GOVAP便り

プノンペンからモンドルキリに、その前はTAY NINH省--AN GING省--HCM市GO VAP

遺伝子組替え作物

2008-08-08 20:20:13 | 農業・食品
先月末、Bloombergのニュースレターにベトナム政府が遺伝子組み換え(GMO)作物の生産に踏み切るとの記事がありました。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=email_en&refer=&sid=az.ZBPxNm8PQ
NNA.ASIAが「3日付タインニエン電子版がブルームバーグを引用して報じた」とありますからベトナム紙でも報道されたようです。
http://news.nna.jp/free/news/20080805icn001A.html

しかし、ベトナム農業省がベトナムのメディアに直接伝えたものではなく、情報ソースは米ベトナム大使館のようで、そのへんがちょっと普通ではありません。

インフレの昂進への対策としても大幅な入超額を減らすために農産物輸入対策が必要ということなのでしょうが、それがGMO作物の生産となるようです。

ベトナムは年間大豆240万トン、トウモロコシ75万トンを輸入しているそうで、日本の大豆輸入量400~500万トンの半分ほどですが、更に輸入が増大する傾向にあることは確かです。政府の「畜産計画」に見合うだけの飼料が必要とされるわけですし、メコンデルタ各地に次々と建設される飼料工場が飼料原料の需要を作り出しています。

驚くべきは、「報告書によれば、ベトナムは20年までに遺伝子組み換え作物による生産を農業生産の約70%に拡大する計画」とのくだり。-Vietnam aims for genetically modified crops to account for about 70 percent of production by 2020-

確かGMO作物というのは、作物から種を取ると収穫が落ちるので毎年種を買い続けねばならないのではなかったでしょうか。日本の大豆は主にアメリカからの輸入ですが、アメリカ大豆は値段が高いので、ベトナムはブラジルやアルゼンチンあるいはインド等からの輸入が多いようです。大豆を輸出するよりも種の輸出の方が利益率は高そうです。

ベトナムの農業は何処に行くのでしょうか?きょうのトゥイチェ紙一面トップは「Dung首相指導:米をすべて買い上げ、農民に40%以上の利益を保証せよ」との見出しでしたが。