この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

スタート順と得点との相関について考察

2015-04-01 21:01:30 | スキー技術選
いつもサル話ばかりしているので、今回は少しだけ真面目な話をしようと思います。技術選などでスタートリストを見たときに、次のような会話が選手間で交わされることがあります。
 
「あーぁ、スタート順が前の方だよ。不利だなぁ…」
 
「〇〇さん(←ライバル)よりも後に滑るぜ、ラッキー」
 
採点競技たるスキー技術選です。スタート順が早いほど不利、遅いほど有利という感覚が漠然と選手の経験としてあるものと思われます。おそらくジャッジ目線で考えると、スタート順の早い選手に高い点を付けてしまうとその後に上手い選手が多いと得点分布が高くなりすぎてしまい不都合があるため最初は控えめに点数を付ける傾向にある、というのが選手達の感覚にあるのだと思います。
 
この感覚は果たして本物なのでしょうか? この疑問に応えるべく、今回は統計学の手法を使って真面目に分析してみたいと思います。
 
例として先日行われた都オープンマスターズ技術選の第7組(50名)をデータとして取り上げたいと思います。まず、スタート順と総合得点の分布図は下記のとおりとなっておりました。
 

男子第7組スタート順(横軸)と総合得点(縦軸)との相関グラフ
 
ぱっと見では相関がないように思えますが、心眼(笑)でみるとスタート順が遅いグループの方が得点分布が高いようにも見えます。またスタート順の後半の方が点数のばらつきが少なくなっている感じがします。
 
「感じがする」では科学的根拠がないので、相関係数というものを計算してみます。相関係数は1に近いほど正の相関が高い(つまりスタート順が遅いほど得点が高い)ということであり、0に近いほど相関がない(スタート順と得点には相関がない)ということになります。
 
計算してみると相関係数は0.15でした。相関がありそうでなさそうなびみょーな値です。
 
しかしこれだけでもまだ統計的には断定できないので、専門的になりますが「t検定」という手法を使って相関があるかどうかの有意性を判定してみました。
 
95%以上の確率で有意である(=相関がある)と断定するためにはt検定値が2.0以上である必要がありますが、今回のデータで計算するとt検定値は1.1となりました。すなわち、
 
「スタート順と得点とに相関があるとは(確率95%で)言えない」
 
という結論になりました。ジャッジの皆様、疑い(?)が晴れてよかったですね(ボクッ←ジャッジの皆様に殴られる音
 
今回はマスターズ選のデータを用いて調べてみましたが、もし他の大会で同様の疑問を持った場合は、ぜひt検定をおこなってみては如何でしょうか(←やらねーよ普通w)

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2 コメント

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Unknown (ニセ外人)
2015-04-01 22:55:39
すごーい(●^o^●)

出走順で得点の点き方が違うのか?とっても興味深いです。
それを解析されたなんて素晴らしいです(*^。^*)
こういった記事を見るだけでもスキーの楽しさが広がりました
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ニセ外人さま (らぱん)
2015-04-02 00:53:10
いやー、なんか相関がありそうな気がして解析してみましたが、相関ありませんでした。

出走順が早かったから順位が悪かった、などと言い訳せず、自分の実力を上げるべくイチから出直します(笑
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