の頃だからもう16年前。幼稚園ママのHさんが「とにかく美味しいのよ」とくださった。あまりの美味しさにあっという間にその評判が伝わり、届いた翌日のお弁当はどの子も好きな
ウインナーソーセージ なんてことも。




それほど皆でいつもHさんの注文に便乗していた。仲良し5家族で夏の旅行にでかけた時にはその先まで届けてもらったほどのファン。卒園後もH家の子どもたちがトシの順にピアノレッスンに来ているので(今は5番目の高校生になったあいちゃん)、中断することなく食べている。

最近は私も自宅用のほかに贈答品にすることが多く、直接インターネットでお願いしている。
冷蔵庫にきらしたことがないほど
ハム



好きな我が家としては本当は内緒にしておきたいお店だが、やっぱりご紹介。
自家製ソーセージ、ハム・・・のお店:フランクフルト
 http://www.frankfurt.jp/


どれもお勧め。
コンビーフ




レバーペースト




は、「エッー、ひどい! 一口しか食べてない」「アッ、そう? かわいそうだったネ」とちょっと席をたった間になくなるし、どれも似た状況。お好きなものを是非どうぞ、でもお気をつけて、美味しすぎて・・・。
ネットでよかった。近くに住んでいたら大変だった!

シベリウスのピアノ曲 BY 渡邉規久雄

2006-07-03 21:27:44 | フィンランド
渡邉規久雄さんのオールシベリウスのCD。



2003年6月の東京文化会館小ホールでのライブ録音。指揮者・渡邉暁雄さんの息子でお祖母様はフィンランド人声楽家の規久雄さんのコンサートは素晴らしく、聴衆の多くが本物のシベリウスを見つけたコンサートだった。このCDは友人たちによくプレゼントしている。

曲目はキュリッキ-3つの叙情的小品、5つのスケッチ、フィンランディア(作曲者自信の編曲によるピアノ版)、6つの即興曲より第5番、5つのロマンティックな小品より第1番、ピアノ・ソナタヘ長調、10の小品より第2番、第3番、第5番、第9番、第10番。

このブログを書くためにネットで見つけたそのコンサートとCDの感想
<ただただ感激のコンサートであったが、こうしてCDになって聴き直してみると、改めてその完成度の高さに驚かされる。決して激情に走ることのない、落ち着いた冷静な演奏でありながら、シベリウスが目の前で弾いているような存在感に圧倒される。すべての音がバランスよく慣らされ「無駄な音符がない」シベリウスの音楽を満喫できる>

とにかくお勧めの一枚である。Octavia SPEX OVCX-00009