この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

丸山貴雄デモ講演会聴講

2013-10-27 23:58:00 | スキーの話題一般

八王子スキー連盟さんが主催されている丸山貴雄デモの講演会に、今年も参加させて頂きました。昨年参加させて頂いたときにも大変勉強になったので、今年も楽しみにやってきました。


昨年との違いと言えば、丸山デモが4連覇を逃して準優勝で終わったシーズンであったこと、そしてSAJ教程の方向性が大きく変わったことが大きく異なっています。それを踏まえて、丸山デモがどう前年と話を変えてくるかに注目しました。

丸山デモの話を要約します。

1. 勝つためのメンタル力
自己分析 - 負けた自分を否定するのではなく準優勝した肯定することが大事。吉岡選手の良いところが見えてくる。
目標設定 - 短期ではなく長期目標を設定することが望ましい。成績目標(相手に勝つ)は力みを産む→熟達目標(自分に勝つ)を設定
メンタル力 - 身体を鍛える時間は限られているが、メンタル力を鍛える時間は365日。
今後の展望 - マイナス要素(意識、考え)を消すこと。淡々とプロセスをこなすことが大事。

2. 最近のスキー技術とマテリアルの進化
内足主導から外足主導への技術論の変化
   技術が変わってしまったと思わないで欲しい。
   スキー技術は進化するが不変であり積み重ねてゆくものである。
日本特有の指導プログラムだったものを、世界と共通化した(←教程の変更について)
   ← 特にRが大きいスキー板が主流になることへ日本も対応する必要性
ハイブリッドスキーイング=重力を利用(相対的水平面が傾いている)
   ←→ 新しい指導法では雪面抵抗を利用(斜面に対して体軸が傾いている)

3. 今後のテーマへの展望
両足バランス (内足だけでも外足だけでもない)
リバウンドの活用(板のたわみを次の推進力に活かす)
アンダークロス技術 (リバウンドを利用して頭を支点としたクロスオーバー)

4.3つの運動要素
回旋 - ピボット操作ではなく体幹を使った旋回操作へ
前後運動 - 外足を後ろから前へ動かすこと
傾き - 外足と内足の上下差。ペダルを踏むように同調して動く

5.丸山デモが考える「技術(指導)の展開案」
ターン後半の身体とスキーの位置 ー 上下動から回旋へ
外スキーへの加圧 - 二軸運動を理解する(特に内足のたたみと外旋の重要性をたびたび強調)
谷側へ移動する ー 低いポジション、前後動(かかとを意識する)

昨年の講演に比べると、SAJ教程の変更によって制約が外れたためか(^^;)、より外足主導の観点に踏み込んだ表現が多かったです。そしてその内容も、体幹を使うこと、板のたわみを活かすこと、外足を動かすこと、前後動を使うことなど、スキーの性能と身体能力を効率よく活かす滑りに特化した説明になっていたと思います。


(机に座って熱心に体の使い方を説明する丸山デモ)


いちいち納得できる話ばかりでした。昨年は教程に遠慮していたためか、奥歯にものが挟まったような感じで話をされていましたが、今年は丸山選手の考えている本音の技術がストレートに伝わってきました。

そして彼の技術論は僕が目指しているものと本質的に同じであり、自分の方向性が間違っていないことを改めて確認できたことも嬉しかったです。

そしてもう一つ重要な技術要素について説明がありました。それは上体と下肢の運動を連動させて板を走らせるテクニックです。それは昨シーズンから僕が「胴体主導」と呼んでいるものであり、それは彼(に限らずめっちゃ上手いスキーヤー)の強さと安定感の秘訣になっていると常々思っている点です。

この点に関してはまたおいおい解説してゆきたいと思います。

初めてのプラスノー@ふじてん

2013-10-26 22:49:51 | スキーの話題一般

先週末の話になってしまいますが、初めてプラスノーにチャレンジしてきました。

場所はふじてんのサマーゲレンデ場。スキー馬鹿4名で行ってきました。



着いた日は大雨。しかも強風。雨の方が滑るとはいえ、これは本当にやるのかぁ?と最初はめげましたが、そこはスキー馬鹿の本領発揮。ここで撤退するようではスキー馬鹿の名が廃るということで、しっかり滑ってきました(笑)。まぁ、さすがに半日でしたが(汗)。

プラスノー、面白かったっす! 滑走感覚は雪上にかなり近いです。ポジション確認や身体運動を確認するにはかなり役立つと思いました。

ただ、ゲレンデとスキー板との間の摩擦が非常に強くて、スピードが乗らないです。スピードを楽しむという雪上での楽しみはあまり期待できないですが、ポジション確認など基本トレーニングには凄く役に立つと思いました。

面白いのはコブコースが作られていることです。摩擦のお陰でコブの頂点でスピードが落ちるので、ポジション取りや板の先落としなど身体の使い方の練習には向いていると思いました。コブが苦手の方はオフシーズンにトレーニングできるのでとてもよい練習場所になるのではないでしょうか。

プラスノーはスキー板の滑走面の痛みが激しいので、サマーゲレンデ専用のレンタル板を借りるか、お古のマイ板で滑るのが良いと思いました。さらには、摩擦を少なくするためには短めの板で滑るがよさそうです。

さて、滑り出してみると最初はビクビクな感じでしたが、滑り慣れてきてポジションもしっかり板の真上に乗れるようになってきて、股関節もしっかり動くようになってくると、昨シーズンの良い感じが思い出されてきました。

オフシーズンに脳内イメージで培ってきたテーマで滑ってみました。イメージ通りのところとそうでなかったところが両方ありましたが、自分の目指している、板と身体とが一体となる滑りが、きっと雪上では楽しい滑りになるだろうことが十分に実感することができました。

雪の便りが届いてきました。いよいよスノーシーズンが近づいてきましたね。自分の滑りを雪上で試すのが本当に楽しみです。


スキー指導員検定が変わることについて

2013-10-12 12:59:44 | 指導員検定・研修

クラブ内周知や養成講習会、雑誌記事などで既にご存じかと思いますが、今シーズンのSAJ公認スキー指導員検定が変わります。

特に大きく変わるのは、これまでの単位制(A・B・C・D単位)が廃止されて、基礎課程4種目+実践課程4種目+理論による検定になります。

昨シーズンまでの単位取得者については驚くべき経過措置(という名の救済策)が盛り込まれました。正指導員受検者に関しては(1)検定会を受検し、(2)養成講習に参加し、(3)加盟団体長の推薦があれば、全員公認となります。加盟団体長(=所属クラブ長)が推薦しないはずはないので、講習会に参加して検定会を受検しさえすれば、点数に関わらず全員合格ということを意味します。

準指導員受検者に関しては所属県連の裁量に任されることになったので、例えば神奈川県連は正指導員と同じく実質全員合格(?)、東京都連は「取得単位を最大限考慮する」が全員合格は保証しない、千葉県連は取得単位を全く考慮しない(?)など、県連により大きく対応が異なっているようです。

それにしても、正指導員の実質全員合格はいかがなものでしょうか。正指合格率は約6割で、単位受検者の合格率はこれよりも少し高い7割くらいです。つまり昨シーズンであれば落ちるはずの3割の方が滑りのレベル如何に関わらず「正指導員」として公認されてしまうことになります。

もっとも「ラッキー」なパターンとしては、D単位(理論)だけ取得して実技種目が一つも合格点に達しなかった人も、今シーズンは受検するだけで正指導員に公認されてしまうことになります。

長い伝統と歴史のある指導員検定にこのような「救済策」が採用されたことは、本当に残念なことで間違っていると僕は思います。指導員資格の権威を損なうことだとすら思います。

スキー教程が良い方向に変わりつつあることを喜ばしいと感じる今シーズンでしたが、このSAJの判断は本当に残念でなりません。


スキーグラフィック 11月号 発売

2013-10-09 22:15:18 | スキーの話題一般

スキーグラフィック の最新11月号が発売されました。



今月号はとても内容が濃いですよ! 我らが応援している高瀬慎一さんの記事が載っていたり、



宮下征樹さんのDVDが付いていたり、ネックウエアが付録として付いていたり、

そして、検定受検記が載っていたり…



ん?どっかで見たようなシルエットが… 
ご興味ある方は是非誌面にてご確認下さい…(^^;) 

失敗(不合格)をエネルギーとして成長するのが僕のスタイルですから。

次はかならず「クラウンへの道」に記事を載せるぞ~!!