GOVAP便り

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2020年 輸出米が底を着く

2009-07-01 00:40:39 | 農業・食品
べトナムのコメ輸出量はタイに次ぐ世界第2位。今年度前半6ヶ月だけでも476万トンの輸出契約を締結し、昨年比数量ベースで87%、金額で51%の増加だそうです。この数字だけ見れば、日本の鉄鋼生産や自動車輸出の落ち込みと比べ「不況に強い農業生産分野」とでも呼べるものですが、悲しいのは単価の低さ。トン当たり400ドル以下が大部分のようで、アメリカや南米から輸入される飼料原料の大豆粕やトウモロコシ以下の値段。

それでも貴重な外貨獲得源であり、ベトナム農民というよりは輸出割り当て枠を得た特定の業者に大きな利益をもたらしています。

しかし、先日の農業省栽培局の発表では、ベトナムの人口増加によって2020年には国内消費を満たすだけの生産量しか見込めず、輸出用のコメが底を着くとの見通しです。未来予測には様々な要素が絡むため人口増加要因だけを取り出してみても・・・と思いましたが、当局の言わんとするところは、したがって「ベトナム農業の機械化・工業化」によって生産効率を上げなければならない、ということのようです。

2020年にはメコンデルタで300万人、全国で1300万人今より人口が増えるとの予測です。現在が8600万人ですから15%増の9900万人に達することになります。するとコメの国内消費量も15%増えるかどうかが問題になりますが、経済成長と共に米離れが進んだ日本の生活を思えば、ベトナムでもまた所得水準の上昇と共に炭水化物より動物性タンパク質の摂取量が増えて行くように思えます。

11年後に15%の人口増加を見るとしてもそれと平行して人口の農村から都市への集中が進みそうです。ケンタッキーやロッテリア、ピザハットの店舗も増えてるようですから、小麦や飼料原料の輸入量は今よりも確実に15%以上の増加となるでしょうし、するとコメ自体の国内消費は差ほど増加するとは思えません。

もっともフォーやフーティウ、ブンなどの麺類もコメを原料とするので日本ほど急激なコメ離れにはならないとは思います。