節分にはちょっと早いが、俺は恵方巻を作ろうと思った。
先日はかっぱ巻きを作ったが、海苔にすし飯を均等に貼らなかったから、蛇が卵を飲み込んだような形になってしまったのだ。
今度は失敗しないように気を付けよう。
俺はスーパーへ行って具材を買い集めた。
まぐろとサーモンのさく、だし巻き玉子、かにかま、きゅうりだ。
いくらと、飛び魚の卵は家にあるものを使うことにした。
具材は7種類になった。
さぞ、美味しく素晴らしい恵方巻ができるだろうと想像する。
そば打ちに使うこね鉢にご飯を広げて、すし飯を作った。
巻きすに海苔を敷き、すし飯を貼りつける。
このとき、厚さが均等になるように気をつけた。
均等にしないと蛇が卵を飲み込んだようになるからだ。
具材を並べる。まず、まぐろを並べ、わさびを塗る。
それから、サーモン、だし巻き玉子、かにかま、きゅうりなどを並べた。
その上にいくらのつぶつぶを置いていく。
飛び魚の卵は、すし飯の上に振りかけた。
さて、巻き始めよう。
俺は緊張しながら、巻きすを巻いていく。
出来た。均等に巻くことができた。ため息がでた。
恵方巻の両端から具材がのぞいている。
俺にだって恵方巻は作れるのだ。俺はうれしくなった。
それから、食べやすいように二つに切った。
切り口から見える七つの具材を見て楽しむ。
いい気分だ。
さて、食べよう。今年の恵方は南南東だ。
幸い、テーブルの俺の席は南南東を向いている。
女房は俺の方を向いて食べようとしたから、俺は南南東と反対ではないかと注意した。
俺は女房の真後ろにいるかっこうになった。
だから、女房から俺の姿は見えない。
互いに何を願いながら食べるかは秘密だ。
二人で南南東を向いて食べ始めた。
俺は恵方巻をかじった。
すると、まぐろが抜けて口からぶら下がった。
こんな無様なかっこうは女房から見えないのだ。
二口、三口と食べていくと、今度は恵方巻の下の方から
サーモンがにゅるりと滑り落ちた。
主な具材がなくなった海苔巻きだけが手に残った。
巻きすで巻くときに、力が足りなかったためではないかと思う。
俺は抜けてしまったまぐろとサーモンに、醤油を付けて食べた。
これでは願い事がかなうはずがない。
そして 見たわ とても よく出来ていますよ
良く出来ましたね (*'▽')
私わ 特に 願い事も無く、恵方巻
作らない事、そして 食べない 事に
します。
私などは今は噛み切る力も落ちてきているので、一口で入るように切っていただくことにします。丸かじりもいいけど。それだった大丈夫。効き目ありですよ。
すけつねさんすてき。すてきねさんにしようかな。奥さまはサーモン落とさなかったはずですよ。コメントはなかったのかしら。
「あなたもう一人前ですわ」とかなんとか。
食べてるうちに、崩れて残念。
俺はまじめに恵方巻を作ったのになあ。