夢職で 高貴高齢者の 叫び

          

ギックリ腰の歩行訓練中に歌の本に逢う

2016年09月13日 | ギックリ腰


散歩の途中で見つけたカマキリ

          ギックリ腰の歩行訓練中に歌の本に逢う

 

ギックリ腰がまだ治っていない。 腰ばかりか膝も痛む。

歩くと痛さが増すし、苦痛は翌日まで影響する。

足が衰えないようにと家の周りを歩くようにしているが、500m程で疲れてしまう。

これではいけない。 自分の身体に鞭打って頑張ろうと思った。

妻がクルマで外出するときに同乗し、2キロ程先で降ろしてもらった。

こうすれば何が何でも家を目指して歩かなければならない。

街へ出かけてクルマを降りた。

ゆっくり歩いた。

そのうちにヨタヨタ歩きになってしまった。

少し歩けば、喫茶コーナーのあるスーパーがあるはずだ。

歩道をヨタヨタ歩む。

道路を横切らなければスーパーへ行けない。

いつもなら、何の苦も無く横切る道路なのに、慎重に構える。

何台も何台もクルマを見送り、やっとのことで手をあげて道路を渡る。

スーパーの喫茶コーナーの椅子に腰を掛けて、缶コーヒーを飲みながら休憩。

すると、私のそばに見慣れぬ女性が近づいてきた。

そして、手作りの本を差し出し、「このテーブルに置いてください」と言って去った。

店員ではないようだ。

冊子を見ると、A4を二つ折りにし、10ページ程の物が4冊あった。

色紙に絵と筆書きの文章を書き、縮小コピーしたものや、ワープロで作成した俳句や和歌などが書かれている。

「朝顔」と題した本をめくった。

朝顔の俳句がたくさん書かれ、著名な作家の名が並ぶ。

芭蕉、一茶、蕪村、夏目漱石、正岡子規などだ。

 一つだけ私の知っている歌を見つけた。

千代女の「朝顔につるべ取れれてもらい水」である。

自作の俳句や仲間の句も書かれてあった。

 

別の冊子で室生犀星の「ふるさとは」に目がとまった。

色紙に花を描いて、筆で詩が書いてある。

 

     ふるさとは遠きにありて思ふもの

     そして悲しくうたふもの

     よしやうらぶれて 異土の乞食となるとても

     帰るところにあるまじや

     ひとり都のゆふぐれに

     ふるさとおもひ涙ぐむ

     そのこころもて

     遠きみやこにかへらばや

     遠きみやこにかへらばや

 

若いころは感傷的になって、繰り返し読んだ歌だった。

小冊子をしばらく読んだ。

地道に小冊子を作り、配布している人に感謝。

歩行訓練で外出したから、こんな良いものに出会えたと満足に思う。

30分程休んでから、家へ向かう。

休み休み歩き、ヨタヨタと玄関にたどり着いた。