この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

New ブーツ

2013-04-24 23:04:27 | スキーの話題一般

先週末に滑りに行ったのには、大切な目的がありました。



それは新しいブーツ、アトミックのRedster PRO 110の慣らしです。2シーズン履いたアトミック RaceTech 110はインナーがへたってきて、アウターシェルも防水が効かず浸水するようになってきたので買い換えました。いつも安くなるシーズン終わりにブーツを買い換えて、春スキーで当たりをチェックしてチューンして来期に備えるというサイクルです。今回も定価の3割引きで買うことができました。

さて履いてみて滑った感想ですが、アッパーシェルに採用された剛性の高い「カーボンスパイン」の効果で、かかとポジションが非常に安定するブーツです。カーボンスパインと幅広ソールの効果のためか足裏全面での荷重感が得られ、つま先荷重過多になりにくく板の走りが詰まる感じが低減されたと思います。そのため谷回りでは足裏全面で板を踏めている感覚があり、山回りではスキーのかかと付近のグリップを感じやすく、板への働きかけと雪面コンタクトがよりダイレクトに感じられるようになりました。

脛の前傾に関してはフレックスが柔らかいのでコブも滑りやすいです。速く滑る場合はかかと寄りポジションでブーツの剛性を活かし、コブ滑りのときは前傾ポジションを取りやすいということで、ブーツの特性として非常に合理的だと思いました。

というわけで、第一印象としては自分の滑りにマッチしそうなブーツで良かったです。ただ、くるぶしなどに当たる箇所があって、長時間滑っていると痛くなってきます。自分の足に馴染ませるには少しチューンが必要のようです。 

ちなみに硬さは110を選択しました。アトミックは他社と比べて同じ110でも柔らかい方と言われますが、僕くらいの脚力だったらこれで十分だと感じます。レーサーや技術選トップ選手のように急斜面を超高速で滑るわけではないので、テククラレベルであってもブーツの剛性は110以下がよいというのが僕の持論です。

剛性が高いほどお値段も高いので売る側が130など硬いブーツを勧めるせいか(^^;)、脚力や体重に比べて硬すぎるブーツを履いているために上下動や前後動が使えずに滑りに動きが出せていないスキーヤーが多いと感じます。脛の前傾が出せないために腰が落ちた後傾気味のポジションになってしまったり、コブ滑りでスピードを抑えられずにラインから外れたり発射してしまうケースがよく見られます。

脚力に見合わない硬いブーツは上達を妨げるので、硬いブーツは本当に必要になってから履けばよいのではないかと僕は思っています。


春のコソ練@八方尾根

2013-04-22 22:17:43 | スキーの話題一般
先週末は八方尾根でコソ練してきました。先々週の高瀬・旭デモキャンプやクラウン検定で課題として残ったことを今シーズン中に克服したくてやってきました。

その課題とはズバリ、「急斜面小回り」です。今シーズン開発した「新型小回り」は上体運動の順ひねりを板の走りに変換して加速してゆくハイスピード対応の小回りでした。これは斜面状況が良い緩中斜面では非常にダイナミックな滑りになるのですが、急斜面になるとスピードが出すぎてしまうので使えず、でこぼこのような雪面状況の悪い場合ではスキーが取られがちでコントロール性に欠ける滑りでした。

検定や技術選を考えると、急斜面でも安定かつダイナミックに滑るにはやはり上体の運動の逆ひねりを利用してスピードをコントロールするオーソドックスな「旧型小回り」も必須であることを再認識しました。急斜面・難斜面でもコントロール性良く安定しながらも、スピードも落差も大きく取りながら滑る練習を、ここ八方で繰り返し行いました。上体の逆ひねり、谷回りでの外側への強い働きかけ、両スキーの角度差といったポイントに注意すると、荒れ地の急斜面でも横幅も落差も大きく取れる安定した小回りができるようになったと思います。

せっかく八方まで来たので当然のことながらコブ滑りも練習。黒菱クワッド側の中斜面コブでまず基本モーションを練習。切替で外手をしっかり前に出す、コブを乗り越えたら内手をしっかり前に出す、その逆ひねりを利用して脚を伸ばして素早く雪面コンタクトする、といった基本ポイントを繰り返し確認。それを踏まえ、黒菱ペア側や兎平の急斜面コブで実践練習。一日中急斜面で滑り続けているとさすがに太ももがパンパンで(^^;)、上から下までの一気滑りする体力はありませんが(^^;;)、あの急斜面をそれなりのスピードで縦目でミス無く攻めることができるようになりました。

今シーズンを振り返ってみると大会で滑ったり、サポートのために滑ってきたシーズン。こういうコソ練であーでもないこーでもないと試行錯誤しながら滑るのは久しぶりでチョー楽しい! 今シーズンももうあと何日も滑れませんが、この楽しさを来シーズンに繋げてゆければと思います。


(二日目は新雪が積もってまるで真冬のようなバーンコンディションでした)

春の高瀬・旭デモキャンプ@八方

2013-04-17 22:14:53 | スキーの話題一般

先週末は八方尾根スキー場で行われた高瀬慎一ナショナルデモと旭潤子SAJデモを招いてのクラブキャンプに参加してきました。シーズン始めにアサマ2000で行われた同キャンプに引き続いて今シーズン2回目の開催となります。



高瀬慎一ナショデモ(左)と旭潤子SAJデモ(右←カワイイデスネ)


今回のキャンプのテーマは春なのでやはりコブ滑り。2班に分かれてコブ滑りに必要なポジショニングや身体の使い方を学びました。

一日目は高瀬ナショデモが講師。まずは基本練習として「スキーの基本は外スキー」「外スキーに正しいポジションで乗る」ことをテーマに、内スキーを上げたりクロスさせたりしながら外スキー一本で滑る練習や、外向傾を作る練習などを行いました。午後はコブに入って、午前の練習を踏まえてコブ滑りでも外脚主導の重要性を再確認しました。

高瀬ナショデモには2シーズン前からレッスンを受けているのですが、「自然で楽」とか「内脚主導」とかいう誤った方向性が全盛期だった頃から彼のレッスンは「外脚の重要性」という観点で一貫しており、自分の信念を貫く姿勢に深く共感しておりました。最近の技術選における観点の揺り戻しでその正しさが再認識されつつあり、決してぶれることのなかった彼に対して改めて尊敬の念を深めました。

クラブを上げて応援している高瀬デモですが、僕自身は彼は今シーズンの全日本スキー技術選では5位以内に入るのではないかと期待していましたが、不運にも大会一種目目で見舞われた腰の怪我で不本意な成績となりました。来シーズンは万全の体調で実力を発揮して頂きたいと思います。

二日目は旭潤子デモのレッスンでした。やはりコブ滑りを念頭に置いたトレーニングから始まりました。

前回のシーズン始めのキャンプではバリエーショントレーニングが中心で系統立った方針のないレッスンで、あまり褒めない教え方に正直言って不満を持ったのですが、今回はバリエーショントレーニングには非常に役に立つものが多く、大変ためになりました。教え方もポジティブなアドバイスが多く、レッスンが上手くなってきましたねという感想を持ちました。

特にためになったのがストックの使い方。切替から早めに外手を出す練習、左右差を体感させるバリエーショントレ、コブ滑りにおいて外手をしっかり前に出す練習は非常に有益でした。高瀬デモのような一貫したトレーニングとは異なった、役に立つバリエーショントレーニングの盛り合わせという感じで、非常にためになりました。

旭デモは今シーズンの全日本でも自己最高の16位に入り、今後さらなる飛躍が期待される選手です。今後も全力で応援してゆきたいと思います。

二日間とも良い天気に恵まれた八方デモキャンプ。有意義なレッスンの中で、自分なりの課題を数多く頂きました。まだまだ今シーズンを終われないかもしれません(^^;



いつ見ても美しい白馬三山



リーゼングラートからの景色も美しかったです


クラウン検定受験記 ―検定本番編―

2013-04-05 21:41:04 | スキーの話題一般

前回の事前講習編に引き続き、本日は検定本番編です。

前日の予想では冷え込んでバーンが硬くなるという情報でしたが、朝ゲレンデに出てみると気温も高くかなり柔らかい感じです。意外と滑りやすいかもという感触を得て検定がスタートしました。

前日の事前講習講師と同じメンバー、豊野智宏さん、片山秀斗さん、園部健さんが検定員でした。

1種目目:大回り・不整地
男子リーゼンコースと女子リーゼンコースの合流しているコースで行われました。朝一で滑ったときはかなり柔らかかったのですが、スタート時間になると急に曇ってきてバーンが締まってきました。常に両脚荷重となるように心掛けて安定感を出すようにして滑りました。ポイントは80点。



(緊張の一種目目、不整地大回りバーン)


2種目目:小回り・ナチュラルバーン
トレバーンコースを受験者でデラ掛けして行われました。得意の加速する新型小回りはこの急斜面では対応できません。デラ掛けしてあるものの斜面はでこぼこしており、こういう状況ではひねり系のジャンピング小回りで対応するべきなのですが、前日の事前講習では止めるエッジングになってしまいいまいち板に乗れていませんでした。この日の朝の練習でようやく板が動くようになりましたが、やや消極的な滑りになったか、得点は79点。やはり急斜面や荒れ地での安定感がまだ未達成であることを痛感しました。



(小回り種目は難易度の高い急斜面ナチュラルバーンでした)


3種目目:小回り・不整地
前日の事前講習で使ったバーンが土が出てきてしまい、整地小回りで使ったバーンを急遽受験生でコブ掘りして行われました。掘った3レーンのうちピッチが長くてリズムが良いレーンを選択。前半はまずまずだったと思うのですが、途中変にしゃくれて掘れているところを警戒して減速してしまったのがいけなかったのでしょうか、得点は79点。やはりクラウンたるもの、積極的に滑って来ないと得点は出にくいです。

4種目目:大回り・ナチュラルバーン
第3ゲレンデで行われていたスノーボード中越技術戦が終わった後のバーンを使いました。ボード選手達がデラ掛けしてくれた後に硫安を撒いて固めるということだったのですが、デラ掛けが均一になされていない部分にも硫安を撒いたために、ところどころ硬いでこぼがあるという非常に難易度の高い斜面となりました。安定性重視で小回り板を選択して、スピードやダイナミックさよりも谷回りの質や切替の運動といったジャッジの観点に合う滑りを心掛けて滑りました。途中でこぼこにスキーを取られるミスもありましたが、無事80点が出ました。



(硫安が撒かれて難易度が増した第3ゲレンデでの大回り種目)


5種目目:フリー滑走
同じ第3ゲレンデでスタート地点を少し上げて行われました。得意のフリー滑走なので、ハイスピードで元気よく楽しげに滑ることだけを心掛けました。今回新たな試みとしてリズム変化を2カ所入れてみました。上部で大回り→中回り→大回り、下部でギルランデを入れてみました。得点は80点。合格点を頂きましたが、この難しいバーン状況ではなかなか加点は出にくかったです。

総合成績:398点(マイナス2点で不合格)
昨シーズンは397点でしたので1点だけ上回ることが出来ました。大回り系種目がマルで、小回り系がバツときれいに分かれました。大回り系はジャッジの好みに合う要素を出し、あまり個性を強調しないように滑ったのが評価されたのだと思います。それに対して小回り系種目はまだ絶対の自信がついていなくて、安定感がないことが原因だと思います。来シーズンに向けて小回りの安定度を上げることが目標となりました。

最後になりますが、本検定のデータを載せます。

受験者数 61名(うち女子6名)
合格者   6名(うち女子0名)

得点分布 
402点 1名
401点 2名
400点 3名  ここまでが合格
------------------------------------------
399点 7名(うち女子1名)
398点 7名
397点 9名
396点 12名(うち女子3名)
395点 4名(うち女子1名)
394点 7名
393点 5名
392点 4名(うち女子1名)

種目別合格率(80点以上)
フリー滑走    25名
大回りナチュラル 21名
大回り不整地   25名(うち81点×2名)
小回りナチュラル 29名
小回り不整地   22名(うち81点×1名) 


クラウン検定受験記 ―事前講習編―

2013-04-02 22:24:59 | テククラ検定

先週末苗場スキー場にて行われたクラウン検定について報告します。まずは事前講習編です。 

クラウン検定受験は昨シーズンのかぐら会場以来、2回目となります。 土曜日は事前講習が行われました。講師は豊野智宏さん、片山秀斗さんと苗場スキースクール校長の園部健さんでした。昨シーズンの受験でもこの三名が講師でした。 

講習受講者は52名と結構な大人数。三班に分けられたのですが、各バーンを全員一斉に回り、アドバイスを受けるのはその班担当の講師からという形式でした。

午前は第三ゲレンデ北側で大回りとフリー滑走、午後は整地小回りと不整地小回りの講習でした。斜面下で講師が手を振り、受講者が順次滑ってアドバイスをもらう形式です。

この日は予想外に気温が低くてバーンが締まっていました。午前中の大回り系では板がかなり走る上に、片斜面だったのでミスが出やすく、硬いバーンで動きを出すのに苦労しました。午後の小回り系でも硬い急斜面にかなり手こずりました。 



(春にしては予想より低い気温で硬いバーンでした)


私の班は園部さんが講師になりました。せっかく講師に豊野さんと片山さんという現役の選手がいたのに、講師が固定されたために彼らからアドバイスがもらえなかったのがとても残念でした。アドバイスをもらったからといってすぐに滑りが変わるわけでもないですが、やはり現役選手から自分の今シーズン培ってきた滑りがどう見えたか、ぜひ評価を聞いてみたかったです。 

この日は練習しすぎないようにして上がりました。次回は検定本番について振り返ります。