イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

なんだかショボい...ストックポートのショッピングセンター内のクリスマス・マーケット

2019年11月16日 22時53分11秒 | ストックポートとその周辺

一昨日、土曜日にオープンしたストックポートのクリスマス・マーケット。


ショッピングセンター、マージー・ウェイ内のオープンスペースにバラバラと庭のシェッド shed(物置小屋)のような仮設店舗が並びます。


ヨーロッパ[大陸]伝統のクリスマス・マーケットはイギリスでも今ではすっかりおなじみです。
この時期、イギリス各地で開催されています。

オープン前の、金曜日の午後に通りかかった時のもの哀しい準備中の光景です。




なんだか、ニュース映像で見た金網で囲われたヨーロッパの難民収容所の光景を思い出してしまいました。

そもそも、クリスマス・マーケットといえば、ドイツやベルギーや東欧が本場なはずなのです。
古い街並みを誇るヨーロッパの歴史ある都市の広場に日暮れ後 華やかに電飾がともり、ウィンター・ワンダーランド=おとぎの国のようなロマンチックな雰囲気を楽しむイベントです。

日本でもヨーロッパの「クリスマス・マーケット」ツアーが人気だそうですが、イギリスにも、「本場の!」クリスマス・マーケットに一度は行きたい、...と思っている人がけっこういるようですよ。

イギリスでヨーロッパ本場のクリスマス・マーケットの雰囲気を最初に取り入れたのは、マンチェスターのクリスマス・マーケットだといわれています。


当初は「ジャーマン・マーケット」とよばれ、「ドイツ物産展」のようだったマンチェスターのクリスマス・マーケットは憧れの「本場のヨーロッパ風」クリスマス・マーケットの雰囲気を上手にマネしていたと思います。

その後、イギリス各地で独自のクリスマス・マーケットを冬の客寄せ商業イベントとして立ち上げ、成功を収めているところが増えているようです。

ドイツだけではなくヨーロッパ各地の工芸品や、ストリート・フードをメインに地元や発展途上国で作られたギフト用品まで売るようになった今でも、本家ヨーロッパ風クリスマス・マーケットの代表格であるらしいドイツベルギーは別格「本家」イメージが強いのです。

クリスマス・マーケットといえば、どこもベルギー風ワッフル!です。


それと、ジャーマン・ソーセージ。





ああ、でもこのストックポートのクリスマス・マーケットのショボさはどうでしょう!!

仕事の帰りに通りがかったので、私も「ジャーマン・ソーセージ」を食べました。


3ポンド50ペンスもした上の写真のジャーマン・ソーセージ・ロール(roll=ホットドック用のパン)のまずそうなこと!

日本の「フランクフルト」のような、確かにドイツ製法の香ばしいソーセージでしたが、おそらくはドイツ系安売りスーパーマーケット、リドル Lidle か アルディー Aldi で大量に仕入れたらしい20本入りソーセージのパックの安売り製品でした。(プラスチックの密閉袋から出してバーベキュー釜にのせるところを見てしまいました)

そして、開く際に半分に割れてしまったパンを堂々と客に供する空恐ろしいほどの厚かましい度胸もさることながら、中がボロボロの安物のパンの実際まずかったこと!!

毎年 同じドイツ人の家族がやって来て 目の前で焼いてくれる マンチェスターのクリスマス・マーケットのジャーマン・ソーセージは、外皮がサクッと、中がむっちりフランスパンのような食感のしっかりしたおいしいロールに挟まれて出てきます。

ベルギー風ワッフルを食べさせる店でクレープやドーナツを売ったら雰囲気がぶち壊しではありませんか!?
同じミックス(タネ)を使いまわしするつもりなのでしょう。

本場ベルギーのワッフル屋はそんなことしないでしょうね。

ちなみに、ワッフル/クレープ/ドーナツ店の人とは話をしていませんが、ジャーマン・ソーセージ売りのカップルはどちらもバリバリの地元ランカシャー訛りを話すイギリス人でした。

ドイツにもベルギーにも行ったことのないイギリス人がクリスマス・マーケットだからとにわか仕込みで店を出しているのかもしれません。
ストックポートのクリスマス・マーケット、今年で4年目です。


「イギリスもの」も出店していました。

地元の出店らしいイギリスのチーズ生産者が店を出していました。


イギリスを代表するチーズ、チェダー Chedder にドライフルーツをくわえたものが中心の品ぞろえでした。


ヤギやヒツジのチーズも売られていたらしいのですが、よく見ませんでした。


今度通ったら、味見させてもらって、おいしかったら買ってきてもいいかな、と思っています。


巨大なヨークシャ・プディングに野菜やローストした肉類を詰めてくれる、イギリス料理の個性的なストリート・フード版。



金網で囲われた難民収容所から解放された雪だるまとサンタクロースの活躍ぶりです。





....はっきり言って、ストックポートのクリスマス・マーケットを目当てにストックポートに出てくる人がいるとはまったく思えません。
地元の人を引き付けることすら難しいクオリティだと思うのですが...

週末、買い物客でショッピングセンターはかなりの人出でした。
これからクリスマスにかけて、町はもっともっとたくさんの人であふれかえることでしょう。

あわただしい買い物途中の腹ごしらえに、カフェやレストランや、人がいっぱいのファーストフード店に入るのも煩わしいこの時期、外でさっと注文してさっと食べられるストリート・フード屋がかたまって出品しているこのショボいクリスマス・マーケット、けっこう需要が高いかもしれません。

いや、本来のクリスマスマーケットとは意味合いが違いますが。

毎年足を運ぶマンチェスターのクリスマス・マーケットに関する5年前の記事、ウィンチェスターのクリスマス・マーケットの記事、ジャーマンソーセージに関する記事など、参考にリンクを貼りました。(もっと、あったかもしれません)

ストックポート日報 アーカイブです。

ウインチェスター大聖堂境内の美しいクリスマス・マーケット ・


マンチェスターのクリスマス・マーケット その1 アルバート広場 ・

マンチェスターのクリスマス・マーケット その2 アルバート広場以外の場所  ・


マンチェスターのクリスマスマーケット その3 ヨーロッパ各地の食べ物屋さん  ・


マンチェスターのクリスマスマーケット その4 アルバート広場再び ・




12月のマンチェスター、クリスマスにはまだ ちょっと間がある 平日の午後

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする