この一滑は絶対無二の一滑なり

シーズン終了。それにしても雪不足で大変なシーズンでしたね!

シーズンイン・クラブキャンプ@アサマ2000

2013-12-16 21:18:55 | スキーの話題一般

シーズン始め恒例のクラブキャンプがアサマ2000にて開催されましたので参加しました。おなじみ高瀬慎一SAJナショナルデモンストレーターと旭潤子SAJデモンストレーターが講師です。大人気のキャンプで今シーズンも多くのクラブ員が参加しました。



今シーズンも高瀬慎一ナショデモ(右)と旭潤子デモ(左)。
相変わらずお二人ともカッコいいですね!


初日は高瀬デモの班に入りました。レッスンのテーマはずばり「外脚主導」。「私がこれまでやってきたことは正しかった」と高瀬デモが仰っていたとおり、SAJ教程が変更になって今シーズンからは堂々とこのテーマを前面に出すレッスンになりました。

しかしさすが高瀬デモ、ただの外足荷重レッスンではありません。外スキー荷重が主体でありながらも、内スキーへもしっかり荷重できるポジショニングのトレーニングです。スピードの次元や斜面の難易度が上がってくると外スキー一本では安定性に欠ける局面が出てきます。内スキーの性能も使えるようになることが上達には不可欠。時代は外脚主導という王道に戻ってきましたが、両スキーの性能を活かすことがさらなる上達への必須要件ということを高瀬デモのレッスンで再確認しました。

二日目は旭潤子デモのレッスンでした。潤子さんのレッスンも外脚に乗れるポジション作りから始まり、ところどころでバリエーショントレーニングを交えたスタイル。年々レッスンが上手くなってゆく潤子デモ、今シーズンも「即役立つ」技術をいくつも教えて下さいました。

特に今回役に立ったのは、目線の重要性、ターン後半での内手のブロック、ターンマキシマムに合わせて外手を同調して動かすことでスキーを走らすテクニック、谷回りでできるスキーの前後差を山回りから切替にかけてスキーを揃えてゆくことによってコントロール性を高めるコツ、しっかりと上下運動することなど、これら全てが僕自身が今シーズン取り組んでいる要素技術ズバリそのもの。非常に納得度の高いレッスンで、自分の歩んでいる方向性の正しさに確信を深めました。

シーズンインにこのお二人からレッスンを受けて、そのテーマを自主練習するという良いサイクルが昨シーズンから回っています。今シーズンもしっかり刷り込みトレーニングして、学んだ動きを自動化してゆきたいと思います。


志賀で初サル滑り

2013-12-11 20:12:18 | スキーの話題一般

先週末は志賀高原の焼額山に滑りに行きました。今シーズンの志賀サル滑りのスタートです。土曜日はスキー場開きの日でもあって、多くのお客さんが集まりました。

今シーズン初の泊まりスキー。じっくりと今シーズンのテーマを練習できる機会となりました。前回のアサマの練習で小回りに関しては好感触を得ていましたので、今回は大回りの練習を重点的に行いました。



(今シーズンも焼額山のシマシマバーンを滑る時期がやってきました)


僕が作り上げようとしている大回りは上体も積極的に動かすことによって下肢の運動と連動させ、全身でしっかり動くことによって板のたわむ性能・走る性能を引き出す大回りを目指しています。

いま世界の大回り系レース競技でR(スキー板の回転半径)を大きくするというレギュレーションが取られています。これには怪我防止という意味もあるかと思いますが、僕が思うにスキー技術が板の性能だけに頼ったつまらない競技になってしまったことを反省して、スポーツの原点に戻って人間の身体運動に回帰させようという動きがあるのだと解釈しています。

競技スキーから始まったこの回帰運動は、いずれ必ず基礎スキー界にも波及してくるはずです。下肢の運動だけでなく、上体の運動も積極的に組み入れて、基礎スキーの技術および指導法を組み立て直そうという動きが今後起きると予想しています。

まぁそれはともかく、自分が目指す滑りにおいては、上体と下肢の連携が重要だと思っているということです。しかし、前回のアサマでの練習では、大回りで上体の運動がイマイチ効率的でなく、かつ見栄えもよくありませんでした。そこで今回はそれを重点的に修正しました。

まあまあ納得できる滑りになったのが下のビデオです。上体の動きがまだ少し堅いですが、この滑りが今シーズンのベースとなる大回りです。この動きが自動化されて肩の力が抜けてきて、もっとしっかり動いてアグレッシブに滑れるようになれば、それがいわゆるめっちゃ上手いスキーヤーのシルエットに近づけるものと考えています。



以上で志賀滑りの報告を終わります。


2週連続でアサマ

2013-12-02 22:36:05 | スキーの話題一般

先週末もアサマ2000で滑ってきました。初滑りのときよりも雪の量は少なくなっていましたが、メインゲレンデの状態は良好。気温も適度に低く快適。午前のリフト待ちは相変わらずの長さでしたが、メインバーンは昼過ぎまで大回りし放題。午後になると所々凍った下地が出始めましたが、混雑的にもバーン状況的にも、一日を通して練習に集中出来る好条件でした。



(ピカピカの朝一アサマメインゲレンデと気持ちいい青空)


さて先週に引き続き、今シーズンのテーマの確認を行いました。今回は大回り絶好バーンだったので大回りを集中練習。ビデオを撮っているときは大回り一日目にしてかなりイイかもと思っていたのですが、帰ってきてコマ送りで見てみると気に入らないところが多々ありましたので、今回はビデオアップ無しです(^^;;;) 

身体運動とそれによってもたらされるスキー板の走りはイメージ通りで、特に下肢の運動は改良できていたのですが、上体運動の見え方がいまいちカッコ悪くて要改良でした。「めっちゃうまいスキーヤー」を目指す以上、見栄えよくならないと気が済まないのです。。。

ビデオ無しの替わりと言ってはなんですが、アイスバーンの滑り方について考えがまとまりましたので書き留めておこうと思います。

アイスバーンで外スキーのグリップが抜けてバランスを崩してしまうケースは、おそらく多くのスキーヤーが経験されていることと思います。外スキーへのグリップを強めようとして内倒過多になり、外足への荷重が少なくなって、ますます外スキーへのグリップが弱くなるという悪循環に陥るのが最大要因です。

どうすればアイスバーンでもグリップを失わずに済むでしょうか。まず前提となる絶対条件があります。

「スキー板のエッジが丸まっていないこと」

エッジが丸まっている板ではさすがにアイスバーンには噛みません。特にサイドエッジをしっかりチューンしてエッジを鋭く立てておく必要があります。

しかし、キンキンにエッジを研いだスキー板をもってしても、外足を突っ張っているだけではグリップ力に限界があります。スピードが出てくると一本足で支えきれる重さの限界を超えてしまい、グリップを失ってしまうのです。これを解決するのに、物理学の知識が役に立ちます。

重いものを支えるのには一人の力ではなく二人で支えると力は半分で済みます。同じ原理で、外足一本ではなく、内足のグリップも援用するのです。いわゆる「両足荷重」を使って重さを半分に減らし、グリップ力を失う限界以下に保つことが、アイスバーンでは有効なのです。

それに加え、脚の運動もグリップ力を高めるために重要です。谷回りで自然に発生している前後差(内スキー前、外スキー後ろ)を、山回りにかけて前後差をなくすように力を入れて両脚を揃えてゆくのです。そのときに発生する雪面抵抗力や摩擦力をグリップ力に繫げるのです。

このテクニックはアイスバーンだけでなく、特にスピードコントロールが必要な急斜面や荒れ地でも有効です。お試し頂ければその有効性はすぐに実感できるかと思います。