スター・ウォーズ／フォースの覚醒

不思議なことに、スターウォーズを生み出したジョージルーカス本人のエピソード1～3よりもスターウォーズらしい、いい続編だった。
とにかく密度が濃く、上映時間よりも、もっと長い映画を観ているようで、ヒロインの魅力も抜群。これだけスターウォーズの世界観に合う女優をよくぞ見つけてきたものだ。
新シリーズ一作目ということで、オリジナルの焼き直しと言われるのを覚悟の上で慎重に制作したことが伝わってくる。エピソード8でどこまで盛り上げられるかが勝負だろう。

００７／スペクター

ダニエル・クレイグ版ボンドはシリアス路線が強いが、本作は、無敵でスノッブなボンドと、Q作成のハイテクメカ、キュートなボンドガールと、従来の007シリーズに戻った感じだった。
加えて、今までの敵がスペクターの一員だっととするとってつけたような設定と、大組織のはずのスペクターで、何故かボスが自ら最前線で部下もほとんど付けずに戦って墓穴を掘るという全くリアリティがないストーリーも、前作のダークな雰囲気と差がありすぎるように思えるが、こちらの方が本来の007シリーズらしく、自分的には好みだった。
BBCのSHERLOCKで、モリアーティを演じた役者「アンドリュー・スコット」が情報局長官「C」役で登場するが、画面に出たとたん悪役だとわかる。往年のゲーリー・オールドマンのように、この人には徹底的に悪役を極めて欲しい。

エール！

フランスの田舎で酪農を営むペリエ家は、高校生娘のポーラ以外、両親、弟が耳が聞こえない。
コーラス部に入ったポーラは、顧問の教官に才能を見出され、家族に内緒で、パリの音楽大学に入るためのオーディションを受けるための指導を受けるが、ある日、家族にばれてしまう。
唯一の健常者である娘が家を出ていくことで、家族が崩壊することを恐れる母親は猛反対し、ポーラは自分の夢と家族への責任をとるかの選択を迫られる。

感動させようとする意志が見え見えのプロットのため、あまり観る気が起きず敬遠していたが、たまたま時間があったので見たところ、役者人の熱演や、ユーモアのある洒落たセリフ回し、直球勝負のシナリオ、主人公の魅力ある声の抜群の歌唱力と、観ているうちにどんどん心が揺り動かされ、終盤はずっと涙が止まらなくなった。

最近のフランス映画は、タイピスト等、わかりやすく、直球勝負で素直に感動できる作品が多い気がする。