転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か

2016-02-07 14:10:57 | Book
敗北を抱きしめてが面白かったので、著者つながりで本作を読んだ。
こちらは著者の価値観を全面的に押し出されており、現状のアメリカの中国封じ込めと、それに基づく対日政策を全面的に批判する内容となっている。
そもそも国益はそれを構成する国民の利益が当然背景にあるわけで、冷戦時代は、共産革命が世界的に広がると富を失う資産家がそれに対抗するという理由で理解できるが、米中間の対立構造はいったい何を巡る争いなのだろうか。

転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か (NHK出版新書 423)
転換期の日本へ―「パックス・アメリカーナ」か「パックス・アジア」か (NHK出版新書 423)ジョン・W・ダワー ガバン・マコーマック 明田川 融

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ザ・ウォーク

2016-02-05 00:14:57 | Movie
アバター、ゼロ・グラビティに継ぐ、3D映画の傑作。ワールドトレードセンターのビル間を、命綱なしで綱渡りした「フィリップ・プティ」の物語。
手に汗握るというが、ラスト30分のビル間の命綱なしでの綱渡りシーンでは、見ている間、手汗がすごいことになっていた。
ゼロ・グラビティにより、宇宙飛行士志望者が激減したと思われるが、本作により、高層ビル間を綱渡りしようと思う人も激減すると思われる。
妥協して近場のMOVIXで観たが、遠距離でもIMAXで観れば良かった。
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敗北を抱きしめて

2016-02-01 00:35:53 | Book
太平洋戦争後の米軍占領下の日本を題材にしたドキュメンタリーの傑作。
敗戦後の焼け野原での市民の生活から、闇市、米軍相手の慰安所、戦争責任と国民感情、日本国憲法の生成過程、東京裁判等、この時代に何が起きたのか、その背景には何があったのかを、非常に鮮明に描いている。
塩野七海のローマ人の物語もそうだが、著者のその時代への並々ならぬ思い入れが伝わってくる。特に、GHQが当初目指していた、理想主義的な平和で民主的な国家建設への思い入れが強く、米ソの冷戦や中国の国共内戦での共産党勝利に対する、共産主義への防波堤とするために、当初の理想を捨てていくGHQの欺瞞に対する不快感を隠そうともしない。
個人的には、皮肉なことに、平和憲法と、それに矛盾する戦力と、両方備えたがゆえに、戦後の日本は平和を享受できたのではないだろうか。

敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人
敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人ジョン ダワー John W. Dower

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