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クロエ・グレース・モレッツ主演でリメイクされた映画の原作本。
映画では語られないエリの過去や、直接エリと関係のないエピソードがあり、読み応えがあった。
スウェーデンというと、緑豊かな明るい国を想像するが、ミレニアム三部作や本作等からは、福祉国家スウェーデンのどんよりとした沈滞感が伝わってくる。

MORSE〈上〉―モールス (ハヤカワ文庫NV)
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清州会議

実際にこんな感じだったのだろうと思わせるのがうまいが、喜劇としてはあまり面白くなかった。

マッキー

横恋慕した社長に殺された男が、愛する女性を守るため、ハエに生まれ変わって彼女を守る。
バカバカしい設定のインド映画だが、良い意味ではっちゃけており、なかなか面白かった。
最初は無力なハエが、だんだんと力を使いこなしていき、壮絶なラストバトルへとつなげていく構成がうまい。

ロードス島攻防記

ロードス島に拠点を置くヨハネ騎士団と、オスマン帝国のスレイマン大帝との戦記。
十字軍の主力とイスラム教徒との戦いということで、宗教戦争のような陰惨な戦いを想像していたが、両者とも常に落とし所を探る理性的な戦争だったことが以外だった。
最初に述べられているヨハネ騎士団の歴史が、最後のオチにつながるところがうまい。

ロードス島攻防記 (新潮文庫)
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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

「チェーザレ 破壊の創造者」が全然話が進まないため、こちらを読むことにしたが、10巻まで進んでやっと、この本の序盤でしかなく、本当に完結できるのだろうか。

読み終えた感想だが、イタリアを統一したわけでもなく、特に何かを成し遂げたようには思えず、今ひとつ、この人物がなぜ人気があるのかわからない。群雄割拠の戦国時代の統一を目指し、志半ばで潰えた代表的な人物といえば信長だが、チェーザレと信長は、合理的な思考、人情に流されない等類似点が多いが、信長の方が魅力を感じる。
そして、マキャベリズムの代表者である彼らが志半ばで潰えたのに対し、彼らよりもマキャベリズム的には劣っていると思われる、普通の人間的な秀吉や家康が結局は国を支配する結果となったことは、皮肉としか言い用がない。

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もうひとりの息子

「そして父になる」と同時期公開というすごい偶然だが、こちらも取り違えた子供が、ユダヤ人とパレスチナ人という強烈な設定となっている。
「そして父になる」では親視点の話であったが、こちらは子供視点の話となっており、当事者としては、現状を受け入れて折り合いをつけるしかないわけで、その分全体的に前向きな話となっている。
特にドラマチックな展開があるわけではなく、こういった事件が起きたらどうなるかを淡々とリアルに話がすすむため、ハッピーエンドによる爽快感は無く、いまひとつ製作者が何の意図をもってこういった作品を作るのかがよくわからない。

コールド・ウォー 香港警察 二つの正義

警察庁長官不在の香港で、警察官の集団拉致事件が発生する。
現場あがりの副長官リーが指揮をとるが、被害者の中に息子がいることが判明し、冷静さを失い強権的な捜査を強行する。危機感を覚えた管理部門出身のもう一人の副長官ラウが指揮権を奪い捜査を進めるが、捜査中に犠牲者が出てしまう。
インフェナルアフェア以来の完成度とのうたい文句通り、冒頭から警察内部の犯行を疑わせる描写があり、登場人物が皆怪しく見え、最後までハイテンションで話しが進んで行き、見応えがあった。

42 世界を変えた男

黒人初のメジャーリーガー「ジャッキー・ロビンソン」の伝記映画だが、とても感動した。
不屈の勇気で理不尽な人種差別に耐え忍び、野球選手として素晴らしいプレーを見せることで、周りの人々を少しづつ変えていく。
ハリソン・フォード扮するブルックリン・ドジャースの会長リッキーの、様々な圧力に屈すること無く信念を変えずにジャッキー・ロビンソンを支える姿勢も素晴らしかった。