この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

正指導員合格のご報告

2012-02-27 22:01:58 | 指導員検定・研修


先週末に菅平高原スキー場にて行われたスキー正指導員検定会にて、正指導員に合格することができました。

ここまでこられましたのも、支援してくださった皆様のおかげです。この場を借りまして心より御礼申し上げます。

これからもさらに良き指導者となるべく、そしてさらに上手いスキーヤーとなるべく、「一滑入魂」の精神でいっそうの精進を重ねてゆく所存です。

本ブログ共々、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。

p.s. 今後指導員(正・準)を目指す方々にお役に立てるように、ノウハウのまとめを近日中にブログ化する予定です。お楽しみに!


東京都スキーマスターズ技術選@軽井沢

2012-02-20 23:13:28 | スキーの話題一般

先週末に軽井沢で行われたスキーマスターズ技術選(第2戦)に参加してきました。



今シーズンはフィジカル面でもスキー技術面でも大きく改造してきて、確実な手応えを感じてきました。スキーマスターズ技術選の第1戦ではその成果を実感してきたところです。第2戦に臨むにあたって、自分への大きな期待感が膨らんできました。

前日(土曜日)入りして大会バーンを試走。前日の軽井沢は快晴。大会バーンは硬くて締まっているのですが、上半分は中斜面、下半分は緩斜面のバーンは、実際に滑ってみると板が全然走りません。ヘタに板を踏むと失速してしまいます。昨年も同じ状況だったことを思い出しました。



大会当日(日曜日)も快晴でしたが、バーン状況は前日と同じで、硬くて締まっているのですが、板は走らない状況であることは実感しながら本番を迎えました。

一種目目: 小回り (85+85+84=254ポイント)
スタートでめっちゃ漕いだ上で、クローチングしてまで突っ込んだ上で演技を開始しましたが、動きが出せませんでした。板の走りが出せず、振り幅も落差も取れない感じ。結果として得点も伸びませんでした。何ともストレスのたまるスタートとなりました。

二種目目: 大回り(85+85+85=255ポイント)
僕は一応正指検定受験生なので、検定向けの滑りをしようと思っていました。内股関節の屈曲から始動する、自然で楽なスキーに沿った内脚主導の要素を見せることを心掛けました。結果は良くもなく悪くもなくの点数。やはり技術選ではもう少しプラスアルファの要素が必要なようです。

三種目目: フリー滑降(85+85+86=256ポイント)
得意のフリー滑降です。この種目だけは、教程とか検定とか関係なく、自分の好きなスタイルで滑ろうと決めていました。全力で加速して、中斜面で渾身の外足主導(笑)でターンする。そのことだけを心に決めて滑りました。

そこそこ良い点数が出ましたので、最後の最後で気持ちよく演技を終わることができました。

最終成績: 765ポイント(7組9位/男子全体順位29位)
前回のガーラ湯沢の時に比べると、順位を落としました。言い訳はしたくないので、これを受け止めて、今後さらに精進したいと思います。

今週はいよいよ今シーズンのメインイベント、正指導員検定です。技術選の滑りは一旦リセットして本番に臨みます。がんばりま~す!


指導員検定ってなに?

2012-02-13 22:35:28 | 指導員検定・研修

正指検定本番まで2週間を切りました。種目練習もしっかり積み上げてきて、検定会にて出品できるレベルになってきたかなと思います。

ところで指導員検定会なるものについて、あまりご存じない方も多いのではないかと思いまして、本日は少し詳しく解説しようと思います。検定種目は下記の4単位(7種目)になっております。これら7つを全てクリアすることが合格の条件になります。

A単位: 谷回りの連続 (制動要素+推進要素)
B単位: 大回り+小回り
C単位: 不整地小回り+フリー滑降
D単位: 理論

このうちB単位とC単位はバッジテストなどと同じで、スキーの滑降・回転技術の基本能力を試します。D単位の理論はSAJスキー教程や安全知識、SAJ規約の内容に関する筆記試験です。

それに対して、A単位はSAJ指導員検定独特の種目です。SAJスキー教程に書かれている「技術論」を低速において表現する「演技種目」になっています。その技術論や具体的な演技内容は2年~毎年でコロコロ変わるので困るですが(^^;)、今年の検定では「自然で楽なスキー」なるコンセプトの中の「谷回りの連続」と呼ばれる要素を表現することになっています。百聞は一見にしかずで、実際の滑りでご覧ください。谷回りの連続(制動要素)と呼ばれる滑走性を抑えた種目です。




この業界(笑)に詳しくない一般の方々は、いわゆるプルークボーゲンではないかと思われるでしょうが、いわゆる普通のプルークボーゲンは「外脚主導」(=外脚荷重によりターンを導く)技術とされ、現在のSAJスキー教程では重力に逆らって無駄な筋力を使う技術として否定的な位置づけにあります。

上の動画の滑りは「自然で楽なスキー」における「谷回りの連続」と呼ばれる技術要素をプルークスタンスで表現したもの、ということになっています。「自然で楽なスキー」とは、「内脚主導」(=内脚荷重によりターンを導く)技術であり、ターン前半での内股関節の屈曲により内スキーの角付けを外すことで、谷側へのスキーおよび身体の落下を誘発することでターンを始動する技術です。

そういう解説を念頭において先ほどの動画を見直して頂けると、ヘタなりですが(^^;)、内股関節の屈曲→内スキーのずれ落ち→ターン始動→外スキーによるターン弧→内股関節の伸展でニュートラルポジション、という一連の運動が意識的に行われていることにお気付き頂けると思います。

逆にやってはいけない運動というものが指定されています。外脚を動かすのは外脚主導なのでバツ。かといって体を傾けすぎると外脚荷重が軽くなりすぎるのでバツ。ニュートラルポジションをしっかり見せないとバツ。エッジを立て過ぎるのは末端主導でバツ。スピードを出しすぎるとバツ。などなど数多くのすべからず集が存在します。

このように、A単位は見せるべき運動要素およびやってはいけない運動要素をしっかり理解した上で、それを明確に演技できる能力が求められているわけです。スキーがうまいからといってA単位が取れるわけではないのです。

さて余談(笑)になりますが、A単位は上述のように「重力(だけ)を利用する」滑りを表現するものですが、少しでもスピードが出てくると、重力の他に、回転の際に発生する遠心力(ターン弧の外側に引っ張られる力)の効果が大きくなってきます。この遠心力と雪面からの抗力とにより板のたわみが発生して、スキー板は舵取り回転を行います。カービング板の登場により、以前は上級者しか引き出すことができなかった「板のたわみ性能」を誰でも簡単に引き出せるようになり、一般スキーヤーでも手軽にハイスピードでシャープな回転滑走が可能となりました。

このように重力だけでなく遠心力も活用できる技術がスキー上達のためには必要です。現在のSAJスキー教程で提唱されている、重力を活用した自然で楽なスキーから、遠心力を活用するスキーへのステップをどう進めたらいいか、今後さらに考察を深めてゆきたいと思います。


スキー指導者養成講習会 実技第2回目

2012-02-06 21:56:29 | スキーの話題一般

先週末は養成講習会・実技2回目に参加してきました。1回目に引き続き、今回は「検定種目の理解」をテーマに、検定本番に向けて、より実践的な講習内容となりました。今回の講師は島村泰央さん。指導のわかりやすさとアドバイスの的確さで、僕ですら名前を知っていた、定評のある人が来ました。今回の養成講習会は2回とも良い講師が当たってラッキーでした。



(島村講師が我が班を指導するの図@菅平・天狗ゲレンデ)


さて養講も2回目となって、検定員の着眼点も統一されてきて、僕自身もかなり理解が進んできました。現状の僕の理解をまとめておきます。

A単位(制動要素):両足の長さが等しいニュートラルポジションからスタート。ターン前半の内脚の屈曲からトップの「ダダ漏れ」を明確に表現。ターン後半は外脚テールずれからニュートラルゾーンに戻るときの内脚の伸展を明確に表現。両足の長さが等しいニュートラルポジションから内脚だけを屈曲→伸展するようにし、外脚の長さを変えないように。前後ポジションはかかと寄りにすると演技しやすい。スピードは等速で遅すぎず早すぎず。内脚屈曲は膝を曲げるよりはおしりを落とすようにすると制動がやりやすい。


A単位(推進要素):スタンスは制動要素と同じでトップを少し開く感じ。運動は制動要素とほぼ同じ。ニュートラルゾーンを明確に見せるように。スピードが出てくるが上体が漏れ出さない(内スキーを越えて傾かない)ように。スピード過多に注意。


B単位(大回り):両足伸展のニュートラルポジションから内脚の屈曲により谷回りが始まるように表現。山回りで早めに内脚伸展を開始してニュートラルポジションへ。ターン全般でずれの多い(角付け量の少ない)、落差の大きいフェース・コントロールを表現する。角付け量の多いシャープなターンは禁物。


B単位(小回り):脚および股関節をしっかり動かして、板のトップもテールもよく動くずれ量の多いひねり系小回りを行えばよい。その際、急なエッジングを避け、板に絶えず荷重し、板を回す速度を等速で行うと自然で楽なスキー(フェース・コントロール)のよい表現となる。


C単位:不整地小回りに関しては安定して降りてこられればよし。フリー滑走はリズム変化を明確に表現できれば問題なし。

ここにきて、専門委員・ブロック技術員の間でA単位種目の着眼点の差がなくなってきたと感じます。それに伴って「どういう運動を見せればいいか」、逆に「何をしたらダメなのか」というポイントが明確になってきました。あとは受験生同士でチェックし合ったり、ビデオ撮りしたりして、完成度を高めてゆけばいいのかなと思います。



養成講習は第3回目(必須ではない)がありますが、僕はマスターズ技術選@軽井沢に出場しますのでパスします。

理解が進むにつれ、より意を強くするのは、指導員検定で求められる要素と技術選など実践で評価される滑りとの違いが大きいということです。技術選で順位を上げることが僕の最大目標ですが、それ向きの練習をしたために、せっかく積み上げてきた検定向きの滑りを壊したくない、という気持ちが生じています。

いっそのこと、「自然で楽なスキー」を技術選でやったら何点出るか試してみますか。そういう人柱根性がむくむくと起き上がっています。どうしようかな…(笑)