昨日の記事の続きです。
昨日、土曜日の夜、地元のクリケット・クラブで開催されたボンファイヤ・ナイトのイベントに夫と二人で出かけました。
呼び物は花火の打ち上げ。
大人1人5ポンドの入場料が徴収されます。
クリケット競技場の ずうっと奥の方で篝火(かがりび、ボンファイア)が煌々と燃えています。
上は、明かりがともる、クラブハウス付近で撮った写真です。
実は、暗いのです。
クリケット競技場の、クラブハウスと篝火の間の広い空間には明かりが全くありません。
夜空にオレンジ色の火の粉がキラキラ舞って、うっとりするほどきれいです。
立ち入り禁止の綱をめぐらせた篝火の周りは闇の中に明かりが揺らめく異次元空間のような雰囲気です。
木のすぐそばで ちょっと危ないんじゃないか、と思いました。
しかも、薪(建材や古家具が積み上げてあります)の向こう側ばかりが燃えています。
目の前で燃え盛る炎で体の前が火照るほどあたたまる、ボンファイヤのだいご味が今一つでした。
花火の打ち上げ時間直前に入場しました。
頭上で連続して炸裂する打ち上げ花火の迫力に圧倒されました。
花火の写真をスマートフォンのカメラで撮るのは難しいですね。
迫力が伝わりません。
イギリスの花火は色とりどりの閃光がシューッと上がってパンパン炸裂型が主流、スピードと量が勝負です。
パッと広がった色彩豊かな花のように華やかな形を一瞬とどめてはらはら散る日本の花火のような絢爛とはかなさ、は期待できません。
数発いっぺんに上がって旋回しながら、あるいは雨粒のようにバラバラ落ちてくる間に後発の花火もひゅんひゅんあがり一発ごとの余韻を楽しむ余裕はありません。
目くらまし、音、硝煙のにおい、モクモク煙で夢のような空間を作り上げています。
日本の花火のような「パッ、ハラハラ…」タイプも もちろん人気ですが、華やかさは日本のものにとても及びません。
15分ほどパンパン、ダダダダダダ、ひゅーん、バリバリ....花火のディスプレイを堪能したあと、クリケット場は煙モクモク状態。視界は悪く、しかも真っ暗。足元は連日の雨でぬかるんでいます。
クラブハウスの明かり(飲み物を買う人たちでごった返していました)を目当てに暗がりの中を出口に向かってそろそろ進みます。
明るい場所で遠くの暗い夜空に打ち上げられる豪華な花火を 安全に快適に見物した 日本の夏の花火大会とは大違い、混とんとワイルドさが特筆ものです。
夏には夜の11時ごろまで日が暮れないイギリスでは、花火は日暮れの早い秋冬に上げるものなのです。
冴え冴えと冷え切った夜空に映える秋冬の華やかな彩りです。
篝火の夜、ボンファイヤ・ナイトと大晦日のカウントダウン(年明け宣言)の後が有名なのですが、好きな時に個人的に買ってきて、日暮れ後の庭や空き地でパンパン打ち上げている人もけっこういます。
パーティーを盛り上げる小道具として効果的です。
遠くでよその人たちが あげる たくさんの花火を自宅の明かりを消してちゃっかり眺めるのもボンファイア・ナイトと大晦日の楽しみなのですが...
さすがにプロがあげる今回の打ち上げ花火の連打、しかもほぼ頭上で!(見物料まで取る)は迫力が違います。
クリケット・クラブのクラブハウス裏のファン・フェア(臨時の遊園地)もちょっとのぞいてみました。
機関車トーマスの生首が笑う、機関車トーマス・テーマらしい乗り物。
花火の打ち上げが終わった後たくさんの人たちと帰途につきました。
住宅街は家路につく人々でいっぱい。
花火が終わっても篝火は燃え続けていますし、飲み物の販売も続いているようです。
火のそばでガイフォークス・ナイト(ボンファイヤ・ナイトの別名)を祝うために 遅くまでとどまる人もけっこういそうです。
クリケット・グラウンドに面した家々の人たちは無料で花火を毎年楽しんでいるようです。
いいなぁ...
毎年毎年、家の前に車をいっぱいとめられたり大勢の人に一晩中ざわざわ行き来されるのはもしかしたらけっこう煩わしいかもしれませんが。
ボンファイヤ・ナイトについて詳しく書いた去年の記事のリンクです。↓↓
英国史の陰惨な一コマ、未遂に終わった火薬陰謀事件を記念して始まった秋の気分盛り上げイベントガイフォークス・ナイト