20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争

2015-11-29 12:16:10 | Book
月探査の事故でただ一人生き残った宇宙飛行士が、一カ月の間救助を信じてサバイバルする「日の下を歩いて」目当てに読んだ。いかにも短編という感じで、詩的な美しさはあるが、リアルなサバイバルSFとしての面白さはいまいちだった。
脳の感情をつかさどる部位の障害をネタにした「しあわせの理由」は、短編の良さを生かしてテンポよくまとまっており面白かった。
表題の「遺伝子戦争」は、遺伝子操作が一般に広まった世界を、ユーモアと皮肉で描いたディストピア小説だが、ひねりがなく、あまり面白くなかった。

20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)
20世紀SF〈6〉1990年代―遺伝子戦争 (河出文庫)グレッグ イーガン ダン シモンズ 中村 融

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中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男: 雷軍(レイ・ジュン)伝

2015-11-29 12:03:38 | Book
中華携帯の安かろう悪かろうイメージを一新させた、シャオミー創業者伝。
シャオミーを立ち上げるまでに、金山公司(格安のアンチウィルスやオフィスソフトを日本ではキングソフトが販売)のトップで長年苦労したということを初めて知り、40過ぎてから企業し、長年蓄えた、知識、人材、投資資金で、人生最大の勝負をかけた気迫が伝わってきた。中国のIT産業勃興のサーベイとしても面白かった。
まだ40代なので、シャオミーは本当に歴史に残る会社になるかもしれない。
伝記としては、文章が時系列を行ったり来たりしており、登場人物名も分かりにくく、読みにくかった。
著者が雷軍側に立っており、ジョブスのプレゼンや商品開発を真似ているところへの、切込みがないところが不満ではある。真似が悪いというわけではないが、敬意は払うべきであろう。

中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男: 雷軍(レイ・ジュン)伝
中国のスティーブ・ジョブズと呼ばれる男: 雷軍(レイ・ジュン)伝陳 潤

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リトルプリンス 星の王子さまと私

2015-11-26 22:03:14 | Movie
題名や予告編の映像、キャラデザイン等から、いかにも子供向けという感じだったため敬遠していたが、ネットでの評判が良かったため見に行った。
もともと、星の王子さま自体にそれほど思い入れがないため、後日譚たるメインのストーリーについてはそれほど面白いと思わなかったが、3Dの映像美が素晴らしい。
奥行き感を生かしているが、びっくり映像ではなく、2Dでは表現できない立体的な美しさに全編が彩られ、立体映像としての完成度は今まで見た中でもトップクラス。あまりの美しさに感動して涙が出そうになった。
TV画面や2Dでは魅力が半減どころか一割にも満たないだろう。映画館で観るべき先品。
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エベレスト3D

2015-11-23 11:20:05 | Movie
1996年に起きたエベレスト遭難を題材にした3D映画。
エベレストを題材にした3D映画は、ビヨンド・ザ・エッジを先に見ていたこともあり、映像自体にはそれほど感動しなかった。
事実を基に淡々としたドキュメンタリーにした方が良かったのではないか。微妙に演出が入っているせいで、悲劇を伝えたいのか、映像を楽しませるのか、焦点がぼけてしまっていた。
結果論を言えば、下山したタイミングがほんの数時間の差で生死が分けられているので、登頂を諦めて引き返せば全員助かったのだろうが、苦労してたどり着いた世界最高峰を目の前にして、1,2時間頑張れば登頂できるという状況で、登頂を断念するというのは難しいだろう。
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明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト

2015-11-17 23:11:14 | Book
幕府側に立ち、明治維新を薩長テロリストの産物と断じ、長州テロリズムの極右思想を受け継いだ日本陸軍の暴走がアジア侵略の大東亜戦争を引き起こしたと断ずる。
勝てば官軍の書いた薩長を正義とする歴史では語られなかった負の側面(京都での御所焼き討ちや、会津戦争での奇兵隊の蛮行等)を徹底的に暴く姿勢は見事だが、維新政府の功績を全否定する姿勢には違和感がある。
維新後の明治時代の日本の政治・経済・インフラのすさまじい発展は、驚異的としか言いようがなく、一種の狂気があったからこそ実現したのではないか。経済的も徳川幕府体制が行き詰っていたことは確かだろう。また、明治の動乱を経て、大正時代には一度安定期に入っており、昭和の暴走を維新政府の直接の責任というのは無理がある。
とはいえ、歴史の負の部分を簡単に忘れようとする日本社会への問題提起として、一読の価値はある。

明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト
明治維新という過ち―日本を滅ぼした吉田松陰と長州テロリスト原田 伊織

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火星の人

2015-11-14 22:26:07 | Book
有人火星探査が可能になった近未来。突然の砂嵐のため、急遽ミッションを中止し火星から脱出することになった探査チームだが、メンバーの一人が突風で飛ばされ行方不明となり生命反応も無くなる。脱出ロケットも倒れる寸前であり船長は離陸を決断するが、ロケット打ち上げ後、火星に一人残されたメンバーが意識を取り戻す。
通信機器が壊れ、残された食料も限られる状況で、ただ一人火星でどうやって生き延びればよいのか。次の探査チームが来るまで生存できれば地球に帰還できる可能性もあるが、地球との連絡ができず死んだと思われているため、危険な有人探査が継続されるかどうかもわからない。生き延びても助けが来ない可能性もある。
火星人が現れて助けるといったようなファンタジー要素は皆無で、火星探査の残された機材を駆使し、目の前の問題をひとつづつ解決する過程がリアルで、ほんのわずかなミスが致命的となる火星環境で、何度も死にそうになりながらも、危機一髪で切り抜ける緊張感がすごい。何度、希望の道が閉ざされても、ユーモアを忘れず、前向きに生き延びようとする主人公のキャラも魅力的。
デビュー作とは思えない完成度だが、当初、自分のホームページ上で連載していたものを、人気が出たためキンドルで電子出版したところベストセラーになり、更にハリウッドでリドリースコットによる映画化と、作者自身のシンデレラストーリーも見事。

火星の人 (ハヤカワ文庫SF)
火星の人 (ハヤカワ文庫SF)アンディ・ウィアー 小野田和子

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劇場版 MOZU

2015-11-12 23:05:38 | Movie
元のTVシリーズ自体が映画並みのクオリティだったため、劇場版になったことの驚きはあまりないが、日本のアクション映画のレベルを上げた。
しかし、TVシリーズでも主人公3人組よりも、中神とモズ(弟)の死闘等、殺し屋達の方が存在感があったが、劇場版も、チャオ東、モズ(兄)、松坂桃李扮するテロリストの方が、主人公3人組よりも見せ場があるというのはどうなんだろうか。TVから引っ張ってきた伏線の北野武扮するダルマの正体もあっけない。
チャオ東主役のスピンオフを作ったほうが面白いのではないか。
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PAN/ネバーランド、夢のはじまり

2015-11-06 16:50:29 | Movie
ハリーポッターよりも対象年齢が低め。子供が観たら面白いのかもしれない。
ピーターパン自体の面白さが良くわからないため、ピーターパンの前日譚という設定に入り込めなかった。船が空を自由に飛べるのに、人間で空を飛べるのは特別な者のみというのが不可解。主人公の出自が特別で選ばれた存在という設定も飽きた。
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ヘンな論文

2015-11-04 13:36:23 | Book
一見、とんでも論文をちゃかすようなタイトルだが、内容はいたって真面目。
日常の素朴な疑問を徹底的に追及した日の当たらない研究を見つけ出し、論文執筆の背景まで遡ってしっかりと紹介する。
紹介されている論文は、日本における湯たんぽの歴史や、共学になった女子高生徒のふるまいの変遷、インスタントコーヒーを溶かした時のスプーンとカップがぶつかった音がだんだんと高くなる現象と、目のつけどころが面白い。
なぞかけに関する研究での題材確保のために、学生になぞかけを作らせるなどの無茶ぶりや、カップルの行動調査のために学生に偽装カップルをやらせるなど、無茶な研究に付き合わされる学生もたいへんだが、こうした一つ一つの研究により、人間の社会は発達してきたのだ。

ヘンな論文
ヘンな論文サンキュータツオ

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ガンダム THE ORIGIN II 哀しみのアルテイシア

2015-11-03 10:08:32 | Movie
尺が短い。劇場公開するのであれば、もう少し話を進めて欲しかった。
このペースだと、THE ORIGIN IIIでジオン蜂起、THE ORIGIN IVでルウム戦役になるのだろうか。全部完成してから観た方が良いか。
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