夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

花子とアンと、白蓮の放送(9月24日)

2014年09月24日 | 花子とアン

NHK連続テレビ小説、花子とアンで白蓮がラジオ放送をする場面があった。

私はこのドラマの中で、もっとも感動したところである。

これを書き留めておきたい。

 

【白蓮が放送した内容】 

 私が今日ここでお話したいのは、平和の尊さでございます。 

先の戦争で私は最愛の息子、純平を失いました。 

私にとって息子は、なにものにもかえ難い存在でございました。 

お母様は僕がお守りします。 幼いころより息子はそう言って母である私をいつも守ってくれました。 本当に心の優しい子でした。 

子を失うことは心臓をもぎ取られるよりも辛いことなのです。 私は身をもって知りました。

 もしも、女ばかりに政治をまかされたならば、戦争は決してしないでしょう。 

かわいい息子を殺しに出す母親が一人だってありましょうか。 

もう二度と、このような悲痛な思いをする母親を生み出してはなりません。 

もう二度と、最愛の子を奪わせてはならないのです。 

戦争は人類を最大の不幸に導く唯一の現実です。 

 最愛の子を亡くされたお母様方、あなたがたは一人ではありません。 

同じ悲しみをいだく母が全国には大勢おります。 

私たちはその悲しみを持って、平和な国を作らねばならないと思うのです。 

私は命の続く限り平和を訴え続けてまいります。

 

 


花子とアンと焼夷弾

2014年09月18日 | 花子とアン

 先日の朝ドラ・花子とアンで、焼夷弾落下の場面を見た。

焼夷弾はバラバラと降ってくる。  

バケツの水ぐらいで、とても消せるものではない。

アメリカの大型爆撃機・ B29 一機で焼夷弾を1300発以上も投下するのだから、100機では13万発以上もの焼夷弾が降ってくるのだ。

昭和20年3月10日の東京大空襲ではB29が279機で襲い、38万1300発もの焼夷弾を投下した。

 家に落ちた焼夷弾が発火する前に、両手で拾って外へ投げようとした勇敢な女学生を知っているが、投げる前に発火し、両手はやけどで使えなくなってしまったという。

 

 俺は戦時中の昭和18年、函館の啄木像の近くに住んでいたことがある。

母親たちは役人から焼夷弾の消し方の訓練を受けていた。

役人が亀の子たわしを焼夷弾に見立てて、「焼夷弾落下」と叫びながら、玄関から家の中へたわしを投げ入れる。 

すると、母親は箒でそれを叩いた。 

それから空のバケツで水をかけるしぐさをした。

俺はまだ5歳のときだったが、役人や母親の様子をしっかりと記憶している。

日本の戦争指導者たちは焼夷弾の火炎を箒やバケツの水で消せると考えていたのか。

認識不足もはなはだしい。

 

 後に姉から聞いたことであるが、父が母から箒で焼夷弾の消火訓練の様子を聞いたとき、無駄なことだと非難したそうだ。 

また、当時母親たちが隣組の人たちと、函館の浜から上陸してくる敵兵に向かって、竹やりで戦う訓練を受けていたことも、父は馬鹿馬鹿しいと笑っていたという。

 この当たり前のことを他人に聞かれたら非国民と言われ、特高や憲兵につかまり、投獄される恐れがあったのだから、母は父に決して言わないようにと注意していたそうだ。

 英語の本を持っているだけで、花子は愛国婦人会の人たちに非国民と言われ、本を取り上げられた時代だったのだ。

テレビの「花子とアン」を観ながら、あのときの記憶がよみがえってきた。

 俺の父親は竹やり訓練や、箒で焼夷弾を消す訓練を馬鹿馬鹿しいと非難していたから、他人に聞こえたら非国民とされて訴えられたであろう。

 すると、俺は非国民の子供となる。 

いじめられただろうなあ。 


花子とアンと葡萄酒

2014年09月10日 | 花子とアン

朝ドラの花子とアンを観ている。

ドラマでは戦時中が舞台になっているので興味深い。

花子の父・吉平が甲府の葡萄酒を軍に根こそぎ持って行かれたと嘆く。

地主の徳丸親子は吉平が隠していた葡萄酒を、敵の潜水艦を探すのに必要だから出せというくだりがあった。

 

葡萄酒の成分で武器を作っていたのには驚いた。

俺は戦時中に、飛行機や鉄砲を作る為と言って、家にある鍋釜や弁当などの金属を出させられたことを思いだした。

松の木の根から油を搾りだし、飛行機の燃料を作るからと、多くの松の木が切り倒されたこともあった。

しかし、俺は葡萄酒まで武器の材料になったことを知らないでいた。

葡萄酒の成分をいかにして潜水艦探査に使うのかとネットで調べてみた。

 

葡萄酒から「ロッシェル塩」という物質をとり、海中の音波振動を電気信号に変換するための材料として使うのだそうだ。

 

葡萄酒は気持ちよく飲むためものだ。

鍋や釜や弁当は食事のために使うものだ。

決して武器製造のためにあるものではない。

日本が再び戦禍に巻き込まれないことを祈る。