恐竜展に怖くて入れない子
那須野が原博物館へ恐竜展を見に行った。
巨大な恐竜の骨格の展示は迫力がある。
館内は大勢の親子連れで賑わっていた。
子供たちは恐竜を観察したり、スマホで撮ったりなどして楽しんでいる。
ほとんどの子供たちが満足そうにしている様子がうかがわれた。
恐竜の展示している部屋とは別の所で、母親と来た5歳ぐらいの男の子が、しょんぼりとしている。
手には恐竜の絵カードをしっかりと握っている。
他の子と様子が違うので気になり、声を掛けてみた。
すると、黙っている子供に代わって、母親が話してくれた。
恐竜が好きなので連れてきたけれど、怖くて見ることが出来ないとのことだ。
子供は恐竜の絵カードを集めて楽しんでいたが、骨格だけの巨大な恐竜に恐れたようである。
絵カードからは、全長13メートルもあるタルボサウルスを想像することはできない。
しかも、骨格だけでは、絵カードの恐竜とはまるで違う。
せっかく楽しみに来た恐竜展だが、見ることが出来ないのだ。
我々が、昔の美男美女の骸骨が並んでいる所に出あたら、恐れるのと同じことだ。