今日も女房は電車で、押し絵教室へ出かけた。
押し絵で歌舞伎役者の羽子板を作っているそうな。
俺はまた、一人で昼食か。
俺は何を食べようかと考える。
明日は9月1日、防災の日だな。
そうだ。非常食を食べてみよう。
非常時に備えて、食べる練習をしておこう。
女房がリュックに入れておいた非常食があるはずだ。
取り出してみたら、ご飯だ。6食分入っている。
しかも、あと少しで賞味期限が切れるものだ。
俺は非常用のご飯を食べることにした。
パックに入ったごはんは、まずいだろう。
これを美味しく食べる方法を考えればよいのだ。
戸棚を探したら、レトルトの“ビーフカレー”を見つけた。
これをかけて食べれば、まずい非常食だってカレーの味で美味しく感じるはずだ。
俺は説明書を読む。
ご飯もカレーも、電子レンジでチンをするか、湯せんにすると書いてある。
俺は疑問に思う。地震や台風で電気やガスが止まったら、どうするのだ。
非常食は乾パンのように、手を加えなくても食べられるものがよいのではないかと。
俺はまず、ご飯をレンジでチンをして試食してみた。
驚いた。まずいと思っていたパックご飯が美味しいのだ。
モチモチしていて粘りがある。餅米のような感じだ。
俺はこれにレトルトカレーをチンしてかけた。
ゴーヤの佃煮とラッキョウを添えた。
食べてみた。一人で食べてみた。
美味しいのだ。
今回の俺の料理は失敗せず、完璧に出来たのだ。 万歳!!
しかしなあ。一人で食べるのはつまらないなあ。
今頃、女房は押し絵の仲間と団らんしながら、お弁当を食べているだろうなあ。