報告が遅くなりましたが、先々週ガーラ湯沢にて行われました東京都スキー連盟(SAT) 主催のスキー大学に参加してきました。スキー大学とはデモンストレーターによるスキルアップトレーニングを主体とした研修会のことで、2年に1回受講義務のある指導員研修会および検定員クリニックを兼ねており、湯沢グランドホテルという高級ホテルで一泊二日の合宿制で実技・理論・クリニックを一気に受講することができる、とてもコストパフォーマンスのよい研修会です。しかも講師は水落亮太・水落育美・岡田慎・栗山太樹(SAJナショナルデモンストレーター)と大久保優・沖山正裕・内田智久・風間健太(SAJデモンストレーター)からなり、通常の指導員研修会よりもレベルの高いレッスン内容が期待されました。
(そうそうたるデモ講師陣)
さて1日目は栗山太樹ナショデモが講師。今シーズンから指導内容が変わったことから、横滑りやシュテムターン、大回り・小回り・コブなど指導員種目を一通りレッスンする内容でした。私が技術選に出ていることをお話ししたら、栗山デモは「じゃ、僕の後ろ滑ってみる?」と言って下さりました。ナショデモのキレっきれ小回りはさすがについて行けませんでしたが(汗)、切替のタイミングや体の使い方などを間近に観察することができ、大変勉強になりました。
(熱心に説明する栗山ナショデモ)
こうして無事一日目の実技が終わり、夕方にはクリニックと理論講習を楽しく受講して、お座敷で美味しい夕食をたらふく食べたところまではよかったのですが、夜になって突然謎の腹痛と吐き気に襲われてお腹が急降下。夜中は布団とトイレを何度も往復。翌朝になっても収まらずにホテルの方に送迎してもらって病院行き。どこで原因(細菌? ウィルス? ノロ?)をもらったのか不明で、症状が収まるまで我慢するしかないとお医者さんに言われて、さすがにこの状態で滑るのは色んな意味で危険(^^;;;)ということで、二日目の午前はホテルでひたすら寝て回復モード。午後には少し症状が軽くなったので講習を終わった仲間と運転を代わりながら何とか家につきました。
二日目の講師が大久保優デモだったので講習を凄く楽しみにしていたのですが、参加できず本当に残念でした。幸いにも研修会とクリニックは受講済みとして頂きました。関係者の皆様、ご配慮ありがとうございましたm(_ _)m そしてご迷惑、ご心配をお掛けした仲間の皆様、申し訳ございませんでしたm(_ _)m
楽しみにしていたスキー大学でしたが、今回はこんな感じでちょっと残念な形で終了してしまいました。でもスキー大学自体はとてもよいイベントだと分かりましたので、次回も参加したいと思っています。
クラブ内周知や養成講習会、雑誌記事などで既にご存じかと思いますが、今シーズンのSAJ公認スキー指導員検定が変わります。
特に大きく変わるのは、これまでの単位制(A・B・C・D単位)が廃止されて、基礎課程4種目+実践課程4種目+理論による検定になります。
昨シーズンまでの単位取得者については驚くべき経過措置(という名の救済策)が盛り込まれました。正指導員受検者に関しては(1)検定会を受検し、(2)養成講習に参加し、(3)加盟団体長の推薦があれば、全員公認となります。加盟団体長(=所属クラブ長)が推薦しないはずはないので、講習会に参加して検定会を受検しさえすれば、点数に関わらず全員合格ということを意味します。
準指導員受検者に関しては所属県連の裁量に任されることになったので、例えば神奈川県連は正指導員と同じく実質全員合格(?)、東京都連は「取得単位を最大限考慮する」が全員合格は保証しない、千葉県連は取得単位を全く考慮しない(?)など、県連により大きく対応が異なっているようです。
それにしても、正指導員の実質全員合格はいかがなものでしょうか。正指合格率は約6割で、単位受検者の合格率はこれよりも少し高い7割くらいです。つまり昨シーズンであれば落ちるはずの3割の方が滑りのレベル如何に関わらず「正指導員」として公認されてしまうことになります。
もっとも「ラッキー」なパターンとしては、D単位(理論)だけ取得して実技種目が一つも合格点に達しなかった人も、今シーズンは受検するだけで正指導員に公認されてしまうことになります。
長い伝統と歴史のある指導員検定にこのような「救済策」が採用されたことは、本当に残念なことで間違っていると僕は思います。指導員資格の権威を損なうことだとすら思います。
スキー教程が良い方向に変わりつつあることを喜ばしいと感じる今シーズンでしたが、このSAJの判断は本当に残念でなりません。
先週末に菅平高原スキー場で行われた準指導員およびB級検定員の検定会を見学してきました。これで今シーズンの一連の検定行事も(C級検定員検定を残して)ほぼ終了しました。
今シーズンの正指導員および準指導員検定に合格された皆様、誠におめでとうございました! 努力を重ねて栄冠を勝ち取った皆様と一緒に合格の感動を共有できたことが、なによりも僕の最高の喜びです。
思い返せば僕が準指導員資格を取ったのは6シーズン前の2007年。現在のような単位制ではなく、当時は実技9種目中7種目以上の合格+理論テストで合格でした。当時は「うまけりゃ受かる」的な傾向があって、プルークボーゲンが多少おかしくても大回りでコケたりしても、スキーヤーとしてある程度上手ければ合格できた気がします。しかし今は全単位を取らなければならないため苦手種目や失敗演技は許されず、しかもスキー教程に適合した滑りをしてこないと合格点が出にくいので、僕の頃よりも合格のハードルが高くなった気がします。
さて今シーズンの指導員検定はサポート役としてお手伝いしてきましたが、それを振り返って感想と意見を述べたいと思います。
自然で楽なるスキー教程も2年目になり受験生の理解も進みました。SAJ教典への忠誠心が試される、もとい(笑)、SAJ教程への理解度が試されるA単位だけでなく、スキーヤーとして実力が試されるB単位、C単位でも自然で楽な運動要素が求められたため、受験生の滑りには明確に運動要素を見せようという傾向が強く感じられました。その結果として、たしかに自然で楽なのかもしれませんが滑りに楽しさやダイナミズムが失われてしまった気がします。
今のスキー教程で提唱されている自然で楽なスキーと呼ばれるものでは「重力による落下運動」「ニュートラルゾーン」「フェースコントロール」「内脚主導」「脱力系の滑り」「自律神経」といった類のキーワードで示されるとおり、人間の筋力に頼らないパッシブな運動が推奨されてきました。
そういう運動によるスキーも一技術としてあり得るかもしれないですが、本ブログで繰り返し述べてきたように、自然で楽なスキーは筋力の要らないような限られた滑走状況にしか対応できない技術です。そしてアルペン競技や日本以外のスキー教程ではベース技術とされている外スキー主導とは全く正反対の内容になっています。スキーヤー(含むアルペン)のための一般技術および指導方法を述べるべきスキー教程で、そのような汎用性のない特殊な滑り方しか教えてこなかったことは大きな欠陥であったと思います。
スキーは道具を使うスポーツです。重力だけでなく雪面からの抗力・遠心力・人間の筋力などをバランスするようにスキー板を調節してターン弧を自在に描いたり、積極的に身体を動かして板の性能を引き出すことによってスピードを出したり、板をたわませて急斜面やコブ斜面を安定して降りてきたりするようなアクティブな運動にこそ、スポーツとしてのスキーの楽しさを見いだす人も多いのではないでしょうか。
昭和14年にスキー指導員検定が始まって66年。そのような伝統と歴史のあるスキー指導員検定会および日本スキー教程が、来シーズンこそ、スキー本来のもつアクティブさや楽しさを引き出すためのものに変わることを心から期待したいと思います。
先週末に朝里川温泉スキー場で行われたスキー指導員検定会を見てきましたので報告します。朝里川スキー場は2度目の訪問。前回は小樽観光も兼ねてのフリースキーでしたが、今回は正指導員検定を受験するクラブ員のサポート役としてやってきました。
到着した日の北海道は大雪。羽田発の飛行機が旭川に変更になるか、または羽田に引き返すかもしれないと脅されてのスタートです。無事に新千歳空港に着いたものの、そこからの小樽行きエアポート列車が大幅な遅延と運休。やっと来た小樽行きは途中の手稲駅で折り返し運転で降ろされてしまい、これは小樽までたどり着けないか?という不安が一瞬頭をよぎりました(汗)。なんとか乗り込んだ各駅列車でやっとこさ小樽に着くことが出来ました。今冬の北海道の大雪は歴史的レベルだそうです。
(大雪のなか凍えて列車を待つ手稲駅)
ホテルで着替えてゲレンデに出たのが午後1時。その日は受験生の種目練習とビデオ撮りを一通りすることができました。波乱のスタートとなりましたが滑れただけラッキーだったと思います。
二日目の朝に開会式がありました。スノーボード指導員検定会と同時開催であるところが面白いです。登山一成SAJ教育本部長の挨拶では、スキー指導員検定会が初めて開催されたのはなんと昭和14年であり、途中戦争で中断があったものの今シーズンで66年目を数える検定制度であることが紹介されました。へ~、指導員検定ってこんなに歴史のあるものとは知りませんでした。
(開会式会場にて)
さて午前中は検定バーンにて最終仕上げのビデオ撮り。時折雪がちらつくもののコンディション良し。午後1時からいよいよ検定実技開始。この日はA単位制動要素(イエローBコース下部)、C単位フリー滑走(イエローAコース半分)、B単位小回り(レッドAコース半分)の順で回りました。各バーンは綺麗に圧雪されており、非常に滑りやすかったです。
三日目も時折雪が降るものの演技の間は日差しが差す好条件。C単位不整地(グリーンAコース)、B単位大回り(レッドAコース全面)、A単位推進要素(イエローBコース下部)の順番で回りました。グリーンコースは朝一に全受験者によるデラ掛けが入りましたのでとても滑りやすい条件でした。
この日で実技検定は終了。晩はチームで小樽市街に繰り出して夕食。美味しい料理とお酒をたらふく頂きました(笑)。
(検定が終了して滑ったブルーコースからみた小樽市街と日本海)
最終日は9時から閉会式。講評のあとはドキドキの合格発表。A級検定員、スノーボード指導員、そしてスキー指導員の合格者が一人ずつ呼ばれて、壇上で合格認定証を受け取ります。我らが受験生は無事合格! 全種目とも運動要素をしっかり表現してノーミスの完璧な演技でしたので安全圏だとは思っていましたが、結果を知るまではやはり超緊張しました。知り合いの受験生2名も合格して、皆で喜び合いました。また尾瀬岩鞍会場で受験していたクラブ員仲間も正指導員2名、A級検定員1名が全員合格しました。本当におめでとうございます!
最後に朝里川会場の合格率データを掲載します。「自然で楽」なる教程も2年目になって受験生の理解が進んだためかA単位は合格率が高いですね。反面、B単位大回りの合格率が低いのが気になります。やはり上手いだけではダメで「自然で楽」なる運動要素が求められたためと思われます。準指導員検定(およびB級検定)でも同様の傾向になる可能性があるので要チェックですね。
スキー指導員検定会朝里川会場 合格率データ
理論 86.0%
A制動 89.4%
A推進 88.0%
B小回り 87.5%
B大回り 79.4%
C不整地 90.6%
Cフリー 89.1%
合格者 106名/158名中
合格率 67.1% (参考: 尾瀬岩鞍会場 66%)
先週末は指導員検定受験生のサポート役として、東京都連の第2回養成講習会(養講)の会場である菅平高原に行ってきました。1月に行われた第1回の養講に引き続いての同行です。2回目の養講になると講師たるブロック技術員の間の着眼点もぶれが少なくなり、何を表現するべきか/何をやったらいけないのかが明確になってきます。
自然で楽なスキー(ハイブリッドスキーイング)の教程も今シーズンで2年目となりました。A単位として取り入れられた「谷回りの連続」の制動要素と推進要素の表現内容もかなり明確になってきた感じです。求められる要素は昨シーズンとほとんど同じですが、今シーズンはB単位とC単位にも自然で楽な要素が求められるようになったようです。以下、僕なりの理解をまとめます。
A単位(谷回り連続・制動要素)
両脚の長さが等しいニュートラルポジション→内股関節の屈曲→内スキーのダダ漏れ(谷方向への横ずれ)→山回りで外スキーのズレ(外脚従動)→内股関節を伸展して両脚の長さを揃えて明確なニュートラルを表現、という一連の運動連鎖をプルークスタンスにて明確に表現します。昨シーズンとほぼ同じ運動を行えばよいと思います。
これに加えて、準指班ではスタートの仕方、後ろ寄り(踵)荷重、などが注意点として強調されていました。準指検定は東京都連の検定員で行われるので、これらの注意点は必ず守る必要があります。
A単位(谷回り連続・推進要素)
両脚の長さが等しいニュートラルポジション→内股関節の屈曲→ダダ漏れは不要ですぐにターンに入ってよい→滑走性の良い外スキー→内股関節を伸展して両脚の長さが等しい腰高のニュートラル、という一連の運動連鎖をプルークスタンスにて表現します。昨シーズンと異なり、内股関節の屈曲のあとは長い谷回りを表現する必要はなくなり、すぐにターンに入っても良いようです。
準指班ではスタートの仕方、ワイドスタンスをキープ、前寄り(つま先)荷重、フィニッシュを山回りで終わらせること、などが注意点として強調されていました。
B単位(整地大回り)
昨シーズンからB単位でも「自然で楽」な運動要素を見るという話でしたが、相変わらず「うまけりゃ合格」だった印象がありました。しかし今シーズンは本気で自然で楽なる運動要素を見るということになった模様です。従って求められる運動要素を明確に表現して滑る必要があると思います。イメージとしてはA単位の推進種目をパラレルスタンスで行うという感じで滑れば良いと思います。
ポイントは(1)内股関節の屈曲からターンが始まること、(2)腰高のニュートラルゾーンを通過すること、の2点だと思います。上手さを見せようとして角から角へ切り替えたり、低いポジションでの切替は行わない方が無難の様子です。
B単位(整地小回り)
大回りと同様に、自然で楽な運動要素を見せる必要があります。(1)内股関節の屈曲からターンを始動させ、(2)外スキーで斜面をしっかり削って外脚従動を表現する、の2点が求められていると思います。イメージとしてはA単位の制動種目をパラレルスタンスでリズム良く行うという感じで滑れば良いと思います。
C単位(フリー滑走)
B単位大回り種目と同じ自然で楽な運動要素を見せながら、途中でリズム変化を明確に入れれば良いと思います。
C単位(不整地小回り)
コブ斜面の場合は相変わらず「うまけりゃ受かる」です(^^;)。ズレズレではなくある程度のターン弧を描きながら一定のリズムで落ちてこないとマルが出にくいと思います。ただの荒れた斜面の場合はB単位小回り種目の要領で、内股関節の屈曲で落下を誘発→外スキー従動という運動要素でリズム良く滑ればよいと思います。
D単位(理論)
理論学習のポイントは去年の受験記にまとめてありますのでご参照ください。
自然で楽な運動要素を全ての単位で見るというのが今シーズンの検定ポイント。「BC単位はうまけりゃ受かる」と言われ、スキーヤーとして技能やポテンシャルの高さによって合否が左右しがちだったこれまでと異なり、自然で楽なる運動要素を明確に表現出来れば多少シルエットが悪くても合格点が出る可能性が高くなったと思います。やるべきことを明確に演技すればよくなった分、むしろ対策は立てやすくなったのではないでしょうか。
遅くなりましたが、B級検定員検定会の振り返りを行いたいと思います。B級検定員とはSAJによる公認スキー資格で、全日本スキー技術選の予選会、準指検定会、バッジテストなどで検定員となることできます。正指導員になると受験資格が得られます。
準指導員が受験できるC級検定会ではビデオを見て実技検定を実施していましたが、B級では準指導員検定会における準指受験生の実際の滑りを採点し、検定員の採点(=正解)と比較することにより合否が決まります。合否(75点以上)の適中率が70%以上、正解から±3点以内にあるという適中率が80%以上であること、そして理論試験が満点の60%であることが合格の基準です。
それでは振り返りに入ります。まずはデータから。
日時: 2012年3月10日(土)~11日(日)
会場: 菅平高原スキー場 (東京都スキー連盟主管)
受験者数: 94名
合格者数: 85名(合格率90.4%)
続いて、検定内容の振り返りです。
(1) 実技検定
準指検定会からA単位(推進要素)、B単位(大回り)、B単位(小回り)の3種目が選ばれ、それぞれ20名(合計60名)の受験生を採点しました。始め10名程度の準指受験生で検定員と目合わせをしてから、本採点に移る形式です。やはりA単位の採点が非常に難しく、途中で目合わせのやり直しが行われたくらいです。B単位はうまい・へたが比較的明確に分かれましたので採点しやすかったです。
(2) 理論検定
(理論試験の様子。前方が準指受験者、後方がB級検定受検者)
試験範囲は下記の通りです。
- 「スキー指導と検定」のうち「公認スキー検定員制度」の章
- 「オフィシャルブック」のうち「公認スキー検定員規程」
- 「オフィシャルブック」のうち「公認スキーバッジテスト規程」
- 「オフィシャルブック」のうち「「公認スキーバッジテスト基準及び実施要領」
例によってひたすら暗記です。特に1.のところはテキスト中の文章の穴埋め問題が出されるので丸暗記が必要です。実は僕は1.の存在に気付かず(^^;)、2~4だけを憶えて試験に臨みましたが、余裕で6割以上取れた模様です(^^;;)。なお理論試験は全員が合格だったとのことです。
最後に傾向と対策を箇条書きします。
- 噂や周りの検定員受験生の言うことに惑わされず、自分の「感性」に従って採点すること。
- 始めの目合わせで、自分の感性と検定員の採点とを比較し、どちら側に自分がぶれているかを的確に把握すること。メモを取るなどするとさらに把握しやすい。
- 検定員受験者を見渡すと、僕を含めて採点が甘めに出やすい。しかしそれよりは少し辛めに付けた方がよいようです。僕は7割くらい○を付けましたが、明らかに付けすぎだった模様です(^^;)。今回の検定でも、B単位なら5~6割、A単位は4~5割程度しか○付けない感じがちょうどよかったらしいです。
- 下敷き+透明ビニールを持参すると良い。採点しやすいし、雪(雨)が降ると紙がよれたり、字が書けなくなるのを防げる。
- 合否が迷ったら小さく印を付けておき、あとで移動中などに全体の○の数を調節して書き込むなども一手。
昨日行われた、公認スキーB級検定員検定会にて、無事B級検定員に合格することができました。
これで正指導員およびB級検定員と、今年の、いや、スキー人生での目標だった指導員系の資格を全て取得しました。もう、あの辛い理論試験を受けなくてよくなったと思うと、心の底から開放感に満たされています(笑)。
クラブの仲間達、スキー仲間達からの支援や助言のおかげで、僕はここまで進歩することができました。
みんなに改めて感謝すると同時に、これからは逆にみんなに恩返しする番だと思います。これからもどうぞよろしくね♪
本日は正指導員検定の着眼点および演技のポイントなどの傾向について振り返りを行おうと思います。私が受けてきた養成講習講師やブロック技術員からのフィードバック、および閉会式での種目別講評などを思い出しながら書きました。主に正指検定を想定しましたが、今度受けるB級検定員検定でジャッジする準指検定のことも少し想定しながら書きました。
A単位について
A単位で必要なのは、「見せるべき運動要素の理解と表現」と「やってはいけない運動要素の把握」です。「演技種目」だと思って、見せるべき運動要素(今年であれば内脚主導・外脚従働とニュートラルポジション)をはっきり大きめに表現して滑りました。またコツとして、少し後傾気味のポジション(かかと荷重のポジション)で滑ると演技しやすいです。
(a) 制動要素:見せるべき要素は、明確なニュートラルポジション→内股関節の屈曲→谷回りで内スキー横ズレ(ダダ漏れ)の表現→山回りで外スキーのズレ弧の表現→内股関節の伸展→明確なニュートラルポジション(以下繰り返し)という、一連の身体運動の連鎖です。本来はスムースに繋がるのが良いのですが、検定ではそれぞれの段階を明確に区切って表現するのもジャッジにアピールできてより安全だと思います。また、やってはいけない要素としては、外脚を動かしたり長さを変えること(外脚主導と見なされる)、外スキーの角が立ったズレの少ないターンをしないこと、遅すぎないこと(速すぎないこと)などです。
(b) 推進要素:見せるべき要素は、明確なニュートラルポジション→内股関節の屈曲→谷回りをやや長く取る(ダダ漏れは不要)→山回りで外スキーがズレながらも走る感じを表現→内股関節の伸展→明確なニュートラルポジション(以下繰り返し)。やってはいけない要素として、推進要素なのでスピードが遅すぎないこと、逆にスピードが速すぎて体軸が傾いて両スキーの外に漏れだしてしまうこと、外スキーを動かしたりすること、などです。
B単位について
(a) 大回り:かつては上手ければ取れるといわれたB単位ですが、今年の検定会からは「自然で楽なスキー」の要素を考慮したといわれています。なので、ポジショニング・ターン弧の質・スピードなど基本技能に加えて、谷回りをしっかり長く見せること、低いポジションは封印して腰高での切り替え、明確なニュートラル・ゾーンなど、教程に沿った滑りを表現することを心掛けました。
(b) 小回り:上手ければよいと思います(笑)。講評によると、トップとテールが同じ幅で動いていること、上下動を使わないこと、ターン後半で強いエッジングによる切り替えを行わないことなどが着眼点として見られていたようです。トップの動きが少ないテール振りだけの小回りはにならないように注意して、板全体がよく動きながらも荷重し続ける、今風のひねり系小回りで滑りました。
C単位
(a) フリー滑降: リズム変化を明確に出すこと。その上でスキーヤーとしての上手さ(スピードの高さや運動の大きさ)を見せればいいのかなと思います。
(b) 不整地小回り: コブの中をしっかりターン弧を作って滑ることが求められました。講評ではズレの多い安全滑りは評価されないということでした。
D単位(理論)
SAJのHPに掲載される「養成講習カリキュラム・自主学習用資料」に出ている箇所を集中的に丸暗記しました。その上で、常識で解ける「点くれ問題」と、必ず出される指導者規約と、小論文問題を合わせれば合格点の60点以上は確実に取れるはずです。小論文問題は高配点(30点くらい)といわれていますので、自分の言葉で指導者としての熱い決意を、SAJに対して肯定的な立場(笑)から、できるだけ余白を残さず解答用紙いっぱいに書きました。それに対して、「自然で楽なスキー」「谷回りの連続」「体幹主導」など技術用語問題の多くは、教程を理解しているだけでは不十分で、教程中の文章を「一字一句、正確に丸暗記」していないと解答できないやっかいな問題が出されました。広範囲にわたるテキスト文章を丸暗記することなど無理なので、自主学習用資料で憶えた範囲で解答し、当たったらラッキーくらいの軽い気持ちで臨むのがよいと思います(笑)。
さて、正指導員検定会の振り返りを行おうと思います。本日は菅平会場における受験者の合否データ分析です。単位受験者とは以前に受験して取得できなかった単位のみを受験した人。初回受験者とは今回A,B,C,D単位全てを受験した人を指します。
全体:
単位受験者 91名中、合格者 59名(合格率 64.8%)
初回受験者 153名中、合格者 91名(合格率 59.5%)
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合計 245名中、合格者 150名(合格率 61.2%)
都連所属:
単位受験者 35名中、合格者 24名(合格率 68.6%)
初回受験者 65名中、合格者 40名(合格率 61.5%)
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合計 100名中、合格者 64名(合格率 64%)
都連受験者の合格率は思っていたほど悪くないですのね。また、単位受験者の合格率は高いかと思っていましたが、結構落ちてるんですねぇ…
また、残念ながら各単位別の合格率は今回は公表されませんでした。
次回は、各種目の着眼点についてまとめたいと思います。