タルタロスの目覚め

2021-07-30 11:35:47 | Book
シグマフォースシリーズ14作目。
ホメロスのオデュッセイアに描かれた冒険は、はたしてフィクションなのか?

恒例の歴史トンデモシリーズだが、今作はぶっ飛び感がさらに増し、古代ギリシャに現代でも再現できないAIロボットがあったという新テニプリ的ぶっ飛び感が、やりすぎで没入感が今一つ。いくら未知の元素を使っても、さすがに非現実的すぎるだろう。

前作のAIもイマイチだったが、未知のウィルスや生物の方が、このシリーズには合っているように思う。

 
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黄色い部屋の謎

2021-07-20 01:30:27 | Book
密室トリックの古典的名作ということで読んでみたが、自分には合わなかった。
登場人物の行動が意味不明で、トリックありきで人物造形をしている。そして、後出しじゃんけんで追加情報がどんどん出る。
ここらへんは、本作だけでなくミステリーあるあるではあるが、良質なミステリーはこれらを不自然に感じさせないようにうまくストーリーが作られているが、本作は肝心のストーリーがつまらないため、トリックの不自然さを感じてしまう。
ただし、本作の書かれた年代を考慮すると、発表当時にリアルタイムで読んだ人にとっては史上初の本格的な密室トリックということで、相当なインパクトがあっただろう。黒澤作品やトールキンが切り開いたメソッドが、そのクオリティの高さゆえに広く使われた結果、オリジナルの作品自体が陳腐化してしまうのと同じく。
そう考えると、クリスティの一連の作品の多くが現代でも面白く読めることはまさに奇跡で、クリスティの凄さが改めてよくわかる。

 
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シンデレラの罠

2021-07-16 16:42:58 | Book
私は探偵で犯人で被害者で証人なのだ。

火事で顔と記憶を失った女性が病院で目覚める。そして、火事が起きたとき家には二人の女性がいた。死んだのはどちらで、私はどちらのなのか。

素晴らしい設定で、自分が元から持っていた記憶なのか、他者の証言で作られた記憶なのか、自分探しをしながら犯行の真実を探す過程が面白いが、いかんせん、ラストが全てを台無しにしている。

作者としては、このラストを書きたいがために本作を執筆したのだろうが、ミステリーとして成立していない。

着想は素晴らしいので、二次創作の方が映える作品だろう。

 
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ライザップ(RIZAP)の株主優待が酷い件

2021-07-14 11:10:27 | Stock
今朝10時、ライザップの優待ポイント交換サイトがオープンしたが、まともな商品がほとんどなく、人気アイテムは数量限定でサイトオープン後5分で品切れという酷い状態だった。

マネー雑誌や株主優待紹介サイト等だと、1ポイント=1円相当で何万ポイントも株主に進呈されるような書き方をされているが、ポイント自体はもらえても使いものにならないのでは看板に偽りありだろう。

ここまでひどい株主優待は見たことがない。これ以上、優待目当てでライザップの株を買うような被害者(まさに自分がそうだった)が出ないよう、ここに警告したい。

商品数が少ないのならば商品券でと思うと、交換できるのは商品券でなく割引券(5000円ごとに1000円割引)で、これを1ポイント=1円相当というのは詭弁だろう。

しかし、こんなことをやっていれば、ライザップの会員になろうとか、企業グループの商品を買おうとか絶対に思わないのだが、いったいこの会社は何を考えているのだろうか。

株価を維持するためだけに、見せかけだけの優待サービスを導入しているのだとしたら言語道断だし、経営者の人間性を疑う。

株主優待ワースト1企業に選びたい。
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オクトーバー・リスト

2021-07-14 11:10:27 | Book
時系列を完全に逆にするという、ミステリー史に残る傑作の一つ。

物語中に過去シーンを絡めるなどで、メインストーリーは時系列順だが、部分的には時系列が変わる作品はあるが、本作は、最初から最後まで完全逆順というとんでもないことをしでかしている。

にもかかわらず、ディーヴァー得意のどんでん返しが、時系列の先頭で起きるというまさに神業。難を言うと、ディーヴァー作品恒例のどんでん返しに継ぐどんでん返しがちょっとやりすぎ感があり、どんでん返しは一回の方が、完成度が高かったのではないかと思う。

ミステリーマニア必読の一冊。ミステリーはすでにやりつくされていて、新しい手法は出ないと思っていたが、こんなやり方があるとは驚いた。


 
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ネヴァー・ゲーム

2021-07-04 12:36:52 | Book
リンカーン・ライムシリーズのジェフリー・ディーヴァーが贈る、懸賞金ハンター、コルター・ショーが主人公の新シリーズ。

シリコンバレーを舞台に、PCゲームのシナリオを模倣した連続誘拐事件が発生する。微細な手掛かりを基に誘拐された人間の居場所を突き止める過程が面白い。ディーヴァーお得意の終盤の連続どんでん返しもきれいに決まり、最近のライムシリーズよりも完成度が高かった。

 
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