死のドレスを花婿に

この作家の独自のスタイルは面白い。
第一章のサイコパス的な殺人者の独白から、物語全体をひっくり返す第二章、入り組んだストーリーを解きほぐす第三章と、一気に読ませる。
是非、他の作品も翻訳して欲しい。

死のドレスを花婿に (文春文庫)
	ピエール ルメートル Pierre Lemaitre 文藝春秋 2015-04-10 売り上げランキング : 3380 Amazonで詳しく見る by G-Tools

本当にあった 奇跡のサバイバル60

どのエピソードもすごい。
自らの体を切断したり、仲間の遺体を食べたり、何千キロの荒野を歩き続けたりと、文字通り、生きるために持てる力を全て出し切っている。当然のことながら、同じように必死に力を振り絞っても亡くなった人たちが、生き残った人たちの何十倍もいるのだろう。
どのような状況に追いやられても、救出を信じて前向きに考えることが一番重要なのかもしれない。

本当にあった 奇跡のサバイバル60
	タイムズ ナショナル ジオグラフィック 日経ナショナルジオグラフィック社 2013-12-18 売り上げランキング : 83087 Amazonで詳しく見る by G-Tools

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち

投資家をカモにしている超高速取引の暴露し、公正な取引所を作るために立ち上がった男たちに光を当てた、素晴らしいドキュメンタリー。
これは投資家教育の必読本にすべきだが、証券取引所とブローカーがぐるになっている状況では、超高速取引への問題意識は広まらないだろう。
大企業の株に限ってだが、東証で値付けが銭単位でできるようになったかも、裏側を考えると納得がいく。
とりあえず、株の売買をするときは絶対に指値注文し、成り行きは行ってはいけないことを肝に命じるべき。

フラッシュ・ボーイズ 10億分の1秒の男たち
	マイケル ルイス Michael Lewis 文藝春秋 2014-10-10 売り上げランキング : 9832 Amazonで詳しく見る by G-Tools

モンスター

お騒がせ作家、百田尚樹の小説。表題やあらすじからはミステリーのように思えるが、ミステリーではない。

この世のものとは思えないブスに生まれた故郷を追われた主人公が、美容整形を繰り返すことで、類まれな美を手に入れる。美しくなるにつれ、今までさげすんできた周囲の人間の態度が羨望へと変わっていくが、完成された美を手に入れた主人公が、ある目的を胸に故郷へと戻る。

美容整形手術の描写がリアルで、手術を繰り返すごとに美しくなっている過程は面白く、文章も読みやすいが、シリアスで感動的な話を書きたいのか、コメディタッチで面白い話を書きたいのか、立ち位置が中途半端。

モンスター (幻冬舎文庫)
	百田 尚樹 幻冬舎 2012-04-12 売り上げランキング : 10156 Amazonで詳しく見る by G-Tools

9月の生活費

9月の生活費がまとまった。
①税等（税＋社会保障）
45,000円
②住居費（地代＋光熱費）
47,000円
③食費（外食含む）
32,000円
④その他（通信費＋教養娯楽等残り全て）
58,000円
合計 182,000円

今月は今までで最も少ない出費で、この金額を切るのは非常に難しい。
①は節約不可、②はほぼ不可、③を頑張って20,000円程度に抑えても、何もせずに生きていくだけで、①＋②＋③の合計112,000円かかることになる。

特に贅沢な生活はしていないのだが①の負担が大きすぎる。
実際には出費（②＋③＋④）に対し更に8%の消費税がかかっているわけで、月間支出の約30%は問答無用に徴収されていることになる。
今後、消費税が上がったら暴動が起きるのではないか。

その女アレックス

数々のミステリー関係の受賞も納得の凄い作品。
第一章では不可解な誘拐事件を描き、第二賞では誘拐事件被害者の裏の顔を、最終章では人間の悪に挑む刑事魂をと、それぞれに違った主題を巧みにつなげたストーリーテリングがお見事。
アクロイド殺しやそして誰もいなくなった等のクリスティの往年の作品群と同様に、あらすじ自体がネタバレになる、まさにミステリー。

その女アレックス (文春文庫)
	ピエール ルメートル 橘 明美 文藝春秋 2014-09-02 売り上げランキング : 929 Amazonで詳しく見る by G-Tools