Kantele-Suomiho-Fuga

フィンランドと音楽(カンテレ、音楽療法)をキーワードに!

カンテレの向き

2006-07-05 21:35:37 | カンテレ
フィンランドのカンテレ奏者:Tytti-Leena Laasanen の34弦カンテレテキストをいただく。34弦カンテレはあまり聞かないが、中央オストロボスニア地方(民族音楽祭のカウスティネンや私の家族のいるヴェテリ・・・、鉄道駅のあるコッコラから内陸へ入った地域)を中心に広まった伝統民俗カンテレのひとつである。その名も 『伝統音楽の大型カンテレのためのテキスト』

伝統的な民族音楽 <ペリマンニ音楽> は17世紀末に現れた農民音楽。ヴァイオリン、アコーディオン、ハルモニウム(足踏みオルガン)、コントラバスのグループで主に結婚式のダンス音楽が仕事、彼らはプロの音楽家ではなく音楽以外の仕事を持っている。ペリマンニは音楽に秀でた家系で、代々その音楽や形式を受け継いでいる。Leenaはカンテレ家系・Laasanen家の娘。弟は祖父、父を継いでヴァイオリンとカンテレを製作しているJussi (4月12日で紹介)。

この地方ではカンテレは高音を手前(つまり弦の短いほうが身体に近い)にして演奏する。 



これはいわゆる<ハーパヴェシスタイル>という演奏法で<ペルホンヨキスタイル>とも言われる。ペルホ川はフィンランド中西部を流れる川で、この流域の伝統的な奏法。現在の大型カンテレは<モダンスタイル>といって高音が向こうの逆向きで指が弦と平行に近い感じで弾くことが多いが、この奏法は指が弦に垂直になる感じで弾く。

ペルホ川


この伝統的な弾き方はフィンランド音楽にはピッタリ。最初にカンテレを習ったとき(先生はフィンランドのお父さんの伯父さんで有名なカンテレ奏者)は高音手前だった。今でも5弦、10弦、15弦は高音手前で弾くしテキストもそうなっている。どこから逆向き(=高音が向こう)なのか? 26弦、36弦は当然のように高音向こうで弾いているが・・・。

多分色々な曲が弾きやすいのは<高音向こうのモダンスタイル>。でも私は原点のフィンランド音楽は<高音手前のハーパヴェシスタイル>と遊び心で使い分けて弾いている。

ところでこのペルホ川、澄んだ冷たい水が森の中を静かに流れる魚釣りファンには最高の川として有名。



お父さんは私のために色々な魚を釣ってきてはお料理してくれる。中でも <ペルホ川の鱒のグリル> は最高。あっさり塩、こしょうで味付け輪切りレモンとバターをボトボトのせてオーブンでじっくり焼く。迎えに来てくれる車の中では毎回「今日の夕食は?」 「ペルホ川の鱒のグリル」 「あたり~!」


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