俺はローストビーフを作った(ワインが足りない)
男の料理教室で、ローストビーフの作り方を教わった。
先生の指図通りで、何とか上手に出来た。
俺は家で作ることにした。
料理教室では、牛もも肉150グラムであったが、俺は420グラムの肉を買ってきた。
420gもあれば、女房と二人で充分に食べられる。
まずは、牛肉を柔らかくするために、肉をホークでつついて、たくさんの穴をあけた。
それから、ゴマ塩をふりかけてまぶした。
フライパンにオリーブオイルを熱し、強火で肉を焼いた。
全面にこんがりと焼き色を付けた。
焼いた肉をラップに包み、ジップロップに入れ、空気を抜いて閉じた。
鍋でお湯を沸かし、沸騰したお湯にジップロップを入れ、3分間グラグラと温め、火を止めた。
料理教室では、火を止めてから5分間で取り出したが、これは150gの場合であって、大きな肉の場合は15分ぐらい必要と教わったので、その通りにした。
肉が大きくても小さくても、煮詰める時間は3分間だそうだ。
鍋からジップロップを取り出した。
このまま、しばらく冷やすようにと教わっていた。
冷やすと肉が切りやすいそうだ。
俺はジップロップをボウルに入れ、氷と水を入れて冷やした。
それから冷蔵庫で、さらに冷やした。
グッドアイデアだろう。
牛肉を焼いたフライパンには肉汁が残っている。
これに調味料を入れて、タレを作るのだ。
醤油、ミリン、砂糖、おろし生姜、おろしにんにくを入れ、フライパンを温め、混ぜ合わせた。
タレができた。良い味だ。
肉をできるだけ薄く切った。
お皿にベビーリーフを並べ、その上にローストビーフを盛り付け、タレをかけた。
女房と二人で食べることにした。
まずは、ワインで乾杯。
食べてみた。とても美味しい。
俺としては100点満点の出来栄えだ。
女房も味はよく、美味しいという。
俺は満足。
しかし、女房は続けて言う。
ホテルで食べたときは、肉はもっと薄く切ってあったよ、と。
ホテルでは、薄いから肉にサラダを挟んで食べられた、と。
俺の切った肉は厚くて、噛むのに大変とのことだ。
だから、100点でなく80点だそうだ。
二人でワインを飲みながらローストビーフを味わう。
女房の言うように肉はもっと薄く切ったほうがよさそうだ。
しかし、ホテルの一流コックの腕前と、俺の腕を比べられたのではどうしようもないのだ。
グラスのワインがなくなった。
2杯目をついだ。
ワインのビンを傾けたが、グラスに半分しかない。
ビンを逆さまにして、最後の一滴を入れた。
半分しか入っていないグラスを見つめる。
女房は戸棚に買い置きのワインがあるかと探したが、無い。
しかたがないから、俺は一杯半で我慢することにした。
すると、女房は自分の飲みかけのグラスを俺にくれた。
ありがとう。ヽ(^o^)丿