夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

ベタ褒め作戦失敗 ああ無情

2013年01月31日 | 俺の女房は- - -

  ギックリ腰の俺を女房が強制的に歩行訓練をしたので,何

とか歩けるようになった。  けれども,洗顔のために体を曲

ることはできない。  俺は食後に茶碗でお湯を飲むのが

習慣化している。  だから女房は食事が済むと黙っていて

もお湯を汲んでくれていた。 (過去形)

 しかし,ギッくり腰になってからは,全く無視している。

 俺が「お湯」と言っても,聞こえないふりをしているのだ。

 やむを得ず,俺は痛さを堪えて立ち上がり,ポットへお湯を

汲みに行く。  これも歩行訓練とのことだ。

 腰はまだ痛む。 椅子から立ち上がるのも苦痛なのだ。

 

 俺は作戦を考えた。 ベタ褒め作戦だ。

 「今日の味噌汁は昆布のダシが効いて特においしい」

 「厚焼きタマゴは隙間がなく巻けているね。 柔らかくて,

甘さもちょうど良い」 「料理の腕が良い」 などと女房を褒め

称える。  このくらい褒めておけば,以前のようにお湯を汲

んでくれるだろうと,期待に胸を膨らませる。

 

 食事が済んだ。  女房の前に茶碗をそろりと置いた。 そして,

恐る恐る女房を見上げた。  目と目が合った。  女房は虎が

獲物を狙うような鋭い眼つきをしていた。  俺は目を伏せた。 

 ベタ褒め作戦は失敗した。  俺はテーブルに両手をつき,

力を入れて「よいしょ」と掛け声をかけて立ち上がり,茶碗を

両手で持ってポットまで歩いて行く。  レ・ミゼラブルの囚人

歌を心の中で歌いながら。

 「下を向け,下を向け。目を合わせるな,目を合わせるな」

              ああ無情

 


レ・ミゼラブル

2013年01月23日 | 俺の女房は- - -

 

  女房に連れられて,ミュージカル映画 「 レ・ミゼラブル 」 を観に行った。

 囚人たちが波に打たれながら,ドックの中へ帆船をロープで

引いている場面で映画は始まった。

 監視の中で囚人たちは 「 下を向け,下を向け。目を合わせるな。

下を向け,下を向け。目を合わせるな 」 と歌いながらロープを引いていく。

 以前,帝国劇場で 「 レ・ミゼラブル 」  のミュージカルを観た記憶と

重ねながら観賞した。

 ジャン・バルジャンを執拗に追い詰める刑事ジャベール。

 革命が起き,バリケードを築いて戦う若者たち。

この中に潜り込み,スパイをするジャベール。

捕らわれて処刑されそうになったジャベールを助けるジャン・バルジャン。

 銃で撃たれた革命戦士マリウスがコゼットの恋人と知り,

肩へ担いで助け出そうとするジャン・バルジャン。

 彼を待ち伏せして捕まえようとするジャベール。

しかし,なぜか見逃すジャベール。

 コゼットとマリウスの結婚を見届けてから,

独りでひっそりと暮らすジャン・バルジャン。

 衰弱したジャン・バルジャンを

天国へ迎えようと歌う,コゼットの母親の霊。

 人々の心の葛藤がミュージカルで表現されていく。

 素晴らしいミュージカルに感動した。

 帰宅後も,女房と映画のことで語り合った。

 

 翌朝,目が覚めた。

映画の余韻が続き,囚人の歌を思い出す。

「 下を向け,下を向け。目を合わせるな 」 と。

 俺は決意した。

女房から小言を言われたら,無駄な抵抗はやめて

嵐が去るまで囚人の歌を心の中で歌い続けようと。

「 下を向け,下を向け。目を合わせるな。

下を向け,下を向け。目を合わせるな 」

 

“ああ,無情”

 

 


駅へ女房を迎えに行った

2013年01月20日 | 俺の女房は- - -

 昨夜,電車で帰ってくる女房を迎えに行った。

駅の跨線橋の階段を上がり,改札口で待った。

 女房の厳しいトレーニングのおかげで,

階段を登れるようになるまでギックリ腰が軽くなり喜んだ。

 女房の方だって俺が歩けなくなったら,

駅への送迎がなくなるから困るだろうよ。

 「亭主のおかげで女房は遠出できるのだ」と,威張ってみたい。

 

 でもなあ,こんなことを言ったら,どんな返答がくるだろうな。

女房のことだ。おそらく,「大丈夫ですよ。心配しないで。

代わりのヒトを探しますから」と。 (>_<)

 

 でもなあ,そんなヒト,本当にくるかなあ? (^O^)  

 


タコ焼きとタイ焼き

2013年01月17日 | 俺の料理

 デパートで,タコ焼きとタイ焼き作りを見た。

俺は勝手に面白いことを想像して楽しむ。

 「タコ焼きには蛸が入っているのに,

どうしてタイ焼きには鯛が入っていないのか」と,

お兄さんに尋ねたとすれば,どんな返答がくるだろうかと。

 

  多分「オメデタイ爺さんだ」と言われるに違いない。

質問するのは止めておこう。

  

 

 


ファミレスは極楽かも?

2013年01月13日 | 俺の女房は- - -

 女房と二人で久しぶりにファミレスへ入った。

伝票の下に小さな字で書かれている文を読んだ。

「着座後,5時間以上利用されているお客様は会計をお済ませください」と。

 5時間もねばる人がいるのかと,店長に尋ねたら,行き場のないらしい人が

長時間居座ったあげく,食い逃げをする者がいるそうだ。

これを防ぐために5時間以上の客には出てもらったり,

不審者には逃げられないように玄関に店員を配置し,監視しているとのこと。

 

 俺も鬼女房から逃れてファミレスへ行き,5時間でも,心静かに過ごしたいなあ。

ドリンクはお代わり自由で冷暖房付き,

女房にガミガミ言われないで時を過ごせるから,極楽のようだ。

でもなあ,行き場のない俺の様子を怪しんで,

逃げられないように監視がつくかも。

それになあ,鬼女房のことだ。ファミレスへ行くのに,

許可してくれるかなあ。心配だよ。(´・ω・`)

 

 


地獄の方が楽しいよ

2013年01月10日 | 日記

 

 桂枝雀の落語,「地獄八景亡者戯」の動画を見た。

 地獄では幽霊がラインダンスをするなど,賑やかで楽しい所と語るから面白い。

 俺は将来に備えて,恐山へ地獄極楽の下検分に行ってきた。

 極楽は清く澄んだ湖に山々が映えて,実に穏やかな所だ。

 もし,俺がそこへ行ったとしたら,退屈で余計ボケてしまいそうだ。

 地獄には名所がたくさん有り,物好きな俺には興味深いところだ。 ここでは鬼どもを,どうからかおうかと空想を巡らし楽しむことができる。

 でもなあ,ギックリ腰では針の山には登れないよ。

 

 (地獄・極楽のご案内)

http://suketsunenoheya.web.fc2.com/16osorezan/osorezan.html

 

 


女房は獅子のごとし

2013年01月08日 | 俺の女房は- - -

 

女房は俺をクルマに乗せて街へ連れて行った。

そして,ぎっくり腰の俺を下ろして帰ってしまった。

俺は歩いて家に帰らなければならなくなった。

帰って行くクルマを見つめながら,俺の頭に映ったものは何か?

断崖から我が子を突き落とす獅子と,女房の姿が重なって映る。

俺は断崖から突き落とされた子獅子と同じだ。

やむを得ず,杖をつきながら家へ向かって歩く。

突き落とされた子獅子が崖をよじ登って母獅子へ向かうように。

歩道は歩きにくい所だ。

歩道の一部である側溝のフタの構造に問題があり,

4センチ程の隙間が空いている。

気をつけないと,杖の先が穴に落ちて転倒する恐れがある。

転んだらまた,ぎっくり腰だ。

2キロ程の道を休み休み歩いて,

家へたどり着くまでに,70分もかかった。

今度は女房からクルマに誘われたら,気をつけよう。

 

お役人さ~ん

一度で良いから,杖をつきながら歩道を歩いてくださいよ!!

出来ればぎっくり腰になって,杖をつきながら夜道を歩いてくださいよ!!

危険な所がよく分かるよ!!

側溝のフタの穴を,塞いでくださいよ!!

 

 


従順な奥様か?

2013年01月05日 | 俺の女房は- - -

 

嫌がる俺を女房は街へ連れ出し 歩行訓練とやらを始めた

ぎっくり腰で杖をつきながら ヨタヨタ歩く後ろから

叱咤しながらついて来る

「 杖に頼らないで !! 

「 体が曲がっている!!  真っ直ぐにして!! 」と

       を飛ばす  キビシイナア  

俺は従順に 「ハイ」 「ハイ」 「ハイ」 と こたえながら

そろりそろりと 歩く

事情を知らない世間の人々は 女房を見て

旦那様から 三尺下がって 静かについて行く

従順な奥様と 思っていることだろうよ

従順なのは俺の方だよ (´;ω;`)

 


けん玉で リハビリ

2013年01月01日 | 日記

 

けん玉でモシカメをやった

もしもしかめよの歌に合わせて 玉を二つの皿に交互に移動させる

足腰をリズミカルに上下運動するから ぎっくり腰のリハビリに良いようだ

俺は女房に自慢顔で言う

腕が落ちたなあ  昔はけん玉の名人と言われていたんだぜ!!

 

どうせ俺の子供の頃のことは知らないだろうから ウソがまかり通るのだ

ぎっくり腰でつけるのは 杖つきとウソつき

 

臼つきは夢のまた夢