なんだかんだで国民の3%が支持する共産党。泡沫政党ではないが、政権選択肢には全く入らない党を除名騒ぎで話題にしただけでも、この本は価値があるのだろう。著者の主張は得に過激でもなく、なぜこれで除名されるのかわからない。
政策云々以前に、党の仕組みや体制にあまりにも問題がありすぎる。
著者は昨今のウクライナ情勢や中国の尖閣への侵入を背景に、自衛隊は必須であり合憲という立場で、党としては違憲だが政権に入るときは合憲と主張する執行部を国民の理解が得られないと批判する。一方で、党としては合憲を主張するが、党員が違憲と考えるのも当然という立ち場で、それも意味不明。常識で考えて、党の方針を支持するから党員となって会費を払うのだから、党員と党で考えが一致しないというのは非現実的。
そもそも、この党は今から100年以上前のマルクスレーニン主義に基づいて基本方針を立てているというのが根本的な問題なのであって、プラトンのイデアに基づいて科学を組み立てるような無理がある。さっさと共産主義と決別しない限り、何を訴えても将来性はないだろう。