この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

大瀧徹也&飯島庸一 フィジカルトレーニングセミナー 第3弾

2011-07-22 20:53:52 | スキーの話題一般

大瀧徹也&飯島庸一 フィジカルトレーニングセミナー 第3弾に参加してきましたので報告します。

前回の第1弾第2弾に引き続きまして、第3弾のテーマは「連鎖性が保たれた上下運動とスムーズな重心の前方移動」です。本セミナーのゴールの次のとおりです。

Goal 1: 連鎖性が保たれた上下運動
  ・ 股関節が主動作
  ・ 適切な上体の前傾角の保持

Goal 2: スムーズな重心の前方移動
  ・ 殿筋とハムストリングを使う

大瀧選手の動画(2011年国体GS)の映像を見ながら、大瀧選手のフィーリングの解説がありました。



(1) 上下に運動する意識はほとんどない。足を伸ばす・下に押すという意識はある。

(2) 前へ動く、重心を前方に移動するという意識は強い。

このような運動がスケーティングに似ているという解説。参加者でスケーティング動作を行いました。

そしていつものように様々なエクササイズやストレッチを行って、目標とする体の使い方を理解しました。

これまでの3回のセミナーで、外足を基本とするスキー技術と、それに必要な体の使い方を理解してきました。基礎スキーというと雪上でのレッスンがメインになってしまいますが、本セミナーのように体の使い方やトレーニング法を学ぶ機会を持てたことは、スキー技術向上にとって大いに役立つと感じました。

最後に、本セミナーで紹介されたMikaela Shiffrin選手の動画を紹介します。見事なまでに完璧な山足主導です。トップの選手が明確に山足主導で滑っていることが分かる貴重な動画だと思います。


セミナー参加

2011-07-12 16:41:00 | スキーの話題一般
吉岡大輔さんのセミナーが先週ありましたので参加してきました。有志の方々が開催して下さったセミナーです。3回シリーズのセミナーでしたが僕は仕事の都合で最終回のみの参加となりました。

吉岡選手はこのようなセミナー講師をされるのは初めてということ。ういういしい感じでセミナーが始まりました。さて、セミナーの内容をまとめます。

技術選の技術について
・ 一番大事なものは「ポジション」

・ 「前後ポジション」=ターン前半にトップを使い、フォールラインで真ん中、ターン後半でテールから抜いて板のたわみを引き出す。

・ 「左右ポジション」=ターン前半では思いっきり内倒する。頭と板との水平距離を出来るだけ長く取る。それを後半に向けて脚の内倒はそのままに、上体だけゆっくり起こしてゆく。

・ 「回転」=ターン前半は内向。Maxから後半にかけて外向(上体をフォールライン方向に)。今シーズンからショートターンでも体全体の回転を使った。「体の真後ろから板が戻ってきて、体と板とをクロスオーバーさせるイメージ」

・ 2007年ごろは山回りに重点を置いて板のたわみを引き出すことをテーマとしていた。今年は谷回りが自分の中でもテーマだった。板の表面が下から見えるような谷回りを長く取る。これはアルペンにも繋がる動き。

今年の技術選のビデオを見ながらの解説
・ フリー滑走=体の軸の大きい傾きが見える。そのときは外足主導。内足は邪魔にならない程度にたたむ。

・ ショートターン=今年はターン前半から早めにずらすことをイメージ。ターン後半ではストックをつく位置を昨年よりも前にし、手首は横向き。

アルペン系の技術について
・技術選よりもシンプル

・傾きはなし。ターン後半のタメと板の反動の利用

・ 高いポジション

・ リゲティ選手(金メダリスト)の話では「ペダルを漕ぐような動き」

質問タイム
Q (参加者=私)「外足荷重というお話だったが、切り替えのところで外足と内足の荷重配分はどのように変化するイメージを持っていますか?」
A (吉岡選手)「外足9:内足1という意識。切り替えのところでは8:2→7:3→6:4→5:5というように荷重配分は移ってゆくが、その時間は短い。実質的に9:1→1:9という感じ」

Q(参加者=あこりん)「オフシーズンのボディーケアや食事はどのように気を遣っていらっしゃるか?」
A(吉岡選手)「食生活は乱れがちなので、 あえて言えば3食取るようにしている」

以上のような講演内容でした。聞き取った内容に多少のずれがあるかもしれませんが、その点はあらかじめご了承下さい。

アルペン選手としての長所を活かしながらも、技術選で求められる要素もしっかり取り入れようという柔軟性の高い姿勢が吉岡選手には感じられました。これからも技術選で活躍していただきたいと思いました。

最後に、昨シーズンの全日本スキー技術選手権大会での吉岡大輔選手の決勝総合滑降をお楽しみ下さい。


大瀧徹也&飯島庸一 フィジカルトレーニングセミナー 第2弾

2011-07-08 14:59:34 | スキーの話題一般

大変遅れましたが、大瀧徹也&飯島庸一 フィジカルトレーニングセミナー 第2弾に参加してきましたので報告します。

前回の第1弾のセミナーに引き続きまして、今回のテーマは「体軸と回旋軸」。「正しいスパイラルモーションを身につける」がテーマであります。

まずは「体軸」についての講義。重心と荷重点を結ぶ線(パワーライン)には、(1) 左ストレート軸、(2) 中心軸、(3) 右ストレート軸、(4) 左クロス軸、(5) 右クロス軸の5本あり、そのうちスキーで重要となるのは(4)と(5)のクロス軸。

前回も紹介のあった米国アルペンの若手スターであるMikaela Shiffrin選手の動画を元に、パワーラインに関する解説が行われました。youtubeで見つけたので載せます。



特徴として、(1) 谷回りで外スキーにしっかり乗っていること、(2) 切り替えの場面でクロス軸4と5の両方に乗っていること、(3) 舵取りの場面ではしっかりクロス軸に乗っていること、などが見て取れます。確かに、両クロス軸を入れ替えているだけのとてもシンプルな滑りですね。

続いて、大瀧選手が実際に滑る際のフィーリングについて解説がありました。

(1) アルペンGSの時は、重心をみぞおち辺りに意識。長い軸を作り、外足への荷重意識がほとんど。内足は邪魔しないように。

(2) アルペンSLの時は、腰を支点に力を伝えるイメージ。ゲートを過ぎるまでにターンを終わらせるように意識。

(3) 技術選大回りの時は、外足に力が伝わっていなくても体軸を長く見せたい。ほぼ内足荷重でターンの前半を作る。演技と割り切って大きな傾きを作る。

(4) 技術選小回りの時は、支点をみぞおちのあたりに。中回りを小さくしてゆくイメージ。切り替えで軸をひねる。腰は正対で上体をひねる。

次に、「回旋軸」についての解説。回旋動作は腰椎ではなく胸椎で行っている。また仙腸関節が回旋運動を生じさせているとのことでした。

以上の講義の内容を踏まえて、参加者自身によるさまざまなエクササイズを行いました。

次回の第3弾も受講予定です。楽しみです。